中国語でどういたしまして!日常会話編からビジネス編まで紹介します
はじめまして!中国語学習者のまてぃです!
中国語でありがとうを意味する「謝謝(xiè xie)」は広く知られている言葉ですよね。しかし、相手にお礼を言われた場合にどういたしましてのように返す言葉は意外と知らない方が多いのではないでしょうか。
そこで、今回は中国語で「どういたしまして」の言い方をご紹介します。
日常会話で使う基本的なものからビジネスシーンでもお使いいただける様々なフレーズを集めてみました。中国語を習ったことがない方でも簡単に使えるようカタカナの表記も合わせて解説していきますね!
では、まずはじめに最も基本的な「どういたしまして」の言い方を見ていきましょう。
目次
1)基本的などういたしましては「不客气(bú kè qi)」
ありがとうと言われた際に返す言葉として使われているのが「不客气(bú kè qi)」というフレーズです。発音をカタカナに直すと「不客气(bú kè qi)ブークォァーチ」というような発音になります。
※bùは後ろがkè(4声)なので4声ではなく2声búに変調します。
どういたしましてのように、返す言葉としては最も基本的な言い方で日常会話で使われることが多いです。
不客气は遠慮しないでという意味合い
どういたしましてと同じ使い方をされる言葉ではありますが、直訳すると少し意味が違ってきます。
このフレーズの中の「客气」2文字は、中国語で遠慮するなどといった意味です。そして否定形の役割をする「不」を加えることによって「遠慮しないでください」という意味合いを持ちます。
この表現が日本語の「どういたしまして」に最も近い表現だとされており、感謝された時に返す言葉としては「いえいえ、それほどでも」などのニュアンスと似ています。
また、「遠慮しないでください」という意味を持つことから、「どうぞ〜してください」などのようにもてなす際にも使われることがあります。
ブークォァーチと発音する
発音に関しては「不客气(bú kè qi)」のローマ字の部分、つまり拼音を理解することでより正確な発音をすることができます。※bùは後ろがkè(4声)なので4声ではなく2声búに変調します。
拼音は基本的にはローマ字の読み方を使用しますが、今回のフレーズの「客(kè)」は例外的な発音をします。
この「è」という文字は日本語にはない母音で、あとおの中間のような発音をします。発音方法としては、おの口の形から少し力を抜いた状態で、舌の位置はアの発音の時のように口の下の方に寄せます。
また、そのほかにイントネーションを決める記号である声調に着目します。ローマ字のうえに点がついていますよね。そちらが声調と呼ばれるものでこの場合は上から下に音程が下がるような発音をします。
感覚としてはブー(↘︎)クォァー(↘︎)チという風に発音するとよりネイティブに近い発音をすることができます。※qiは軽声になります。
また、より詳しく拼音や声調を学ぶことで正確な発音を理解することができます。もっと発音を勉強したいという方は、「【中国語】発音(ピンイン・声調)はどのように学べばいいか?超体系的な学習法」で詳しい規則や読み方を説明しています。よかったら見てみてくださいね!
2)初対面やフォーマルな場面でのどういたしまして
先ほどの「不客气(bú kè qi)」では、カジュアルすぎるため初対面の方や仕事上でのコミュニケーションではなるべく使わないようにしましょう。そこで、仕事などの場面でも使えるどういたしましての丁寧表現をいくつかご紹介していきます。
中華文化圏のビジネスシーンでは、基本的に感謝された時には普段よくしてもらっているため相手によくするのは当然のことであるというような考え方をします。そのため、返答にも相手に遠慮しないようにお願いするニュアンスを持つフレーズが多くなっています。
表現によって上の立場から、下の立場からといった微妙なニュアンスの違いがあるため、今回は関係性に分けてフレーズを紹介していきます。
上司または取引先の方に使う「どういたしまして」
ビジネスシーンで使う表現の中でも丁寧な言い方にあたるフレーズをご紹介いたします。以下は上司や取引先の方など目上の方に使える表現になっています。
そんなに遠慮なさらないでください | 请不要客气 | qǐng bú yào kè qì | チン ブーヤオ クォァーチ |
いえいえ、お礼を言われることの程では | 不不,不用谢 | bù bù , bú yòng xiè | ブー ブー ブーヨンシィエ |
当然のことですので | 应该的 | yīng gāi de | インガイ ダ |
部下などに使う「どういたしまして」
社内やビジネスでのコミュニケーションの中で礼儀もありつつ少し軽めの表現にあたるフレーズをご紹介いたします。
遠慮しないでください | 别客气 | bié kè qi | ビエ クォァーチ |
礼にも及ばないです | 不用谢 | bú yòng xiè | ブー ヨン シィエ |
そんなに遠慮しなくても… | 不要客气 | bú yào kè qi | ブーヤオ クォァーチ |
3)日常会話の中で使えるどういたしまして
さて、先ほどは仕事の場面などでのどういたしましての言い方を紹介してきました。こちらのパートでは逆に同僚との会話や友人との会話などより親密な関係の方との会話場面で使える表現を紹介します。
日本では親しき中にも礼儀ありとされていますよね。しかし中華文化圏では、とても仲が親しい関係である場合手助けをするのは至って当たり前のことと考えられます。特に友人間ではありがとう自体をあまり頻繁に言うことが少ない風潮があります。そのため、もしありがとうと言われた場合には、そんなの水臭いなどのニュアンスの返答がつかわれます。
友人などに対して使う「どういたしまして」
こちらでは、日常会話の中で簡単に使えて、尚且つカジュアルな表現にあたるフレーズをご紹介いたします。
お礼なんてしないで | 不用谢 | bú yòng xiè | ブー ヨン シィエ |
どうってことないよ | 没问题 | méi wèn tí | メイ ウェンティー |
全然大丈夫 | 没事儿 | méi shì ér | メイ スィァー |
また、最近アニメなどで「没问题」と書いてモーマンタイと読むフレーズが多く登場しています。このモーマンタイは先ほど紹介したメイウェンティーと同じような意味とされている語句です。しかし、モーマンタイとは主に香港などの地域で使われる広東語のフレーズであり、中国語とは異なります。そのため、中国語圏ではメイウェンティーと発音するようにしましょう。
家族などとても親しい間柄で使う「どういたしまして」
続いては、親戚や家族、付き合いの長い方など最も親しい間柄の際にで使うことができる表現をご紹介します。最もラフな表現にあたるため、使う相手をしっかりと見極めれば距離が一気に縮まるフレーズとなっています!しかし、初対面の方や仕事上で使うと失礼にあたることなどもあるので注意してください。
そんなの水臭すぎるって | 你也太客气了 | nǐ yě tài kè qi le |
ニー イェー タイクォァーチ ラ |
お礼はいらないよ | 不谢 | bú xiè | ブー シィエ |
大したことないから | 没什么 | méi shén me | メイ シェンマ |
4)逆に感謝を伝えたい場合のこちらこそありがとう
さて、ここまでどうしましての表現をご紹介してきました。しかし、どういたしましてではなく、お礼を言われた相手にそのまま感謝を伝えたい場合困ってしまわぬよう、「こちらこそ」と言う意味を含めたフレーズをご紹介いたします。「こちらこそありがとう」の様々な言い方は以下の通りになります。
こちらこそありがとう | 我也谢谢你 | wǒ yě xiè xie nǐ | ウォーイェー シィエシィエ ニー |
我也谢谢您 | wǒ yě xiè xie nín | ウォーイェー シィエシィエ ニン | |
私の方が感謝すべきなので | 我感谢你才对 | wǒ gǎn xiè nǐ cái duì | ウォー ガンシィエ ニー ツァイ ドゥイ |
我感谢您才对 | wǒ gǎn xiè nín cái duì | ウォー ガンシィエ ニン ツァイ ドゥイ | |
私の方こそありがとう | 我才要感谢你 | wǒ cái yào gǎn xiè nǐ | ウォー ツァイヤオ ガンシィエ ニー |
我才要感谢您 | wǒ cái yào gǎn xiè nín | ウォー ツァイヤオ ガンシィエ ニン |
より丁寧な言い方をしたい場合は、あなたを表す「你(nǐ )ニー」を丁寧な称し方である「您(nín)ニン」に変えることでより尊敬を込めた言い方をすることができます。
また、上記の方法のほかにそのままお礼を述べるフレーズをお返しする方法もあります。様々なシーンに合わせた感謝表現については「【中国語】ありがとう謝謝の様々な言い方!TPO別感謝表現集」で紹介しています。こちらも合わせてチェックしてみてください!
5)大陸(中国)と台湾の地域ならではのどういたしまして
さて、続いては少し詳しい内容について説明します。現在中国語圏とされているのは中国の他に、台湾などがあります。
そして、日本語に標準語や関西弁があるように、同じ中国語を使っている場所でも、地域ごとにオリジナルの表現が存在します。もちろん今回の「どういたしまして」の表現も地域ごとに独特の言い回しがあります。
そこで、こちらのパートでは中国と台湾でそれぞれ代表的な「どういたしまして」のフレーズをご紹介していきます。
大陸(中国) | 台湾 | |||
どういたしまして | 哪里(nǎ lǐ) | ナー リー | 不会(bú huì) | ブーフイ |
どいたま | 哪里哪里(nǎ lǐ nǎ lǐ ) | ナー リー ナー リー | 不会不会(bú huì bú huì) | ブーフイブーフイ |
全然大丈夫だよ | 不麻烦( bù má fán) | ブー マーファン | 是謝謝你啦(shì xiè xie nǐ la) | スィー シィエシィエ ニー ラ |
上記の例の中で、短いフレーズを2回連続で並べている部分があります。このように中国語では2回続けて言うことでより砕けた、やわらかい印象に変えることができます。仲の良い人との会話ではこのように連続して言うことで優しい印象を与えましょう。
6)場面に合わせてどういたしましてを使い分けよう
「ありがとう」「どういたしまして」という簡単な会話を交わすだけでも、適切な表現をすることで良い印象を与えることができます。
私も実際に台湾留学に行った際「ありがとう」と「どういたしまして」を意識して使うことで現地の方と仲良くなるきっかけを作ることができました。
もし中国語ができない方でもこのように感謝表現を覚えることで親睦を深めるきっかけにしていただけたら幸いです。現地を訪れる際は今回説明したローカル版も使ってみてくださいね!
まてぃ
神奈川県出身のZ世代。語学大好き。元々英語漬けだったが、大学の台湾短期研修をきっかけに中国語に目覚め、在学中1年間台湾銘傳大学に留学。卒業後は国立台湾大学ジャーナリズム学科修士課程に進学。現地企業などでの経験を経て現在は日本を拠点に中国語翻訳などを中心に活動中。TOCFL高階級。HSK6級。心揺さぶられる言葉や文章が大好物です。
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