【中国語】“是”の強調用法9選!〜動詞、形容詞、副詞+“是”はどこを強めているのか?〜

語法・表現・フレーズ

みなさん、こんにちは!

中国語の文章を読んでいると、よく文末に“是shì”を見かけることがありますね。

次のような疑問を持ちます。

  • 形容詞述語文なのに何故“是”があるの?
  • 動詞述語文なのに何故“是”があるの?
  • 副詞の後に何故“是”があるの?

動詞、形容詞、副詞の前後など、文中のいろいろな箇所に出現する“是shì”。おそらく強調の意味だろうと思いつつもいまいちはっきりしないことがあります。

実際、強調の意味で間違いないのですが、この記事では“是shì”の強調の用法をもう少し場面別で詳しく理解するためにまとめてみました。

今後、よりしっかりと強調の“是shì”を理解していきましょう。

※“”の各語の用法、意味、例文は白水社 中国語辞典を参照しております。

“是”【強調】用法① 強い肯定、釈明・弁解の語気(動詞・形容詞)

〔主語+“是”+動詞形容詞+“的”〕の形で強い肯定の語気、時に釈明・弁解の語気を示します。

用例

  • 。=私は(勉強を教える人→)教師である
  • 亲眼。=これは自分の目で見たものだ
  • 他的手宽厚粗糙温暖。=彼の手は分厚く,ざらざらして,温かい手であった

“是”【強調】用法② 強い肯定の語気(節)

〔主語+“是”+節+“的”〕の形で強い肯定の語気を示します。

用例

  • 几位老师集体编写。=これは何人かの先生が共同編集されたものである.
  • 文学、历史,都我们劳动人民创造。=文学・歴史は,すべて我々労働人民が創造したものだ.

“是”【強調】用法③ 人・物の動作・行為・性質・状態を強調(動詞・形容詞)

〔主語+“是”+動詞形容詞+“的”〕の形で、主語の表わす人・物の動作・行為・性質・状態を強調して示します。この場合“是”+は多く省かれます。省略された場合、最後の“的”だけが強調の手がかりとなります。

用例

  • 只要认真地讲道理,他们[是]很容易理解的。=まじめに道理を説明しさえすれば,彼らはよく理解してくれる.
  • [是]不着 ,才出来的。=私はよく眠れなくて,出て来たのだ.
  • [是]一定愿意的。=彼はきっと行くことを望んでいるのだ.
  • 在前进的道路上,拦路虎[是]的。=前進する道筋には,じゃま物はたいへん多いのである.
  • 孩子戴上这顶帽子,一定[是]暖和的。=子供がこの帽子をかぶると,きっと暖かい.
  • 屋里[是]干干净净的。=部屋はとても清潔だ.

“是”【強調】用法④ 主語の表わす人・物を強調(動詞)

〔主語+節(主語+“是”+動詞+“的”)の形で、主語の表わす人・物を強調して示します。この場合“是”は多く省かれます。

用例

  • 钱我[是]的。=金は私は絶対に受け取らない.
  • 你这种心情,我[是]可以理解的。=君のこういう気持ちは,私は理解できる.

“是”【強調】用法⑤ 「ほかの人でなく…が」と強調(節)

〔“是”+節+“的”〕の形で、節の中の主語を「ほかの人でなく…が」と特に強調して示します。

用例

  • 谁写的?—我写的。—快说,谁写的?—我写的!=これは誰が書いたの?—私が書いたのです.—さっさと言え,[本当は]誰が書いたのか?—(ほかの誰でもなく)私が書きました!
  • 劳动人民把我们养大的。=労働人民が我々を育ててくれたのだ.

“是”【強調】用法⑥ それがいつ・どこで・どのようにしてなされたかを強調(動詞)

(〔主語+“是”+動詞+目的語+“的”〕〔主語+“是”+動詞+“的”+目的語〕の形で、ある動作・行為が既に行なわれたことはわかっているが、それがいつ・どこで・どのようにしてなされたかを強調して示します。この場合“是”は省いてよいですが、否定では必ず“不是”とします。

こちらの用法は、一般的な教科書に載っている“是~的”構文と言えるでしょう。

※“是~的”構文では、動作は既に行なわれたことはわかっており、その動作の行なわれた時間・場所・方式などを取り立てて述べる場合、“是”と“的”を使ってそれを挟み込みます。

用例

  • [是]昨天。=彼は昨日やって来た.
  • [是]飞机。=彼は飛行機でやって来た.
  • [是]昨天票。=私は昨日切符を買った.

「他昨天来了。」が「過去に来た」「来たという新しい状況が出現した」ことを示すのに対し,「他是昨天来的。」は「(彼が来たということは既に承知しているが)彼が来たのは(今日ではなく)昨日なのだ」ということを強調します。

“是”【強調】用法⑦  確かに…である、…する(陳述)

陳述を強調して「確かに…である、…する」という意味を示し、この場合“是”に強勢が置かれますが、強勢の置かれない“是”は省くことができます。

用例

  • 那天他没去!=あの日,彼は[確かに]行かなかった!
  • 胖了,这都是我妈妈照顾得好。=私は[確かに]太った,これはすべて母さんがよく世話してくれたからだ.
  • 这样年轻,这样坚强。=彼女はこんなにも若く,こんなにもしっかりしている.
  • 不用说,他多么兴奋啦!=言うまでもないが,彼はどんなに興奮していたことか!
  • 苹果[是]又便宜又好吃。=リンゴは安いしうまい.
  • 一路上,大家[是]又说又笑。=道すがら,皆はしゃべったり笑ったりしていた.

“是”【強調】用法⑧ 副詞の修飾の働きを強化(副詞)

動詞 〔[主語+]副詞+“是”+形容詞・動詞・句・節〕の形で、副詞の修飾の働きを強化します。

用例

  • 他心里焦急。=彼は心中やきもきしていた.
  • 月光照在雪地上,明亮。=月の光は雪の積もった土地を照らして,とても明るかった.
  • 一定来提什么意见了。=きっとまた何か文句を言いに来たのだろう.
  • 当然不会这么想了。=君は当然そんなことを考えないだろう.
  • 我们太幸福了!=私たち本当に幸せすぎるほど幸せだ!

“是”【強調】用法⑨ 主語の示す事物が目的語の示す事物と同じであることを強調

主語の示す事物が目的語の示す事物と同じであることを強調し、この場合“是”の前には多く副詞の就、总、到底などを用います。

用例

  • 事实总事实。=事実はなんとしても事実だ.

これはあえて“是”の強調用法でまとめる必要もなく、A“是”Bの通常の使い方ですね。

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以上、中国語でよく見かけるがいまいち意味がわからない“是”の強調用法を確認しました。

同じ強調でも、どこに強調の力点があるか?勉強になったのではないでしょうか?

是非、例文を手がかりに違いを掴んで使い分けをしてみてください。

※“”の各語の用法、意味、例文は白水社 中国語辞典を参照しております。

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HARU

兵庫県出身。同志社大学卒業。卒業後、食品メーカーで商品開発や中国事業に携わる。多くのプロジェクトで通訳・翻訳として貢献。自身の躓いた語学経験を多くの学習者に還元したいという想いでPaoChaiで中国語学習コーチとなる。新HSK6級。通訳案内士。好きな言葉は「為せば成る為さねば成らぬ何事も」。趣味は自転車で街を探索すること。温泉めぐり。ランニング。

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