【中国語】この“个”は何!?必要なのか?どういう意味があるのか?

語法・表現・フレーズ

みなさん、次の文の“个”の意味を理解できますか?

  • 他在上海住了两三天
  • 他是日本人 

みなさんご存知の通り、中国語の量詞“个”は日本語の 1 個、2個の「個」に相当します。

ただ、この量詞“个”はただ「個」を意味する以外にも様々な使い方があります。今回はこの“个”のあまり知られていない用法を紹介していきます。

※意味と用例は主にweblio白水社中国語辞典を参照しています。

関連記事:【中国語】なぜ単数でも<“一个”(数量詞)>が必要なのか?

【①“个”ge】専用の量詞を持たない普通名詞に用いる一般的量詞

まずは、一番良く使われる用法です。

「専用の量詞を持たない普通名詞に用いる一般的量詞」としての“个”です。

用例

  • 人=1人の人.
  • 蚊子=1匹の蚊.
  • 国家=1つの国家.
  • 星期=1週間.

【②“个”ge】専用の量詞を持つ名詞にも用いる

“个”は、①の「専用の量詞を持たない普通名詞」だけでなく、「専用の量詞を持つ名詞」にも使うことができます。

用例

  • (张)桌子=1つのテーブル.
  • (所)学校=1つの学校.
  • (顶)帽子=1つの帽子.
  • (颗)螺丝钉=1個のねじ.

上記の専用の量詞(カッコ内)でも“个”でもどちらでもOKです。量詞で迷ったらとりあえず“个”を使っておきましょう。

【③“个”ge】ぞんざいな気持ちで「…かそこら」という意味

ここからあまり知られていない用法になります。

動詞や形容詞の後、概数を示す語句の前に用いて、ぞんざいな気持ちで「…かそこら」という意味を示します。

用例

  • 他在上海住了两三天。=彼は上海で2,3日かそこら泊まった.
  • 他比我大两三岁。=彼は私より2,3歳くらい年長だ.

小学館の中日辞典ではこの用法を「文の語気を和らげる」意味だと説明しています。

【④“个”ge】軽く…する、ちょっと…する

次の用法は、動詞と目的語の間に“个”を置きます。(もともと他の量詞を用いるかまたは量詞を用いなくてもよい目的語の前に用い)その動作が大した意味を持たないことを示します。

用例

  • 我有心事。=私にはちょっと心配事がある.
  • 他有好心肠。=彼はよい気立てをしている.
  • 我跟他见了面。=私は彼に1度ほど会った.
  • 你先坐着,我洗手就来。=まあまあ腰掛けていてください,ちょっとトイレに行ってすぐ戻って来ます.
  • 他常在这儿吃个饭,喝茶。=彼はしょっちゅうここで飯を食ったり,茶を飲んだりしている.
  • 样子=そこそこ格好がつく.

小学館の中日辞典ではこの用法を、「主に話し言葉で使う」として、「ひとつ…、ちょっと…などその動作を軽い気持ちで行うことに重点がある」と説明しています。

  • 澡,睡觉,休息休息 (風呂に入ったり睡眠をとったりして、休養してください)
  • 睡了好觉 (ぐっすり眠った)

【⑤“个”ge】動作の程度・結果を具体的に生き生きと示す

この“个”は補語を導く“得”に近い意味になります。

(動詞と補語の間に用い、時には助詞“得”と連用して、動作の程度・結果を具体的に生き生きと示します

用例

  • 饱=腹いっぱい食う.
  • 不停=しきりに笑う,笑いが止まらない.
  • 不住=しきりに叫ぶ.
  • 絮叨 不休=いつまでもくどくど言う.
  • 撕了粉碎=ずたずたに引き裂いた.
  • 抢了精光=一物も残さず強奪する,きれいさっぱり盗む.
  • 打得落花流水=木っ端みじんに打ち負かす.
  • 玩儿得痛快=思う存分遊んだ.

【⑥“个”ge】動作が突然または急激に行なわれることを示す

“一个”を名詞・動詞・名詞句・動詞句の前に用い、それらが更に後に続く述語動詞を修飾して、動作が突然または急激に行なわれることを示します。

用例

  • 跟头栽了下来。=ドスンともんどりうってひっくり返った.
  • 箭步蹿了上去。=さっと素早く飛び乗った.
  • 不留神滑倒 dǎo 了。=ちょっと注意を怠ったすきにステンと転んだ.

単語

  • 跟头gēn・tou(名詞):(平衡を失って人・物が)転ぶこと,ひっくり返ること
  • 箭步jiànbù(名詞 ):(多く‘一个箭步’の形で連用修飾語となり)大股で素早く歩くこと
  • 蹿cuān(動詞): 飛び上がる,飛びかかる.
  • 留神liú//shén(動詞) (多く危険・誤りが起きないように)気をつける,注意する.

【⑦“个”ge】文字通り、真の

最後の用法は、名詞の前に使われて、「文字通り」「真の」というようなニュアンスを出します。日本語の訳に反映させるほど強い意味があるかは状況によります。ざっくりと「一人の〜」というように属性を強調するような意味です。

用例

  • 他是日本人 
  • 他是好孩子

教科書では以下のように説明されています。

「个」を加えないと、ただ「日本人だ」「よい子だ」となってしまうが、「个」を加えることで「日本人という範疇に入る1人」「よい子という範疇に入る1人」の意味が生じ「文字通り;真の」といった表現となる。この用法は「一个」ではなく「个」を用いる。『中国語わかる文法』P222

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以上、たまに見かける「この“个”は何!?」について、あまり知られていない用法を例文とともに紹介しました。是非今後このような“个”を見かけたらどのような意味か考えてみてください。

※意味と用例は主にweblio白水社中国語辞典を参照しています。

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HARU

兵庫県出身。同志社大学卒業。卒業後、食品メーカーで商品開発や中国事業に携わる。多くのプロジェクトで通訳・翻訳として貢献。自身の躓いた語学経験を多くの学習者に還元したいという想いでPaoChaiで中国語学習コーチとなる。新HSK6級。通訳案内士。好きな言葉は「為せば成る為さねば成らぬ何事も」。趣味は自転車で街を探索すること。温泉めぐり。ランニング。

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