【中国語】の“ その後”【以后・之后・后来・然后】の違いと使い分け|例文・ピンイン・訳付き完全ガイド

語法・表現・フレーズ

中国語で「そのあと」「それから」と言いたいとき、あなたはどの単語を使いますか?

  • 以后(yǐhòu)
  • 之后(zhīhòu)
  • 后来(hòulái)
  • 然后(ránhòu)

これらはすべて「後で」や「その後」という意味を持ちますが、使い方・文法的な役割・使える時制・文体・単独使用の可否などに明確な違いがあります。

この記事では、よくある間違いも含めて、正しい使い分けを例文・ピンイン・日本語訳付きで徹底解説します!

1. 「以后(yǐhòu)」|“以降”の時間(未来・または過去のある時点から)

✅ 意味と特徴

項目 内容
意味 「~のあと」「今後」など、ある時点の以降の時間を指す
時制 未来中心だが、過去の特定の時点からの“あと”にも使える
文体 口語的
単独使用

✅ 可能(文頭・文末ともに可)

※七月以后(7月以降)など、◯◯以后の◯◯がなくても使える。

使い方 時間・動作+以后 で使用される

✔️ 正しい例文①(未来)

下班以后我去超市买菜。

xià bān yǐ hòu wǒ qù chāo shì mǎi cài.

退勤したあとでスーパーに買い物に行く。

✔️ 正しい例文②(過去)

他毕业以后去了美国。

tā bì yè yǐ hòu qù le měi guó.

彼は卒業したあとアメリカへ行った。

→ ✅「以后」は過去の時点(卒業)からの“以降の時間”にも使えます!

✗ NG例(出来事の流れを語るとき)

✗ 他去北京, 以后去了上海。

→ ❌出来事の順序を語るなら「后来」を使うべき!

2. 「之后(zhīhòu)」|書き言葉寄りの「〜のあと」

✅ 意味と特徴

項目 内容
意味 「~のあと」 ※過去・未来どちらもOK
時制 ✅ 過去/未来どちらも使える
文体 やや硬い(📄 書き言葉向き)
単独使用

△不可(基本、名詞や動作のあとに置く)

※ただし、文脈が明らかなときは使える

使い方 名詞/動作+之后

✔️ 正しい例文①

比赛之后我们去吃饭。

bǐ sài zhī hòu wǒ men qù chī fàn.

試合のあと、ご飯を食べに行った。

✔️ 正しい例文②

工作之后别忘了休息。

gōng zuò zhī hòu bié wàng le xiū xī.

仕事のあとは休むのを忘れずに。

✗ NG例(単独使用)

之后我会努力。

zhī hòu wǒ huì nǔ lì.

→ ❌「之后」は名詞や動作が前にないと不自然。

補足①:「之后」は基本的には後ろに動作や名詞が必要だが、文脈が明確な場合は単独でも使える

「之后」は一般的に 「名詞・動作+之后」 の形で使われることが多く、文法書などでは「単独では使わない」とされがちですが、実際のネイティブの会話や文章では単独でも使われることがあります。

🔍 例:文脈が明確で、単独使用が自然なケース

✔️ 単独使用の自然な例①:

我先去超市,之后再去银行。

wǒ xiān qù chāo shì, zhī hòu zài qù yín háng.

私は先にスーパーに行って、そのあと銀行に行く。

👉「之后」は明らかに前の行動(スーパーに行く)を指しているので、名詞が省略されても自然

✔️ 単独使用の自然な例②(文頭):

之后,我开始认真学习汉语。

zhī hòu, wǒ kāi shǐ rèn zhēn xué xí hàn yǔ.

そのあとで、私は真剣に中国語を勉強し始めた。

👉 文章やスピーチのような文脈で「そのあと」を指すとき、文頭に単独で置くのも自然

✗ 不自然な単独使用の例(文脈が曖昧):

✗ 之后我会努力。

zhī hòu wǒ huì nǔ lì.

→ 文脈によっては不自然。前文がないと「何の之后?」となる。

補足②:「之后」は空間(場所)の「後ろ・後方」という用法も

「之后」は空間(場所)の「後ろ・後方」という用法があり、他の3つにはこの使い方はありません。この使い方では、物理的な位置関係の“後ろ”や“背後”を表します。

少しフォーマルな印象があり、ニュース・文章・書き言葉で見られます。

✔️ 例文①

房子之后是一片森林。

fáng zi zhī hòu shì yī piàn sēn lín.

家の後ろには森が広がっている。

👉 「房子(家)」の物理的な背後にあるのが「森林」です。

✔️ 例文②

讲台之后坐着几位评委。

jiǎng tái zhī hòu zuò zhe jǐ wèi píng wěi.

演台の後ろに数人の審査員が座っていた。

👉 演台の後方に座っている人たち、という位置関係を示しています。

3. 「后来(hòulái)」|過去の“あとに起きた出来事”

✅ 意味と特徴

項目 内容
意味 過去のある出来事の“あとに起きた別の出来事”を語る
時制 過去限定(未来には使えない)
文体 口語的
単独使用

✅ 可能(文頭での使用が自然)

※むしろ単体のみで基本使います。

使い方 A,后来B(出来事の順番)

✔️ 正しい例文①

我们小时候常常一起玩,后来他搬家了。

wǒ men xiǎo shí hòu cháng cháng yī qǐ wán, hòu lái tā bān jiā le.

私たちは子供の頃よく遊んでたが、その後彼は引っ越した。

✔️ 正しい例文②

他开始写小说,后来成为了作家。

tā kāi shǐ xiě xiǎo shuō, hòu lái chéng wéi le zuò jiā.

彼は小説を書き始め、その後作家になった。

✗ NG例(未来には使えない)

✗ 明年毕业,后来去中国。

→ ❌未来の話には「后来」は使えません。「以后」を使いましょう。

4. 「然后(ránhòu)」|順序・手順の「それから」

✅ 意味と特徴

項目 内容
意味 「〜して、それから〜」という順序・プロセスの接続詞
時制 ✅ 関係なし(過去・現在・未来 すべて可)
文体 中立(口語・書き言葉どちらでもOK)
単独使用 ✅ 可能(「然后呢?」などの形で文頭にも置ける)
使い方 A,然后B の形で使用

✔️ 正しい例文①

他先洗澡,然后吃饭。

tā xiān xǐ zǎo, rán hòu chī fàn.

彼は先にシャワーを浴びて、それからご飯を食べた。

✔️ 正しい例文②

我们先开会,然后去吃午饭。

wǒ men xiān kāi huì, rán hòu qù chī wǔ fàn.

私たちはまず会議をして、それから昼食に行った。

✗ NG例(時間節として使うと不自然)

✗ 毕业然后去工作。

→ ❌出来事の順序だけを語っているなら「以后」や「后来」の方が自然。

✅ まとめ

比較まとめ表(ピンイン・訳・使い方を一目で!)

単語 ピンイン 時制 単独使用 使い方の特徴 例文(ピンイン+訳)
以后 yǐhòu 未来・過去の特定時点以降 時間の起点から“以降” 他毕业以后去了美国。
tā bì yè yǐ hòu qù le měi guó.
彼は卒業したあとアメリカに行った。
之后 zhīhòu 過去/未来 名詞/動作+之后(硬め) 比赛之后我们去吃饭。
bǐ sài zhī hòu wǒ men qù chī fàn.
試合のあとご飯に行った。
后来 hòulái 過去のみ

※基本単体のみ

過去の出来事の“その後” 后来他搬家了。
hòu lái tā bān jiā le.
その後彼は引っ越した。
然后 ránhòu 時制問わず 手順・流れをつなぐ接続詞 他洗澡,然后吃饭。
tā xǐ zǎo, rán hòu chī fàn.
彼はシャワーを浴びて、それから食事した。

🎯 よくある間違いまとめ

誤用文 修正例 理由
✗ 他去了北京,以后去了上海。 ✔️ 他去了北京,后来去了上海。 出来事の順序を語るので「后来」が自然
✗ 明年毕业,后来去中国。 ✔️ 明年毕业,以后去中国。 未来の話なので「以后」が適切
之后我会努力。 ✔️ 工作之后我会努力。 「之后」は名詞・動作と一緒に使う
✗ 毕业然后去工作。 ✔️ 毕业以后去工作。 「然后」は手順にはOKだが時間節には不自然

📝 おわりに|「その後」表現をマスターして中国語表現をワンランクアップ!

「以后」「之后」「后来」「然后」の4つは、どれも「そのあと」と訳されることがありますが、

それぞれ使える時制・文法的な働き・使える場所・文体の硬さなどが異なります。

中国語では、「意味が通じればいい」というだけで使い分けをおろそかにすると、違和感のある文章になってしまいがちです。

この記事で紹介した違いをしっかり理解し、自然で伝わる中国語表現を身につけていきましょう。

✅ 今日の学びを復習しよう:

  • 「以后」=未来や過去の特定時点のあと
  • 「之后」=やや硬めの「〜のあと」、名詞や動作と一緒に
  • 「后来」=過去の出来事の順序を語るとき専用
  • 「然后」=「そして」「それから」、手順や流れを示すときに

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理論的に頭で覚えるのはなかなか難しいので、たくさんの中国語に触れながら使用法を体得していきましょう!

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tad

千葉県出身、東京育ち。貿易関係の会社で10数年ほど勤務後、5年の中華圏駐在経験を活かして独立。現在は、翻訳や通訳などを中心にフリーで活動中。趣味はゴルフ。好きな食べ物は麻辣香锅。東京外国語大学外国語学部中国語学科卒業。中国語検定準1級。HSK6級。

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