こんにちは!ばんばです。
2022年の11月から2023年の2月まで約4ヶ月間(120日)、ワーキングホリデービザを使って台湾屏東市での生活を体験してきました。
結論から言うと、たった4ヶ月でしたがとても面白く自分にとって意味のある経験ができたと感じています。
今回は、ワーキングホリデーのビザ申請等の準備、費用、現地の生活、台湾の魅力など、これから台湾ワーホリを考えられている方に向けて紹介したいと思います。
目次
1.なぜ台湾にワーホリに行くことに決めたか
私は、大学で中国語を専攻として4年間学び、オンラインで北京語言大学に留学をしました。ただ、中国語圏に実際に行ったことはなく「自分の中国語は現地でどこまで通用するのか」という疑問と不安が常に心にありました。
そこで、今まで学んできた中国語を使って、
・仕事ではどの程度通用するのか
・日常会話は問題なくできるのか
これらを確かめたくて台湾にワーホリに行くことに決めました。
台湾という場所を選んだのは個人的に、食べ物、治安、人の良さなど総合的に良いイメージを持っていたからです。
ちなみに日本と中国はワーホリの協定国ではありませんので、中国にワーホリビザで滞在することはできません。
2.出国前に準備したこと
出国する前にした準備は以下3つのみです。事務的な準備は1ヶ月程度かかりました。
航空券の値段は日によって大幅に変わってくるので、早いうちに安い日の航空券をおさえて、その日に間に合うように逆算して準備を進めるとスムーズかと思います。
①ワーホリビザを取得する
最低限パスポートとビザがあれば、台湾で生活を始めることができます。
台湾のワーホリビザの有効期限は1年で、滞在日数は180日間までです。滞在期限が切れる15日前から、居住地の内政部入出国移民署(サービスステーション)で更新手続をすれば、最大180日の延長ができます。その後の更新及び変更は不可なので、延長をすれば最長約1年滞在することができます。
ビザを取るのは、海外旅行保険への加入や残額証明、もろもろの書類作成をする必要があり、多少手間がかかりますが、委託するほどでもなく調べれば自力でできます。
こちらに必要な書類や領事館の会館日時、注意事項など全て記載されているので、よく確認して準備をしましょう。わからないことはネットで検索し、それでも不安な点は直接電話を書けて確認するのが良いです。
②現地の友人を作る
友人に関しては、もともとHelloTalk(語学交換アプリ)で仲良くなった現地の方と頻繁に連絡をとり、どんな仕事ができそうか、持ち物は何が必要かなど確認しました。流石に外国に1人で何の頼りもなく飛び出すのは少し無謀な気はしたので、事前に人とつながっておくというのは意識していました。
日本にいる台湾の方と繋がるのも良いと思いますが、実際に自分が生活する予定の場所で暮らしている(渡航後に頼れる)友人がいると安心です。
③目標と具体的なアクションを決める
たった4ヶ月間しかないので、何のためにどんなことを経験したいのかを明確にしてから出国しました。具体的には、
・表現できない言葉があったらすぐに調べる
・とにかく自分から話しかけて色んな人と会話する
・中国語(厳密には台湾華語)でものを考える
などは常に意識して行動するようにしました。
**
私の場合、9月中旬頃に台湾ワーホリを決意し11月頭に台湾に到着しワーホリを開始できました。思い立ったら意外とすぐに行くことができます。
3.台湾(屏東)の生活環境
私は、台湾第2の都市と言われる高雄から、電車で30分ほどの距離にある小さな市、屏東市を生活拠点に選びました。
屏東市は、コンパクトな生活圏で、坂道が殆どなく、自転車があれば基本どこでも移動することができます。
小さな街だからといって一面畑というわけではなく、スーパー・コンビニ、公園、運動施設、夜市、レストラン、デパート、病院など生活に必要な施設は完全に整っており、非常に生活しやすい場所です。
(別の記事で台湾夜市で食べたい料理を注文するための中国語についてまとめました♪)
また、毎日天気は晴れで、冬でも日中は25度前後まで気温が上がります。天気が良いと、洗濯物はすぐ乾くし、気分も良いしで本当に快適です。
そして、なにより物価が安いです。一般的な外食であれば、大体100~200元(450~900円)あれば、十分に美味しいごはんが食べられます。市場に行くと、新鮮な野菜や果物を安く買うことができます。
4.台湾ワーホリ中、何をしていたか
私は、中国語を学びに行くのではなく中国語をツールとしていろんな体験をしたいと考えていたので、語学学校には通わず、中国語の実践が沢山できるアルバイトをしていました。
ケーキ屋さんでのアルバイト
一つ目は、ケーキ屋さんでのスタッフです。
友人の親戚が家族で営業しているケーキ屋さんで働いていました。
給料は1時間170元(765円)です。これは台湾での最低賃金です。
具体的な仕事は、接客と、皿洗いや掃除などです。
ここでは日々簡単な中国語と英語を使っていました。(英語を使っていたのはオーナーがカナダ人の方だったため。)
お客さんの注文を受けて、ケーキを準備したり提供したり、何か質問されればそれに答えたりする感じです。知らない単語に遭遇したり、お客さんの言葉が聞き取れなかったりすることもありましたが、聞き直したら分かりやすく言い直してくれる方がほとんどなので、問題なく働くことができました。
バドミントンコーチ
もう一つのアルバイトは、小学校でバドミントンのコーチです。
里港小学校で小学生にバドミントンの指導をしていました。
給料は4時間で600元(2,700円)です。かなり少ないですが、やりたいことをやりながら少しばかりでもお金がもらえることは有り難いです。バドミントンの個人レッスンだと、基本的に1時間600元もらえるので挑戦しようか迷いましたが、4ヶ月しか滞在できないので諦めました。
実際に指導してみて感じたことは、中国語を使って教えるのは簡単ではないですが、とても面白いということです。体の使い方や、プレーする上での考え方、礼儀などを、言語も習慣も違う子どもたちに正しく伝えるのはかなり難しいです。
ここでは言語の壁をかなり感じたので、Youtubeで台湾の方がバドミントンの指導をされている動画を見て、説明の仕方や語彙を学びました。
他国でバドミントンを教えることができるなんて全く想定していなかったので、本当にラッキーだし貴重な経験ができたと感じています。
単発で通訳の仕事
単発で通訳のアルバイトをしていました。日本人の方が遊びに来るから間に入ってほしいというものもありますし、日本のある市の市長さんが里港小学校を訪問されその通訳サポートをするという経験もさせていただきました。
通訳の仕事は、異業種の方の会話を仲介するという点で、専門用語を理解する必要があり、今の自分にはレベルが高すぎるように感じました。一方で、普段関わらないような人たちの会話に入り、こんな世界があるのかと強い刺激を受けました。
これらの仕事を収入源としながら、残りの時間はいろんな場所にバドミントンをしにいったり、公園を散策したり、ご飯を食べ回ったり、図書館で勉強したりしていました。
自分の場合は、バドミントンをするのが好きなので、ほぼ毎日どこかの体育館に足を運んで練習しながらそこで人脈を広げて友人を作り、仕事のチャンスを得ていました。
コミュニティーに属するのはすごく大切だと思います。
5.仕事の探し方@台湾
上記で紹介した仕事はどちらも友人に紹介してもらい、面接にいってその場でOK!明日から働いてね、という感じで決まりました。あっさり過ぎて何ともラッキーです。
(ラッキーばかりではなく、採用してもらったのに、シフトが合わなくなったから来週からこなくていい、と急に解雇された火鍋屋さんもあります(;_;))
面接時に聞かれたことは、いつからいつまで働きたいのか、なぜ台湾に来たのか、勤務希望時間の確認、その他雑談、のような感じで日本でのアルバイトの面接と変わりません。正社員として企業で働く場合はきっともっと細かく相互確認をする時間が取られると思いますが、バイトでの面接はこれくらい軽い感じです。
実はワーホリに行く前に104人力銀行という仕事探しのアプリで仕事を探していたのですが、なんせ屏東市という小さな都市だったので、全く情報がヒットしなかったのでネット上で探すことを諦めました。
アルバイトを探すには、104人力銀行の他にFacebookも有効だと思います。
このようなグループで、仕事の募集がかかっているので、メッセージしてみたら多分面接に行かせてもらえると思います。
ただ、実際には知り合いから紹介してもらうのが一番手っ取り早い気もしますし、求人情報に載っていないような面白い仕事ができたりもします。
それゆえ、何かしらのコミュニティーに属して、今私仕事探しているんです!ってアピールすることをおすすめします。
部屋探しに関してもFacebookが便利かと思います。
Facebook上では活発に部屋の貸し出しの情報が出ていますので、ここからコメントすれば、仲介業者なしで直接契約ができると思います。
※実際には自分はこの方法を使わず、友人の紹介で部屋を決めたので、断言はできません。
6.お金はどれくらい必要か
期間やどんな仕事をするかにもよりますが、お金は最低25~30万円は必要です。
私の場合、もともと3ヶ月の予定でしたが、台湾生活が楽しくなり1ヶ月伸ばしました。(2022年11月〜2023年2月末まで)
初期費用
・海外旅行保険(私の場合126,410円)
・航空券往復(70,000円)
・2ヶ月分くらいの家賃(50,000円)
・当面の食費(30,000円)
合計で30万円弱です。
家賃と食費に関してはアルバイト代でまかなうことができました。
海外旅行保険に関しては、なんとか料金を抑えたく、いろいろ調べた結果たびほの海外旅行保険が一番保証内容も十分かつ、掛け金を調整できる部ことで費用を抑えやすいため、こちらを利用しました。
けがの保険でもワーホリビザの申請が下りたというネット上の情報もありますが、領事館に確認したところ、不可でした。
一ヶ月の固定費
家賃 5,500元(24,500円)
通信費 1,000元(4,500円)
食費 6,000元(27,000円):200元 / 日✕30日
家賃と食費は地域や生活習慣によって前後します。特に家賃に関しては台北など都会だとおそらくもっと高いです。
逆に食費は私は外食が多かったので少し高い方です。もっと安く抑えることもできます。
家具はすでに備え付けで、キッチンや洗濯機、ウォータークーラーも自由に使って良いということで、家電類を新しく購入する必要はなく、電気ガス水道も元から使えたので何か契約する必要はありませんでした。
7.ワーホリに行って良かったこと
私は4ヶ月間台湾でワーホリをして、本当に面白い経験が沢山できたし、4ヶ月以上の価値のある時間を過ごせたと感じています。
価値観の軸が増える
台湾に限らずだと思いますが、他の国の方と沢山関わると相手と自分の価値観や考え方、生活の仕方の違いに気が付きます。それによって、日本という国で暮らすうちに知らず知らずに形成されている、偏見やこうであるべき、こうあらなければならないといった、自分の思考の癖に気がつきます。
何が正解というのがあるわけではありませんが、少数の価値の軸に全面的に頼る考え方は面白くないし、他の価値軸を持つ人と出会ったときに、「なぜあの人はこうするのだろう、考えられない」と相手を批判することしかできなくなる気がします。
その意味でも価値観の軸が増えたことで、この人はこういう考え方をしているんだな、自分とはここが違うかもしれない、それも面白いなって柔軟に考えられるようになったのではないかと思います。
自分の中国語の実力を知ることができた
どこまで中国語が通用するのかを確かめたかったので、いろんな場所に足を運び色んな人とお話することを心がけました。
気がついたことは、事務的な(仕事的な)話よりも、日常会話の方が難しいということです。
なにかの目的をもって会話する時、例えば
・スマホのsimの延長をしたい
・何時にどこに集合、持ち物はこれ
・外食時の注文
・アルバイトの面接
このような場面では、自分が伝えたい事も明確であり、相手が聞いてくることも大体の予測ができます。だから、基本的な中国語力があれば意外と問題なくやり取りできます。
逆に、日常会話(特に大学生の雑談)は言葉が崩れていたり、話すスピードが速かったりで聞き取るのも難しいし、それに反応して話すのも難しいです。
なんで今みんなこんなに笑っているのだろうと感じる場面に何度も遭遇し、そのたびに少し悔しい思いをしました。
中国語の実践トレーニングをする機会にあふれている
当然ですが、周りの人は中国語(台湾華語)を話します。屏東市は小さな街ということもあり、外国人はほとんどいません。
そのため、毎日誰と話すにも基本的には中国語を使うので、実践トレーニングの機会にあふれています。中国語力が劇的に向上したかと言われれば断言はできませんが、中国語を使って問題解決をするうちに、ある程度話せる、聞けるんだという自信はつきました。
私が日本で学んできたのは、主に中国大陸で使われている標準語(簡体字で表記)であり、台湾では台湾華語(繁体字で表記)が使われています。標準語と台湾語は主に文字、単語、発音の面で違いがあります。
実際に、自分の発した単語が通じなかったり、相手が言った単語を知らなくて調べたら標準語と台湾華語の違いだったことが沢山ありました。
発音に関しては、全く聞き取れないというほどではありません。しかし、台湾華語はそり舌音(zh、ch、shi)がほとんど無いので、この部分は慣れるまで難しく感じました。
また、台湾の方からすると私の発音は完全に大陸で使われている標準語であるらしく、話すとすぐに台湾の人ではないことがバレました。
単語と発音の面は生活するうちにすぐに慣れていき、文字の面では、繁体字は日本語と似ているあるいは同じ文字が多いのでそこまで不便に感じませんでした。実際に書くとなるとかなり練習が必要ですが、LINEで連絡する分には簡体字と同じピンインでも打てるので問題ありません。
8.台湾ワーホリをおすすめする理由
・費用を比較的安く抑えられる
・何をするにも自由なのでやりたいことを存分にできる
・治安が良い
・人が親日でとにかく優しい
・仕事や遊びのチャンスにあふれている
・毎日晴れる、気分も晴れる
・動物、植物が生き生きしている
・ご飯が美味しい
以上が台湾ワーホリをおすすめする理由です。
ワーホリはなにもかも自分で決められる、決めなければならないため、どんなことがしたいかが明確でない場合はおすすめしません。ただ何となく時間が過ぎてしまうと思います。
また、ワーホリを楽しむためには、中国語力をできるだけ伸ばしてから始めるほうがが断然よいです。語学力0で行くのは本当にもったいないです。かといって台湾華語を特別に練習する必要はないかと思います。基本的な中国語力を伸ばして、あとは現地に行ってから学びながら慣れていく形で十分適応できます。
言語を伸ばすのもよし、遊びまくるのもよし。勉強するのもよし、何でもありです。自由です。よく考えて、思いっきり楽しむのが一番だと思います。ただ、地域によって日本人の数や街の雰囲気、物価は異なるのでそのあたりの下調べは入念にすることが大事です。
ワーホリに挑戦することで、中国語力を伸ばすだけでなく、生活力、問題解決力、コミュニケーション力、リサーチする力、自然といろんな力を伸ばしながら楽しく生活できると思います。ぜひ、挑戦してみてください!
ばんば
滋賀県出身のZ世代。中国人留学生チューター経験、北京語言大学オンライン留学を経て、学習者支援活動を開始。趣味は、中国の流行りの音楽を聴くこと。大阪大学外国語学部(中国語専攻)卒業。HSK6級、HSKK高級取得。中国語検定準1級。
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