中国語【相づち】の重要性を留学で痛感!役立つフレーズ紹介
こんにちは!中国語マンガ翻訳者のもりゆりえです。中国語学習者であれば、中国語を使って直接ネイティブとおしゃべりしたいという方は多いでしょう。単語や文法を多く覚えることももちろん大切ですが、「相づち」や、相手に関心があることを伝えられる「一言フレーズ」を覚えておくと、よりテンポよく会話ができます。
今回は、私が留学中に「相づち」や「一言フレーズ」の重要性を痛感したエピソードと、それを実際に会話で使って起こった変化を、皆さんにご紹介したいと思います。
目次
留学に備え、生活で使う中国語フレーズを重点的に学習
私は日本で4年制大学を卒業した半年後に、中国に留学しました。(参照:「中国語ゼロの「宅女(オタク)」が中日漫画翻訳者になるまで」)高校2年生のときに、第二外国語として中国語の学習を開始してから6年以上が経ち、日本で中国語検定3級を取得してからの出発です。
留学直前には、買い物で使う表現、道の尋ね方、自己紹介など、中国で生活する上ですぐに役に立ちそうな表現を集中的に勉強し、準備万端で出発したつもりでした。
しかし実際に留学生活が始まり、他の留学生と話をして初めて、私はあることに気がついたのです。
自己紹介のあと、会話が続かない…
<留学期間の10カ月を過ごした、浙江大学の留学生寮>
私が中国に留学してすぐ友だちになったのは、同じ留学生寮に住む中国系タイ人の男の子でした。浙江大学に到着した翌朝、留学生食堂でひとり食事をしていた私を見た彼に、開口一番聞かれたのは「你是泰国人吗?(君、タイ人?)」でした。私をタイから来た留学生だと思ったようです。
私は「我不是泰国人,是日本人。(タイ人じゃなくて、日本人です)」と返しました。その後お互いに名前を名乗り、自己紹介となりました。彼は中国の滞在期間も長く中国語も流暢で、私の自己紹介に対し、適度に中国語で相づちを打ち、質問をしてくれました。
それに対し私は自分が一方的に話した後は、彼の話をじっと聞いて、頷くことしかできませんでした。彼の話す中国語の聞き取りに必死になっていたこともありますが、中国語でどう相づちを打ったらいいか分からないことに、そのとき初めて気がついたのです。
せめて、自分の感情は伝えたい!
私の話しぶりなどから、中国に到着して間もないことが分かったのでしょう。翌日には日本からの送金で使用する、中国の銀行口座の開設手続きに同行してくれたり、同じタイ人の友だちをたくさん紹介してくれるなど、右も左も分からない私を色々と気にかけて、助けてくれました。
彼は私が中国語で返事をできなくても、いつも気さくに中国語で話しかけてくれていました。その一方私は、いつも彼の話に「うんうん」と頷き、やって貰ったことに対して「谢谢」というのが精一杯の状態。彼にばかり話してもらっているようで、なんだか申し訳ない気持ちでした。おそらく私の表情にも、それは現れていたと思います。
時にはどうしても会話が続かず、シーンとすることもありました。そんな時は特に、相手も気まずく思っているのではと感じてしまいました。
その時、「流暢に話せなくても、せめて一言中国語で相づちを打ちたい」と強く思ったのです。このままでは、自分がまるで相手の話に興味がないように思われるのでは、という不安もありました。寮の自室で相づちに使えそうな表現がないか辞書で調べてみたときに、目にとまったのが「就是」でした。
辞書で調べた相づちを、翌日会話で使ってみると…
「へぇ、そうなんだ」と、相手の話に共感する一言を調べたかったのですが、うっかり「同意」の方の「(まさに)そうなんだ」を見てしまったのでしょう(ちなみに「共感」の意味で「そうなんだ」と言いたいときは「是这样啊」などを使います)。
「就是就是」は、「まさに、そのとおりだ」と同意するニュアンスで使う一言ですから、「共感」のつもりで使うと違和感があります。
しかし当時の私はそれに気づかず、「へぇ、そうなんだ」と言いたいときに、ひたすら「就是就是!(そのとおりだね!)」と連発していました。それを聞いた彼は、最初こそ少し不思議そうな顔をしていましたが、「中国語で何か意思表示しようとしている」という心意気(?)が伝わったのか、笑顔になって会話を続けてくれました。そんな相手の反応を見て私も、ようやく会話らしくなったようで、嬉しくなりました。
使える相づちが増える→会話したくなる
その後も会話の機会が増えるたびに、使いたい相づちや必要な相づちが増えていきました。そして新しい中国語の相づちを覚えると、それを使ってみたくなって、より積極的に会話するようになりました。
私が留学中、実際によく使っていたのは、「真的吗?(ほんと?)」や、「然后呢?(それから?)」、「原来如此(そういうことか~)」、「真棒!(スゴイ!)」「太好了/太可惜了(よかったね/残念だね)」などです。
当時の私の中国語では、発音が不明瞭だったのか聞き返されることも多かったため、表情も若干オーバーにして、なんとかこちらの思いが伝わるように心がけていました。
上記の表現は教科書などでも実際によく目にするものです。学習したことがあると、ついすぐに会話でも使えるような気になりますが、やはり実際に自分の感情を乗せて中国語を使うことがないと、いざ会話で使おうと思ってもなかなか出てきません。
新学期開始までまだ時間があり、話をするのは専らそのタイ人の友人でした。しばらくは毎日相づちの表現を辞書で調べては翌日使い、相手の反応を見て言葉のニュアンスをつかむということを繰り返しました。それを毎日続けていくうちに、言いたいことが少しずつスムーズに話せるようになっていきました。
<よく地図を片手に、街めぐりをしていました。タイ人の友人と一緒に買いにいった、携帯電話>
「楽しみ!」と「お大事にね」で、距離が縮まった
留学してから3カ月程経った頃、先ほどのタイ人の友人が留学生のカラオケ大会に参加するという話を聞きました。そこで「いつか使う機会があったら、言ってみよう」と覚えておいた「我期待地等待哦~(楽しみにしてるよ~)」というフレーズを使ってみました。すると、とても嬉しそうな顔で「你来听我唱歌吧!(聞きにおいでよ!)」と言ってくれました。
また体調が悪そうなときには「你好好保重身体啊(お大事にね)」というメッセージと一緒に、差し入れもできましたし、体調が回復した時には、お礼の言葉ももらえました。
これらの「一言フレーズ」は、思った時にパッと口に出せるよう、ぜひ覚えておくといいでしょう。相手に関心を持っていることが伝われば、その人との距離がグッと縮まるきっかけになると思います。
まとめ
今回は、会話をスムーズにしてくれる「相づち」と、関係を縮めてくれる「一言フレーズ」をご紹介しました。日本語にすると何気ない言葉に感じるかもしれませんが、「何気ない」だけに却って実際に中国語での生活を始めるまで、私もその重要性を実感できませんでした。
ちなみに、そのタイ人の友人とは今でもSNSを通じて連絡を取り合っています。会話での何気ない一言の積み重ねで素晴らしい関係が築けるなら、「相づち」や「一言フレーズ」は、短くてもやはりとても大切な言葉だと言えます。
皆さんもぜひ、「相づち」と「一言フレーズ」を覚えて、どんどん会話で使ってみてくださいね。
もりゆりえ
広島県東広島市出身。尾道市立大学美術学科卒業。高校時代に読んだ漫画「封神演義」をきっかけに中国語学習を開始。大学卒業後中国に渡り、浙江大学に10ヵ月間の語学留学(2005年〜2006年)をする。留学中に、「第二届中国国際動漫画節」に参加。現在はフリーランスの中日漫画翻訳者として活動中。趣味は中国のマンガアプリでマンガを読むこと。
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