【中日翻訳者おすすめ】初級者向け中国語動画コンテンツ2選

新HSK 3・4級合格レベルの中国語学習者が楽しめる動画を紹介します

中国語の学習を始める場合、大学の第二言語の授業で習うにせよ、語学学校に通うにせよ、独学するにせよ、まずは教科書や参考書などの教材から基本的な文法、語彙、表現などを学ぶのが一般的かと思います。教材は基本的な内容をカバーしており、非常に重要なのですが、一方で生きた中国語に触れるのが難しいという欠点があります。

ある程度学習し、中国語に慣れてくると(新HSK 3・4級合格レベルくらいからでしょうか)、ネイティブが楽しむような生きた中国語コンテンツに触れてみたいと思うようになるでしょう。語彙や表現の幅を増やすという意味でも、多様なコンテンツに触れるのはおすすめです。しかし、たとえばドラマや映画は長いので、ある程度の中国語能力がないと視聴が大変です。初級者でも楽しみながら学べるコンテンツはなかなか見つからないものです。この記事では、ある程度中国語に慣れてきた初級者におすすめの動画コンテンツを2つ紹介します。

この記事はこんな方におすすめ

  • 新HSK 3・4級合格レベル程度の中国語能力があり、生きた中国語コンテンツに触れてみたい方
  • 短時間で手軽に楽しめる中国語コンテンツを探している方

甜心格格(tián xīn gé gé)

第1期の放送が2011年に開始されたアニメです。昨年には第5期が放送されました。2019年には実写映画化もされています。「甜心」はおそらく英語の「sweetheart」を中国語化した言葉で、ここでは「かわいらしい女児」くらいの意でしょう。「格格」とは清の王女を指す言葉です。

清の時代を舞台にしたコメディーアニメですが、現代的なテーマやオブジェクトが登場することも多く、歴史的な知識は必要ありません。イメージとしては『忍たま乱太郎』が近いかと思います。第3期で舞台が一新され、時代が現代となりました。

今では中国のアニメが日本で放送されることも珍しくなくなりましたが、当時は中国のアニメといえば怪しさがあり、作画も野暮ったい感じがありました。しかし、『甜心格格』は日本のアニメに近い作風で作られており、キャラも一人一人が特徴的に描かれています。

第1期と第2期は日本でも中国中央電視台(CCTV)のウェブサイトで視聴できますが、第3期以降は残念ながら日本では視聴できません。

Facebookの公式アカウントでは、二十四節気や中国の行事に合わせてイラストが投稿されています。

おすすめポイント

子ども向けのアニメのため語彙が比較的平易で、テーマが取っ付きやすく、簡体字の字幕も表示されるため(この番組に限らず、中国の番組には字幕が付いていることが多いです)、初級者でも内容を理解しやすいでしょう。日常生活を描いているため、作品内で出てきた表現を実践で生かせることも多いかと思います。また、基本的には1話完結で、1話20分程度と短いので、毎日朝や夜に視聴するといった形で習慣づけやすい点も教材として優れています。

「甜心格格」のリンク

快楽漢語(快乐汉语/kuài lè hàn yǔ)

 

『快楽漢語』公式ウェブサイト

2009年8月に放送が開始された、中国語と中国文化が学習できる番組です。当初は日常生活の場面をドラマ仕立てにし、途中で重要表現を解説するというスタイルでしたが、2010年7月頃からはドラマパートがなくなり、観光地を中国人と外国人のタレントがペアで旅行して紹介するというスタイルに変わりました。さらに、2014年9月13日の回からは、スタジオで中国文化を紹介したり、タレントがその日のテーマに合ったゲームを行ったりするバラエティー番組となり、時間も15分から45分に拡大されました。

おすすめポイント

放送時期によって番組の内容が異なりますが、私は2010年7月頃からの旅番組スタイルの放送を見ていました。この時期の放送では、中国各地の観光地でロケが行われていたため、言語とともに中国の地理や文化を幅広く知れる点が良いところです。旅行に興味がある人は、観光情報を仕入れる目的で使うのも良いでしょう。

毎回、重要フレーズが1つ設定されており、途中でそのフレーズの解説が入ります。私は、そのフレーズを使って作文し、Weiboに投稿するという使い方をしていました。

こちらの番組も、2014年9月以前は1回の放送が15分程度と短いので、視聴を習慣づけやすいでしょう。

「快楽漢語」のリンク

  • CCTV公式サイト(海外サイトのため、回線との相性によっては遅延が発生する可能性があります)

学習のポイント

これまで2つの番組を紹介してきました。このような動画コンテンツを本格的に学習に役立てたい場合は、以下の2点を意識するといいでしょう。

1.1本あたりが短い作品を選び、視聴を習慣づける

動画コンテンツの強みは、楽しみながら学習できることです。毎日、通勤通学前の時間、帰宅後、昼休みなど、決まった時間の視聴を習慣づけやすいという特徴があります。まとまった時間が必要なコンテンツを視聴しようとすると、なかなか時間が取れず先延ばしにしてしまいがちなので、以上に紹介したような15分程度の短時間の番組を毎日見るようにすると学習効果が高いでしょう。

2.わからなかった箇所をそのままにしない

始めのうちは、番組を視聴しても意味がよくわからない箇所が多く出てくると思います。そのような箇所はわからないままにせず、しっかりと調べるようにしましょう。幸い、中国の番組は字幕が表示されることが多いため、意味のわからない単語が出てきても簡単に調べられます。

わからない単語が出てくるたびに動画を停止するか、全体を通して見てからよくわからなかった箇所を調べるかは、学習スタイルやレベルにもよりますが、初めのうちは、まず一通り視聴して全体的な内容がわかるか確認し、内容理解に影響があった箇所のみ調べるという方法を採ると続けやすいでしょう。

調べた単語やフレーズはノートや電子ファイルにまとめ、定期的に見返すようにするとより高い学習効果が得られます(このような単語帳は、動画を使って学習する場合に限らず、普段から意識して使うようにするのがおすすめです)。

ある程度学習してから同じ動画を見返すと、レベルアップが実感できるでしょう。

参考:私の使い方

私は中国語の学習を始めてから半年~1年後くらいからこのような番組を見始めました。私は毎日、語学学校に行く前の時間や、夜の時間に15~30分程度、こうした動画を見る時間を確保するようにしていました。ただし、あくまでもメインの学習教材は語学学校で使うテキストだと考えていたので、宿題が多いときなどは、テキストの学習を優先していました。

日本からでも一部無料で視聴できるので、中国語学習中の方は是非ご覧になってみてください。

水谷剛

愛知県一宮市出身。名古屋大学法学部卒業後、中国に渡り、大連で3年、上海で4年間生活する。2018年に日本に帰り、現在はフリーランス中日翻訳者として活動中。主な翻訳分野は法律とゲーム。「ミステリアス・トレジャー」というアナログゲームブランドも展開中。