中国語学習歴27年を振り返る!大学専攻、留学、スクールなど試してわかった上達に必要な3つのこと
こんにちは。AYAです。
今日は私の27年に渡る中国語学習歴を紹介したいと思います。小学生のときに親の駐在帯同で、中国に移り住み中国語に出会いました。その後独学を経て、大学で中国語を専攻し、1年語学留学にも行ったり、卒業後、社会人になってからも学習を継続しています。
私の学習方法について、この時何をしてどんな力がついたか、という点に着目していきたいと思います。
小学生のときに親の都合で中国に住んでいたため、「子どもの頃に住んでいたら喋れて当然でしょ。」と何万回も言われてきましたが、そうでもなかった一中国語学習者の学習方法の変遷としてお読みいただければ幸いです。
目次
小学生(駐在帯同):上海で4年生活
私は小学生のとき、1995年から4年間、父親の仕事の都合で上海に住むことになりました。
中国に移るとき、当時は日本の小学校ではかなり珍しがられたのを覚えています。田舎出身なので、その頃海外に住むと言う人も少なく、更には中国に住むなんて言う人はほとんどいませんでした。
住み慣れた土地を自分の意思ではない事情によって離れなければならなくなり、個人的にはネガティブな気持ちでいっぱいでした。
中国語はもちろん、それまでに学んだことはありません。父親が勉強していた中国語の教材を見てあー、日本語の「私」は中国語で「我」と言うんだなといった感じで、簡単な単語だけ日本にいる間に少し学んだ上で、母妹と一緒に父の待つ中国へ向かいました。
この頃は上海にある日本人学校に通ったため、通常の授業は全て日本語で行われ、週2回中国語の授業がありました。
ですが、当時親に無理やり連れられていやいや勉強していたため、簡単な挨拶や数字などしか話せるようになりませんでした。
ちなみに、この頃よく使っていた言葉は、
报纸到了吗?(bào zhǐ dào le ma)
「新聞は届きましたか?」という意味です。
当時多くの駐在員は日本から届く数日遅れの新聞を読んで情報を取っており、学校帰りにマンションのレセプションで子どもたちがそれを受け取って帰るのがルーティンになっていました。
(今ではもう見られない光景だと思いますが。)
ただ、この頃、行っていて良かったのは、発音の基礎が出来上がったことです。
やはり言語に触れるのが早ければ早いほど発音は自然にできるようになります。
(とはいえ、大学生になってから学び直した際にいくつもの音が微妙に間違っていたことに気づいたので、本当に標準的で綺麗な発音をマスターしたければインプットとアウトプットを繰り返し練習し続けることが必要です。)
学習時期:小学3〜6年生 4年間
- 週あたりの学習時間:90分(45分×2)
- 学習方法:中国人講師による歌やゲーム中心の会話レッスン
- 伸びた点:発音の基礎、簡単な単語、挨拶表現
- CANDO(できるようになったこと):この時点ではあいさつ程度しか喋れません。
中高生(帰国・独学):中国語を細く長く継続
日本に帰国してからは地元の公立中学・高校に通い、中国語に触れる機会は全くなくなりました。
ですが、せっかく4年も住んだ国の言葉がほとんどできないなんて勿体ない。転校先の友人にも、「なんで4年も住んでいたのに喋れないの?」と聞かれました。
そこで私はNHKのテレビ番組『中国語会話』を毎週見ては学習するようになりました。学校の勉強や部活の合間にする程度なので学習時間にして週に30〜60分程度、集中的に取り組んだわけでは全くなく、細く長く勉強していました。その結果、高校2年生の10月に中国語検定3級に合格しました。
今思うと3級取得レベルが目標なら時間をかけすぎだと思います。先生がいたわけでもなく、学習ペースを決めて指導してくれる人もいなかったので、効率は非常に悪かったと思います。
私は準4級から順番に受けていきましたが、忙しい社会人の方はしっかり基礎を固めていきなり3級に挑戦、もしくはHSKの方が年間実施回数も多いため、そちらの3級から挑戦してもいいと思います。(もし語学検定を目標にするなら)
学習時期:中学1〜高校2年生 約5年間
- 週あたりの学習時間:30〜60分
- 学習方法:NHK中国語会話+中検3級の対策教材をやり込む
- 伸びた点:基礎的な単語と会話表現、文法知識
- CANDO(できるようになったこと):知識は増えましたが、「使う」というレベルには至っていません。買い物やレストランで注文できるレベルです。
大学生(中国語専攻・留学):人生で一番頑張って中検準1級合格
正直、ここまでの中国語学習は遊びのようなものでした。
私の人生で最も中国語学習に時間とお金と労力を割いたのは確実に大学時代です。
大学で中国語を専攻
なぜ大学で中国語を専攻したか?中高生で独学したとき、意外と中国語は面白いことに気づきました。また、せっかく普通に日本で生活している日本人の中では人より少しできることだし、もっと深く勉強して仕事にも活かせたら将来の選択肢が増えるかもしれない。そう思い外国語学部中国語学科に進学しました。
外国語学部は1コマ1単位の授業が多く、文系の中では取らなければならない講義数はそこそこ多かったと記憶しています。
中国語は発音をマスターしたら半分マスターしたも同然という格言を聞いたことのある方もいらっしゃるかと思いますが、1年生はまず前期に徹底して発音を叩き込まれます。
ただ、私は8歳から曲がりなりにも中国語に触れてきたので、他の初めて学ぶ方に比べたらかなり入りやすかったです。
前述の通り、それまで間違って覚えていた発音を矯正し、それ以外にも授業では語学の4技能習得はもちろん、中国の文化や政治経済についても学びました。
上海外国語大学に1年語学留学
そして大学3年生の時に中検2級合格の上で上海外国語大学に1年語学留学し、帰国して3ヶ月後には旧HSK10級、中検準1級を取得しました。
留学中は午前中に1日4時間の授業を受けた後、午後は日本語を勉強している中国人の友人と相互学習をしたり、カフェや図書館で勉強したりして毎日4〜6時間は勉強していました。
買い物や飲みにに行ったりもする普通の留学生でしたが、自分でアルバイトして貯めたお金で来ていたので、このお金と時間を無駄にしたくない!という一心でできることは全てやっていました。
効果的だったのは、やはり中国人の友達を作り話す機会をたくさん持つことです。
アウトプットをしないと語学は上達しません。わからない単語は都度教えてもらう、すぐ意味を調べる、なるべくその単語をその日や次会った時に使うようにしていました。
机の上で学んだ単語は覚えにくいですが、人と喋っていて学んだ単語って鮮明に覚えられますよね。いかにそういった環境を作り出せるかが語学力向上の鍵になると確信しています。
今はSNSで簡単に中国人や中華圏の人とも友達になれるので、ぜひHello Talkや微博(weibo)、小红书(RED)などの中国SNSもうまく使ってネイティブと交流してみましょう。彼らはフォローすると日本人と比べると比較的フランクにチャットしてくれる人が多いです。
また、留学中、毎日中国語で日記をつけていたのも良かったと思います。
HSKでは作文のパートがそれでも苦手でしたが、思ったことを簡単な構文ででもいいのでまず書き出すということは難なくできるようになっていました。
更には語彙とリスニング強化、中検対策にドラマなどテレビ番組のディクテーションをしていました。中国のテレビ番組はドラマに限らず基本的に字幕がついているので後で答え合わせがしやすくて便利です。
ちなみに本来の目的とはずれますが、これによって字幕付きならほぼ全てのテレビ番組が問題なく理解できるレベルになりました。
就活前にスクールに通って中国語検定準一級に合格
その後、就活までにHSK高級と中国語検定準一級を取得したかった私は、大学生には高額でしたがマンツーマンの教室にて数ヶ月だけ試験対策をしてもらいました。費用は高かったですが、結果的に欲しかったHSKのスコアも中国語検定準1級も取れたので、ゴール達成には目的に合ったスクールに通うのも有効だと感じています。明確なゴールがある場合、ケチケチして独学に徹するより多少の出費をしても集中して学習した方が効率が良いです。
パーソナルトレーニングと一緒ですね。ここで作文やスピーチの構成をみっちり叩き込んでもらいました。今は中国語コーチングという徹底伴走のサポートはもあるので、自分の考えに合うサービスがあればぜひ利用して効率的に力をつけてしまうことをおすすめします!
中国語専攻だったらみんな中検準1級を卒業前に取るのか?と何度か聞かれたことがあります。私自身、ゆっくりですが、小学生から学んでいましたし、大学時代は相当力を入れて中国語に取り組みました。その結果、同級生と比較して、語学力では上位10%に入っていたと思います。上位5%程度、2〜3人しか中検準1級は取っていなかったかと記憶しています。
学習時期:大学1年〜4年生+途中休学して1年留学 5年間
- 週あたりの学習時間:30時間前後
- 留学中は40〜60時間(土日はそこまで長時間はしていませんでした。)
- 学習方法:大学の授業、中国人との相互学習、中国語で日記をつける、ドラマのシャドーイング、ディクテーションなど
- 伸びた点:四技能全般、留学中は特にスピーキング力
- CANDO(できるようになったこと):帰国時点では、日常生活をほぼ中国語で行える、日本人の友人とするようなは会話が中国語でもできるレベルになっていました。
中検準1級についてのより詳しい試験概要、対策については下記の記事にまとめていますので参照ください。
関連記事:【中検準1級・対策】合格までの◯◯時間の全学習歴と<FAQ>10選
社会人(スクール・オンライン中国語・SNS):将来を見据えて現状維持
大学を卒業してからは日本の企業に就職し、中国語を使う機会がほぼなくなってしまいました。
でも、やっぱりあんなに時間・お金・労力を費やした中国語が衰えていくのは勿体ないので、対面のスクールにて会話レッスンやビジネス中国語のマンツーマンレッスンやオンライン中国語のレッスンを受講していました。
大学生の時をピークにだんだん全体的な力が落ちていることを感じるので、できるだけ力を落とさないように維持することが目標です。しかし、仕事で使うなど必要に迫られていないので高い受講料を払うモチベーションが続かず辞めてしまいました。
現在では、以下のような方法でなんとか維持するようにしています。
- 日本語専攻の中国人学生と週1回おしゃべりする時間を作る
- SNSに中国語の学習記録を投稿する
- 中国のドラマを見てセリフを一緒にシャドーイングする
- 妹と一緒に定期的にHSKを受ける
- ニュースアプリでリーディング、Podcastの中国語チャンネルでリスニング
- 受けたくなったら気分でCCレッスンを申し込んだり辞めたり
今すぐこれを成し得たいというゴールは特にありませんが、いつか小さくても自分で中国ビジネスをできたら良いなとぼんやりとは思っています。やはり普段使う機会がないとどんどんできなくなってしまうので、積極的に自分で使う機会を増やすよう心がけています。
学習時期:10年程度
- 週あたりの学習時間:90分ほど、HSKの勉強をしているときは30時間ほど
- 学習方法:上記1〜6
- 伸びた点:新しい単語や表現のアップデート、現状維持
- CANDO(できるようになったこと):正直、この学習ですと伸びているよりは、若干退化を感じます。
これから中国語を学ぶ方へ
以上、私の27年に渡る中国語学習歴を振り返ってみました。これらを踏まえて、私が本当に効果があると思うのは、下記3点です。
- 明確にゴールを決め、計画的に学習を進める(内容は目標により異なります。)
- 人と約束する(共に学ぶ友人・先生など)
- 適切に学習を管理、伴走してくれる人や場所を持つ
細く長く独学や週1回のスクールは生涯学習や趣味としては良いですが、なかなか目に見える上達はありえません。本気で力をつけたいなら明確な目標を持ち、短期間で集中して学習するのが一番効率が良いです。強い目標や熱意がないと簡単にやらなくなるので、伴走してくれる人や学習仲間がいると更に良いでしょう。
ご覧いただきありがとうございました!
※中検準1級についてのより詳しい試験概要、私が行った学習や対策については下記の記事にまとめていますので参照ください。
AYA
愛知県名古屋市出身。父親の駐在で90年代に中国に4年滞在するも、ほとんど話せるようにはならず帰国。中1で帰国後は独学で中国語学習を続ける。大学では中国語を専攻し、2008年に上海外国語大学へ1年留学。卒業後は日本で会社員をしながら学習を継続中。旧HSK10級。HSK6級。中国語検定準1級。
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