【中国語】日常会話レベルとは何か?狭義と広義の意味で考える

中国語会話

みなさま、こんにちは!PaoChai中国語学習コーチの冨江です。

語学をしていると、そのレベルについて様々な表現があります。

  • 日常会話レベル
  • ぺらぺらレベル
  • ビジネスレベル
  • 通訳レベル
  • ネイティブレベル

などなど。

どれも明確な定義はなく、その言葉を使う人が状況に応じて使っているのが現状でしょう。

今日は、中国語「日常会話レベル」を定義し、世間的によくいわれる語学力日常会話レベルの議論に終止符を打ちたいと思います。

関連記事:【中国語】ビジネスレベルとは何か?実は重要な3要素を解説

狭義の【中国語】日常会話レベルは難しくない

まず、狭義の日常会話レベルについて考えてみます。一般的に、中国語スクールや語学検定などで言われる「日常会話レベル」とはこちらのことでしょう。

①場面が限られている

一般的に言われる日常会話レベルとは、例えば、次のような場面も限られています。

  • 挨拶
  • 買い物
  • 税関を突破
  • 交通手段でのやり問い(タクシーなど)

中華圏に渡航して、日々の日常生活を送る上で中国語を話す必要があるシーンです。

②会話の往復が限定的(1〜2回)

狭義の日常会話レベルのもう1つの条件は、会話の往復が1〜2回と限定的であるということです。

後述する広義の日常会話では、トピックが多岐にわたるでしょうし、会話中に思いついた話題でどんどん話が逸れていきます。狭義の日常会話レベルではこの往復がありません。

タクシーなどで相手が発話してくるだろう内容は想定の範囲内になるので、それらへの返答を事前にしっかりと覚えておくだけで、対処できます。仮に聞き取りが出来なくても状況からある程度の内容は推測できるでしょう。さらに、こちらが発話した中国語が伝わらなかったとしても、向こうも空気を読んで対応してくれることもあります。

なので、各場面で使いそうな表現・フレーズと、相手から予想される返答の想定問答集のようなものを、事前にインプットしていれば事足ります。

広義の【中国語】日常会話レベルは最も難しい

別記事「【中国語】ビジネスレベルとは何か?実は重要な3要素を解説」の中で、ビジネスレベルを定義していますが、広義の日常会話レベルはこちらのビジネスレベルよりも難しいといえます。

なぜならビジネスのように目的が明確でなく、話題も限定されないからです。

①あらゆるトピックや話題が想定される

日常的に人と会って話す場合、その話題は多岐に渡ります。

  • 相手や自分の家族に関する会話
  • 友人関係に関する会話
  • お互いの仕事に関する会話
  • 最近起こったニュースや事件に関する会話
  • 政治経済に関する会話
  • 病気や病院に関する会話

その他、トピックを挙げれば、

学校・仕事・趣味・旅行・買い物・スポーツ・映画・音楽・食事・天気・道案内・海外の文化・歴史・教育・科学・自然・環境・医療・テクノロジー・ビジネス…など、たくさんあります。

人にもよりますが、一般的によくする会話といえばこれくらいでしょうか?

②会話の往復が続く(数十回〜)

広義の日常会話では、実際の友人知人との会話のように、その発話の往復に制限はありません。何十回と続いていきます。

話している間に脱線していく雑談のようなものも入りますからテーマは様々です。

これらに関する語彙・表現を話せる、聞けるレベルでカバーするのは大変なことです。

一般的に難しいと思われるビジネス中国語ですが、コミュニケーション目的が明確で且つある程度は話題が限定されるので、日常会話(雑談)のほうが難易度は圧倒的に上です。

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以上、一口で「日常会話」と言っても場面が限定された狭義の日常会話から、話題も会話の往復回数も制限なしの自由な広義の日常会話レベルまでその範囲はかなり異なります。

学習者を見ても、「お互いに挨拶を交わし、自己紹介や趣味の事がちょっとだけ話せる」というレベルで満足する方もいるでしょう。一方で、「政治、経済や環境問題についてもいろいろ深く議論したい」と思っている人もいます。

日常会話レベルに到達するまでの時間

では、初心者はどれくらいの時間をかければ日常会話レベルに到達できるのでしょうか?

上図はPaoChaiの中国語会話の習得理論(中国語独学完全マップ)です。

まず、狭義の日常会話レベルであれば、伝わる発音を身につけ、一定の長さの文やフレーズを聞き取れるようになればいいので、集中的に取り組めば数ヶ月が必要でしょう。

一方の広義の日常会話レベルであれば、身も蓋もない話、人によって必要な時間は異なります。

いつも天気の話ばかりしている人なら(そんな人いないと思いますが)狭義の日常会話レベルとそんなに変わらないかもしれません。しかし、政治経済や文化、哲学、科学、歴史など何でもかんでも話したい、という人は相当な努力を何年も続ける必要があるでしょう。自分が話したい内容を中国語で言ったり聞いたりできるようになるときまで、学習は続きます。

「日常会話」という言葉にこだわるのではなく、自分はどのような場面でどのような会話が出来るようになりたいのか?という事を明確にしておくと、前に進みやすくなるでしょう。

まずは、場面を限定した簡単なやり取りを目標に

最初から難しい話まで出来るようになることを目標にしてしまうと、途中で挫折したり嫌になったりする可能性が高いと思います。

そして、ある程度話しが出来るようになったら、あとは会話をする中で少しずつレベルアップをしていけば良いと思います。

相手と会話をしていくうちに、自然と話したい内容が広がっていきます。それに合わせて語彙・表現を増やしたり新しい表現を覚えていくのも楽しいものです。

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冨江コーチ

東京都出身。早稲田大学国際教養学部卒業。中国ビジネス10年(日本のゲーム、アニメ等コンテンツの中国展開に従事)、中国在住5年(上海、南京)の経験を活かし、実践的な中国語学習のサポートをいたします。2016年から語学の道に転身。大学院で第二言語習得、言語、哲学の研究を行いながら、中国語と日本語を教える。趣味は、中国各地の麺類を食べ歩くこと。新HSK6級。復旦大学短期留学(2007年)。The Australian National University修士号、早稲田大学国際コミュニケーション研究科修士課程修了。

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