中国語【“好”/“难”+動詞】の2種類の意味とは?クイズつき!

語法・表現・フレーズ

 こんにちは!中国語漫画翻訳者のもりゆりえです。今回は前回の記事でもご紹介した『外国人学汉语难点释疑』を参考に、中国語「“好”+動詞」と「“难”+動詞」のそれぞれが持つ2つの意味を、例文と一緒にご紹介します。

「好+動詞」の意味①:姿・形・音・味・感じなどがよい

 

 中国語「好(hǎo)」は動詞の前に用いることで「姿・形・音・味・感じなどがよいことを表す(『中日辞典』第2版/小学館 P572より)」ことができます。具体的には、以下のような例が挙げられます。

好看  好吃  好听  好玩

『外国人学汉语难点释疑』P115より

 それぞれ「好看(美しい)」、「好吃(美味しい)」、「好听(耳心地がよい)」、「好玩(面白い)」など、「好」の後に続く動詞が好ましい状態であることを表します。

「难+動詞」の意味①:~してみて感じがよくない

 「难+動詞」のひとつ目の意味は、以下のようになります。

难看  难吃  难听

『外国人学汉语难点释疑』P115より

 意味は「好(hǎo):感じがよい」の反対、「难(nán):~してみて感じがよくない(『中日辞典』第2版/小学館 P1036より)」となり、「难看(醜い)」、「难吃(不味い)」、「难听(耳障りだ)」などのように、「难+動詞」で好ましくない状況を表すことができます。

「好/难+動詞:~してみて感じがよい/よくない」の意味の例文としては、以下のような物が挙げられます。

(1)他的声音很好听。

 訳)彼はいい声だ。

(2)这个地方很好玩儿,有许多名胜古迹。

 訳)ここはとても面白い。有名な遺跡がたくさんある。

(3)这张照片上的人真难看。

 訳)この写真の人は醜い。

中国語例文は『外国人学汉语难点释疑』P115より

「好+動詞」の意味②:容易に~できる

 また、「好+動詞」は「容易(róngyì):容易に~できる」という意味でも用いられます。具体的には、以下のようなものです。

好写  好记  好办

『外国人学汉语难点释疑』P115より

 それぞれ「好写(書きやすい)」、「好记(覚えやすい)」、「好办(やりやすい/簡単だ)」という意味になります。

「难+動詞」の意味②:~しがたい

「好+動詞:~しやすい」の反対の意味(不容易:~しがたい)も、「难」を用いて表すことができます。

难写(書きにくい)  难记(覚えにくい)  难办(やりにくい/難しい)

中国語は『外国人学汉语难点释疑』P115より

「好/难+動詞:~しやすい/~しがたい」の意味としては、以下のような例文が挙げられます。

(4)“包裹”这两个字,“包”很好写,“裹”很难写。

 訳)「包裹」の2文字は、「包」は書きやすいが「裹」は書きにくい。

(5)他的电话号码是7654321,很好记。

 訳)彼の電話番号は7654321で、とても覚えやすい。

(6)A:我想去植物园看看,可是不认识路。

    B:那好办,等我回家的时候,您跟我一起去吧,植物园就在我家旁边。

 訳)A:植物園に行きたいけど、道が分かりません。

   B:なんてことないさ。僕が家に帰るときに一緒に行こう。植物園はうちの近所だから。

中国語例文は『外国人学汉语难点释疑』P116より 

【クイズ】「难+〇〇」はどちらの意味?

 では、ここでひとつクイズです。以下の「难+動詞」の例文は、それぞれ「~してみて感じがよくない」と「~しがたい」のどちらの意味になるでしょうか。

(7)这本书的封面很难看。

(8)这本书很难看懂。

(9)这本书很难读。

『外国人学汉语难点释疑』P116より

 全て訳し終えたでしょうか?それぞれを日本語にしてみると、以下のようになります。

(7)この本の表紙は、見栄えが良くない。

(8)この本は、理解しにくい。

(9)この本は、読みづらい(分かりにくい)。

 ということで、正解は(7)が「~してみて感じがよくない」、(8)と(9)が「~しがたい」という意味でした。

 もしかしたら(7)の例文の「书」と「难看」を見て、「难看=読みにくい=難しい」と意味を勘違いした方も、いるかもしれません。「読みにくい/難しい」は(8)と(9)にあるように「难看懂」や「难读」と表現するので、注意しましょう。

★★★

 いかがでしたか?

 ちなみに中国語ネイティブの友人に確認したところ、「这本书很好看」の場合「好看」には「面白い」という意味と「本の見栄えが良い」という意味の両方が考えられ、「这本书很难看」は「(中は読んでないが、パッと見で)面白くなさそう」と「本の見栄えが悪い」の両方の意味が考えられるそうです。

「好+動詞」と「难+動詞」が、それぞれが持つ2つの意味の内どちらになるかは、文脈やそのときのシチュエーションをよく見て判断しましょう。

※文中の日本語訳文は、筆者による

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もりゆりえ

広島県東広島市出身。尾道市立大学美術学科卒業。高校時代に読んだ漫画「封神演義」をきっかけに中国語学習を開始。大学卒業後中国に渡り、浙江大学に10ヵ月間の語学留学(2005年〜2006年)をする。留学中に、「第二届中国国際動漫画節」に参加。現在はフリーランスの中日漫画翻訳者として活動中。趣味は中国のマンガアプリでマンガを読むこと。

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