【朝晩10回】中国語ニュースを使った音読学習の【実例】を紹介
こんにちは!中国語漫画翻訳者のもり ゆりえです。突然ですが、皆さんは中国語ニュースを見たり、聞いたりするのは好きですか?
私は中国語のニュース、とりわけ政治や経済に関しては、検定試験対策以外では積極的に学習してきませんでした。「難しそう」だと敬遠していたのです。
しかし今では、毎日2時間程中国語のニュースを聞き、シャドーイング(流れてくる中国語を聞きながら、声に出して読むこと)をしたり、初めて聞く単語を書き留めて調べたりするようになりました。
それは「中国語ニュースの音読」をするようになって、以前よりも中国語のニュースが聞き取れるようになったと実感したからです。
今回は、長年敬遠してきた中国語ニュースを、毎日聞くようになった経緯と、私が実際に効果を感じた学習法を、皆さんにご紹介したいと思います。
目次
コロナ禍で、中国語のニュースの記事を見始める
私が結婚後に移り住んだ地域には偶然、高齢の中国語話者が多く住んでいました。彼らと交流を深めていた矢先、コロナ禍に見舞われました。
特にコロナ禍当初には、様々な情報が飛び交いました。日本語のニュースや、ワクチンについての説明を求められる場面も多く、それらに関する表現をNHKの中国語ニュースや、中国のニュースから調べることもありました。
さらに彼らの中には、ほぼ全ての情報源が中国のニュースという方もいらっしゃいました。その方たちとコミュニケーションをとるため、中国のニュースをインターネットで調べる機会がしだいに増えていきました。
効率的にニュースを理解するために、テキストを購入
<「国際ニュース」、「統計」、「中国国内ニュース」の3テーマを、全15課で学習できる>
しだいに、もっと効率的にニュースの表現を学びたいと思い、テキストを購入しました。そこで購入した教材が、「音読でここまでわかる『中国語ニュース』2」です。
本のタイトルからも分かるとおり、この教材のメインの学習方法は「音読」です。さらに「効果的な学習法」として、1課の内容を4日かけて、合計100回程音読するよう推奨されています。
また、ただ音読するのではなく「シャドーイング」と、「自分の音読の声を録音して聞き返す」ことも、学習効果を高める方法として紹介されていました。
私も早速、その推奨されていた学習方法に則って学習を開始しました。
1日目に付属のCDに合わせ、ピンイン付きの文章を見ながらゆっくり30回音読、2日目に30回のシャドーイングを行いました。
自分の音読を録音→再生してみると…?
また音読の際は、スマホのボイスメモに録音してから、付属のCD音声と照らし合わせてみました。すると、自分では意識して発音していたつもりの四声が、CDの音声と比べると曖昧に聞こえることに気がついたのです。
CDに収録されていたアナウンサーの話す中国語の発音やリズム、声調と、自分の話す中国語を近づけるために、音読→録音→修正を30回程繰り返しました。
30回目くらいになると、最初の自分の音読と比べると、発音が改善されたように感じました。また、普段日本語で使わない顔の筋肉を使っているためか、口周りに疲労感もありました。
3日目はピンインなしの文章を見ながらの音読と、ノーマルバージョンの音声を聞きながらのシャドーイングを合計30回おこないました。
そして最終日の4日目には、仕上げの音読を10回以上おこないました。
4日かけて100回以上の音読を終えた頃には、結果的にニュースの文章をほとんど覚えているような状態でした。
中国語のニュース番組を見て、ヒアリングの向上を実感
しばらくして、「映像つきで中国語ニュースを聞きたい」と思い、スマホで気軽に見られる物を探し始めました。そして偶然、中国のテレビ番組を見られる「电视直播TV」というアプリを見つけ、ダウンロードしてみました。
そのアプリ内にあった、CCTVのニュースを見てみると、ちょうど「国際ニュース」が報道されていました。内容は、習主席がAPECの会議に出席したというものでした。
すると聞き覚えのある単語や表現が、たくさん聞こえてきたのです。何気なく見始めたニュースの内容がほぼ聞き取れたことに、自分でも驚きました。
そこでテキストを改めて開いてみると、第1課がまさに、「習主席がAPECの会議に出席」という内容だったのです。テキストに書かれた表現が、実際のニュースでもほとんど同じように使われていることに気がつきました。
<初めて見た時、眩暈を覚えた第1課。学習4日目には、全文を暗記した状態に>
「中国語ニュースが聞き取れた」ことで一気にやる気UP
「難しそう」と敬遠していたニュースが聞き取れたことが嬉しくなって、その日から一転、毎日時間を見つけてはアプリで中国のニュースを見るようになりました。
今では、「ニュースの音読、シャドーイング、音読の録音」という組み合わせが、中国語ニュースを聞き取る上では非常に効果的だったと実感しています。
私が実際におこなったそれらの学習法が、具体的にどのような効果をもたらしたのかを、ひとつひとつ分析してみました。
①音読の効果
・文章を声に出して読む(アウトプット)と、それを聞く(インプット)を同時におこなうため、記憶に定着しやすい。
・ニュースならではの言い回しや単語、略語なども何度も繰り返し音読することで、パターンとして覚えやすい。
②シャドーイングによる効果
・テキストを見ず音だけを頼りに(インプット)、中国語の意味を想起、推測しながら話す(アウトプット)のを繰り返すことで、中国語を聞いた際、よりスピーディーに日本語の意味に変換できるようになる。
→中国語の聞き取り能力の向上につながる。
③自分の音読の録音、評価、修正による効果
・自分の発音のクセが客観的に分かる。
・標準的な「アナウンサーの発音」と聞き比べることで、改善すべき箇所が明白になる。
・自分の発音を改善して音読→録音→評価→修正と繰り返すことで、ただ中国語の音を聞く時よりも、体感的に(口周りの筋肉の動きや舌の位置等)記憶しやすくなる。
こうしてみると、「音読→シャドーイング→自分の音読の録音、修正」という一連の流れは、中国語のインプットとアウトプットをバランスよくトレーニングできる学習方法であると言えそうです。
そしてその学習効果を体感するために、ぜひアプリやテレビで中国語のニュースを実際にチェックしてみてください。最新のニュースが聞き取れると、俄然学習のモチベーションがアップしますよ。
まとめ
「1課につき、音読100回」とだけ聞くと、尻込みしてしまう方もいるかもしれませんが、先のテキストの学習方法に沿って音読したとすると、4日で1課、1日平均25回程です。朝晩10回少々と考えれば、それほど負担に感じずに取り組めるのではないでしょうか。
もちろんこの回数は、あくまでも目安です。自分の生活のペースに合わせて回数や学習期間を変更しても差し支えありません。
私は現在、1週間~2週間かけてテキストの内容を1課を学習するというサイクルにしており、その時々の予定に合わせて、無理なく取り組めるペースで学習を続けています。
また、毎日朝1時間~2時間、夜1時間~1時間半と、1日で合計2時間~3時間半程、家事などをしながら中国語のニュースを聞き、シャドーイングや新出単語を調べたりしています。
なお、「いきなり政治や経済のニュースは、とっつきにくい…」という方には、記事冒頭の写真にある「音読でここまでわかる!『中国語ニュース』特別編」もオススメです。こちらは、芸能やエンタメを含めた、中国の社会面のニュースを中心に取り扱っています。
まずは気軽に、ニュースを声に出して読むところから始めてみてはいかがでしょうか。
最新の中国の情報に触れながら、ぜひ楽しく学習を続けていってください!
もりゆりえ
広島県東広島市出身。尾道市立大学美術学科卒業。高校時代に読んだ漫画「封神演義」をきっかけに中国語学習を開始。大学卒業後中国に渡り、浙江大学に10ヵ月間の語学留学(2005年〜2006年)をする。留学中に、「第二届中国国際動漫画節」に参加。現在はフリーランスの中日漫画翻訳者として活動中。趣味は中国のマンガアプリでマンガを読むこと。
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