【中国語】「お金の単位」と人民元15種類を紹介!買い物の例文&物価今昔比較も

 こんにちは!中国語漫画翻訳者のもりゆりえです。今回は「中国語のお金の単位」や人民元の紙幣と貨幣の種類、買い物で使える会話文、そしてお金にまつわる私自身の留学中のエピソード(2005年~2006年)などをご紹介します。

中国のお金の名称と3種類の表記

 中国のお金は日本語で「人民元(じんみんげん)」、中国語では「人民币(rén mín bì)」と呼ばれています。中国の銀行などで他の外貨から両替する際には「人民币(rén mín bì)」のそれぞれの頭文字をとって「RMB」という表記が使用されており、日本円の表記と同じように「¥」マークを金額の頭につけることもあります。

 一方、為替市場では「CNY(オンショア人民元)」と「CNH(オフショア人民元)」いう2種類の表記が使用されています。

「CNY」とは「中国本土の居住者が取引する国内(オンショア)市場(上海外国為替市場)で流通するもの」を指し、貿易などの実需に基づく取引に限られています。1日の変動幅が中国人民銀行と国家為替管理局に厳しく管理されているのが特徴で、「基準値」が前日の終値、ドルやユーロなどの動きを参考に算出、公表されています。

 それに対し「CNH」は、中国本土外の香港やロンドン、シンガポールなどの取引を指し、「CNY」のような「基準値」が存在せず、実勢を反映する傾向があるのが特徴です。「CNH」誕生のきっかけは、2009年に人民元が貿易決済通貨として使えるようになり、2010年に香港にオフショア市場が誕生したことだと言われています。

参考①:オンショア人民元/CNY│初めてでもわかりやすい用語集│SMBC日興証券 (smbcnikko.co.jp)

参考②:人民元とは 中国の通貨、2つの市場で取引 キソから!投資アカデミー 為替⑨ – 日本経済新聞 (nikkei.com)

中国の「お金の単位」

 中国のお金の単位は3種類あり、大きい物から順に「 块(kuài)毛(máo)分(fēn)」が使用されています。「块」と「毛」は、基本的に話し言葉で使われ、書き言葉ではそれぞれ「元(yuán)」、「角(jiǎo)」と表現されます。現在ほぼ流通していないと言われる「分」は、話し言葉と書き言葉で表現に違いはありません。

 まとめると、以下のようになります。

<話し言葉>──<書き言葉>

 块(kuài)── 元(yuán)

 毛(máo)── 角(jiǎo)

分(fēn)── 分(fēn)

 それぞれ、「1元(块)=10角(毛)=100分」に相当します。

【中国語】「お金の単位」を使った例文

話し言葉で用いる表現 

 話し言葉の「中国語のお金の単位」を用いた、買い物での会話例文をご紹介します。

<写真は2005年に留学した、浙江省杭州市で売られていた糖葫芦(táng hú lu/果物の飴掛け)。当時は1本2~3元程で購入できた。キウイの先に刺さっているのはミニトマト。>

这件T恤衫多少钱?:このTシャツはいくらですか?

30。:30元です。

多买的话,能便宜点儿吗?*:多めに買ったら、少し安くできますか。

可以打九五折。*:5%オフにすることができます。

 

我想给日本朋友买一些礼物。*:日本人の友人にお土産をいくらか買いたいのですが。

我们送货的话,另收两百的运费。:こちらからお届けするなら、別途200元の配送料がかかります。

 果物などは、量り売りも多く見られます。

这种苹果多少钱一斤?:このリンゴは500gいくらですか?

一斤。:500gで4元です。

「おつり」や「割引」などの表現です。「〇块〇毛」の「毛」は、普段の買い物では省略されることも少なくありません。

一共多少钱?:全部でいくらですか。

六百钱五个。:5つで600元です。

找您两(毛)。:2.5元のお釣りです。

能打折吗?:割引きできますか。

这个是100日元,折合人民币56。*:これが100円、中国の元に換算すると5.6元です。

<*印の例文は“買い物”のタグがついた例文・フレーズ|NHK語学講座で学ぶ!ゴガクル中国語 (gogakuru.com)より/赤字は作者による>

書き言葉で用いる表現

 書き言葉の「お金の単位」の表現は、ニュースなどに見られます。

中国人民银行授权中国外汇交易中心公布,2024年5月8日银行间外汇市场人民币汇率中间价为1美元对人民币7.1016,1欧元对人民币7.6659,…(後略)

例文参考:2024年5月8日中国外汇交易中心受权公布人民币汇率中间价公告 (pbc.gov.cn)

(※赤字は作者による)

訳)中国人民銀行傘下の中国外貨取引センターは、2024年5月8日銀行間取引市場で人民元の中間値を1ドルを7.1016元、1ユーロを7.6659元…(後略)と発表した。

【中国語】諸外国、地域の主な通貨の単位22種類

 経済関連のニュースなどでよく見られる、諸外国や地域の通貨の単位です。

日元(rì yuán):日本円

韩元(hán yuán):韓国ウォン

朝鲜圆(cháo xiān yuán):北朝鮮ウォン

台币(táibì):台湾ドル

港币(gǎngbì):香港ドル

澳门币(ào mén bì):マカオ・パタカ(マカオドル)

越南盾(yuè nán dùn):ベトナムドン

林吉特(lín jí tè):マレーシアリンギット

泰铢(tài zhū):タイバーツ

印尼盾(yìn ní dùn):インドネシアルピア

卢比(lú bǐ):インドルピー

美元(měi yuán):アメリカドル

欧元(ōu yuán):ユーロ

英镑(yīng bàng):ポンド

卢布(lú bù):ルーブル

瑞士法郎(ruì shì fǎ láng)/ 瑞郎(ruì láng):スイスフラン

丹麦克朗(dān mài kè lǎng):デンマーク・クローネ

挪威克朗(nuó wēi kè lǎng):ノルウェー・クローネ

福林(fú lín):ハンガリーフォリント

里拉(lǐ lā):リラ

比索(bǐsuǒ):ペソ

南非兰特(nán fēi lán tè):南アフリカランド 

中国のお金の種類

 2024年現在、中国は電子決済が主流のイメージが強いですが、私が中国に語学留学に行った2005年頃は、現金払いが一般的でした。中国の現金は、日本と同じく紙幣と硬貨が使用されています。

 これまで人民元の紙幣や硬貨は、5度のデザイン変更がされており、現在は1999年発行の「第五套人民币」が主に流通しています。そのデザインを基本として様々な偽装防止の技術が定期的に加えられているようです。

中国の紙幣8種類

100元紙幣

 数字のホログラム処理など、7か所に新たな偽造防止加工が加えられた最新版の100元札です。2015年に発行されました。

<画像は中国人民银行 (pbc.gov.cn)より>

50元紙幣

 こちらも最新版の100元札と同じく、文字のホログラム処理や透かしなどの偽造防止加工が7か所施されています。100元紙幣発行の4年後、2019年に発行されました。

<画像は2019年版第五套人民币详解 (pbc.gov.cn)>より

20元紙幣

 50元紙幣と同じく7か所の偽造防止加工が施され、2019年に発行されました。20元紙幣は、1999年の「第五套人民币」発行に際し、新たに追加された額面の紙幣です。

<画像は2019年版第五套人民币详解 (pbc.gov.cn)より>

10元紙幣

 こちらも50元紙幣や20元紙幣と同じく、7か所の偽造防止加工を施し2019年に発行されました。

<画像は2019年版第五套人民币详解 (pbc.gov.cn)より>

5元紙幣

 5元紙幣は、50元紙幣などが発行された翌年の2020年に発行されました。50元紙幣などよりもさらに多い、10か所の偽造防止加工が施されています。

<画像は2020年版第五套人民币5元纸币 (pbc.gov.cn)より>

1元紙幣

 1元紙幣は50元紙幣などと同じく、2019年に発行されました。偽造防止加工は3か所と少なく、透かしやエンボス加工(紙幣に凹凸を施し、触覚で判別できるようにする)がメインとなっています。

<画像は2019年版第五套人民币详解 (pbc.gov.cn)より>

5角紙幣

 1987年に発行された「第四套人民币」で、現在もまだ市場で流通しているものです。紙幣には中国の55の少数民族のひとつである、「苗族(ミャオ族)」と「壮族(チワン族)」の女性が描かれています。

<画像は人民币(中华人民共和国法定货币)_百度百科 (baidu.com)より>

1角紙幣

 こちらも5角紙幣と同じく、1987年に発行された「第四套人民币」で、現在もまだ市場で流通しているものです。紙幣には中国の55の少数民族のひとつである、「高山族」と「満族」の男性が描かれています。

<画像は人民币(中华人民共和国法定货币)_百度百科 (baidu.com)より>

中国の貨幣 7種類

5元硬貨

<画像は商品详情 (weipaitang.com)より>

 こちらは2009年、2010年、2013年、2014年、2017年にそれぞれ中国人民銀行により限定発行された記念硬貨です。2017年発行の記念硬貨は、ひとり最大40枚の制限を設けて予約発行され、総発行数は2.5億枚にものぼりました。他の人民元と同じように、5元硬貨として使用することができるといいます(参考:五元硬币(2017年中国人民银行发行纪念币)_百度百科 (baidu.com))。

1元硬貨

 2019年に発行された1元硬貨は、2018年まで発行されていた1元硬貨の大きさ(25㎜)より一回り小さい、22.25㎜にリニューアルされました。

<画像は2019年版第五套人民币详解 (pbc.gov.cn)より>

5角硬貨

 2019年に従来の銅合金製からニッケルに材質が変わり、硬貨の色も金から銀に変わりました。大きさは20.5mmで、従来のものと同様です。

<画像は2019年版第五套人民币详解 (pbc.gov.cn)より>

1角硬貨

 従来使用されていた物と大きさ、材質共に変化はありませんが、正面の数字の大きさや周囲の点描の追加、裏面の蘭の花の大きさが一回り小さくなるなど、多少のデザイン変更が施されています。

<画像は2019年版第五套人民币详解 (pbc.gov.cn)より>

5分硬貨/2分硬貨/1分硬貨

 1955年~2007年頃まで流通していた「第二套人民币」の硬貨で、こちらの3種類の硬貨自体は、1957年に発行されたものです。その後デザイン変更などが加えられることなく、現在もそのまま使用されているものの流通量は少ないようです。

 それぞれの大きさは、5分硬貨が24mm、2分硬貨が21mm、1分硬貨が18mmとなっています。

<画像は1997-1998-1999年1分2分5分精致硬币套币9枚收藏_货币人民币_淘小店【7788收藏__收藏热线】 (997788.com)より>

【中国】偽札の多さを語る?「偽札鑑別機」

 私が中国に語学留学に行っていた2005年~2006年はちょうど、現在のひとつ前のバージョンである「2005年版100元札」が発行された年にあたり、その更にひとつ前のバージョンである、「1999年版100元札」との両方が市場に流通していたと考えられる時期です。

 両者では紙幣の色味が若干異なり、2005年版は青味の強い赤(ピンクっぽい色)、1999年版は黄味の強い赤(朱色っぽい色)でした(下記画像参照)。

<画像は人民币(中华人民共和国法定货币)_百度百科 (baidu.com)より>

 私が中国に語学留学をしていた当時、「中国では人民元の“偽札”が出回っているから注意するように」と言われていました。そのため、明らかに色味が異なる「2005年発行版の100元札」と「1999年発行版100元札」を現地で初めて目にしたとき、「これが噂の偽札か⁉」とかなり驚いたのを覚えています(当然偽札ではなく、ただの「バージョン違い」でした)。

 そして当時の中国の「偽札の多さ」を象徴していたのが、店先のカウンターに置かれていた「偽札鑑別機」です。私が留学した、浙江大学キャンパス内の小さな超市(スーパー)にさえ、下の画像のような偽札を鑑別する機械がレジ横に置かれていましたし、銀行の窓口では紙幣のカウント機能が追加された、更に大型の機械が窓口に置かれていました。

<画像は人民币假币识别和相关规定_word文档在线阅读与下载_免费文档 (mianfeiwendang.com)より/※学内のスーパーで目にした「偽札鑑別機」は、もっと小型で簡易的な物>

 現在の中国では、現金より電子決済が主流となっていますが、個人的には「電子決済なら偽札をつかまされるリスクが少ない」というのも、電子決済が中国で広まった大きな理由のひとつなのではないかと考えています。

【2005年と2024年】中国留学の費用&物価比較

 私が中国に語学留学に行った2005年頃は、「100万円程あれば、中国留学の1年間の学費と生活費が賄える」と言われていました。もちろんこれは留学先や個人の生活スタイル(住む部屋の種類、食費のかけ方、旅行に行く頻度など)により異なります。北京や上海などの大都市では当然価格が上がりますし、地方では費用が抑えやすくなる傾向にあります。

 私が中国に滞在していた2005年~2006年のレートは、概ね1元14円前後で推移していました(参考:人民元/円の為替レートの推移(1980~2024年) – 世界経済のネタ帳 (ecodb.net))。ちなみに2024年現在、1元はおよそ22円前後で推移しています(2024年6月29日のレート換算による)。

 中国は2005年7月21日に、それまでの固定相場制から「管理変動相場制」に切り替わり、同時に「通過バスケット制」(自国通貨とかかわりの深い複数の他国通貨を選び、ひとつのバスケットに入れ、加重平均で「基準値」を算出する方法)も導入しました。ただしその「基準値」もあくまで「参考値」であり、最終的な「基準値」は通貨当局の裁量により決まると言われています。

 私が語学留学に行った2005年は、中国にとって人民元の価値が上がった大きな節目の時期だったと考えられます。

<画像は、当時個人で取り寄せた浙江大学のパンフレットの一部>

 2005年に取り寄せた浙江大学のパンフレットの説明によると、語学進修生の長期(1年)の学費は1,800ドル、寮費は1日あたり2.5~6ドル、食事代は1日2~4ドル、それらを合わせて1年間の生活費としておよそ2,500~4,500ドル前後で賄えると書かれています。私の記憶でも、留学生寮に併設された食堂だと1食あたり3~6元、学外の庶民的な食堂でも5~8元程で十分な量の食事をとることができました。

 私の場合も、日本の4年制大学在学中と卒業後のおよそ半年間にアルバイトで貯めた100万円と、渡航後半年後に浙江大学からいただいた奨学金、さらに1週間に2コマの日本語学校講師のアルバイト代を国内旅行費などに充てることで、充実した1年間の語学留学をすることができました。

 2024年現在、1年間の中国への語学留学の場合、概ね160万円~200万円程かかると言われているようです(参考:中国留学Q&A「留学費用について」/中国留学なら毎日留学ナビ (myedu.jp))。現在、浙江大学のHPに掲載されている学費は18,000元(約2,477ドル/2024年6月29日時点のレート換算による)となっているため、私が留学した2005年当時の学費1,800ドルと比べて値上がりしていることが分かります。

<画像は费用和银行账户 (zju.edu.cn)より>

 ★★★

 いかがでしたか?私が留学に行った2005年~2006年と、2024年現在を比べてみると、中国の物価上昇もさることながら、かつての「偽札が多い」と語られる状態から「キャッシュレス大国」への変貌ぶりも、中国にもたらされた非常に大きな変化だと感じます。

 今回の「中国のお金の単位」は、中国旅行や留学での買い物の際はもちろんのこと、中国の越境ECサイトなどで中国の商品を購入する際にも目にすることができますので、日本の物価との差を体感的に知りたい方や、中国の商品に興味のある方はぜひ見てみてください。

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もりゆりえ

広島県東広島市出身。尾道市立大学美術学科卒業。高校時代に読んだ漫画「封神演義」をきっかけに中国語学習を開始。大学卒業後中国に渡り、浙江大学に10ヵ月間の語学留学(2005年〜2006年)をする。留学中に、「第二届中国国際動漫画節」に参加。現在はフリーランスの中日漫画翻訳者として活動中。趣味は中国のマンガアプリでマンガを読むこと。

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