中国語の「拍手」「掌声」「鼓掌」の違いをわかりやすく解説|拍手する・拍手が起こるはどう言う?

語法・表現・フレーズ

中国語で「拍手」と言いたいとき、よく出てくる表現に 拍手(pāi shǒu)掌声(zhǎngshēng)鼓掌(gǔzhǎng) があります。

どれも日本語では「拍手」と訳されることがありますが、実は意味と使い方が違います。

結論から言うと、次のように整理できます。

拍手(pāi shǒu)=手をたたく、パチパチする動作
鼓掌(gǔzhǎng)=拍手する、称賛のために手をたたく
掌声(zhǎngshēng)=拍手の音、拍手喝采

日本語の「拍手」は、「拍手する」という動作にも、「拍手が起こる」という音や雰囲気にも使えます。しかし中国語では、動作なのか、音なのか、称賛なのか によって単語を使い分けます。

この記事では、中国語の 拍手・掌声・鼓掌 の違いを、例文つきでわかりやすく解説します。

まず結論:「拍手」「掌声」「鼓掌」の違い

まずは、3つの違いを表で確認しましょう。

中国語 ピンイン 品詞 主な意味 ポイント
拍手 pāi shǒu 動詞 手をたたく 単純に手をパチパチする動作
鼓掌 gǔzhǎng 動詞 拍手する 称賛・歓迎・賛同の拍手
掌声 zhǎngshēng 名詞 拍手の音、喝采 会場に響く拍手、拍手喝采

一番大切なのは、拍手・鼓掌は動詞、掌声は名詞 という点です。

つまり、

みんなが拍手した。
大家鼓掌了。

会場に拍手が起こった。
会场响起了掌声。

のように使い分けます。

日本語ではどちらも「拍手」と言えますが、中国語では 「拍手する」なら鼓掌、「拍手の音」なら掌声 と考えるとわかりやすいです。

「拍手」は中国語にもある?意味と使い方

中国語にも 拍手(pāi shǒu) という言葉があります。

意味は「手をたたく」「拍手する」です。

ただし、日本語の「拍手」と完全に同じ感覚ではありません。中国語の 拍手 は、どちらかというと 手をパチパチたたく動作そのもの に意識があります。

たとえば、子どもが喜んで手をたたく場面や、リズムに合わせて手をたたく場面などで使いやすい表現です。

例文

孩子高兴地拍手。
Háizi gāoxìng de pāi shǒu.
子どもがうれしそうに手をたたく。

她一边唱歌,一边拍手。
Tā yìbiān chànggē, yìbiān pāi shǒu.
彼女は歌いながら手をたたいている。

大家跟着音乐拍手。
Dàjiā gēnzhe yīnyuè pāi shǒu.
みんなが音楽に合わせて手をたたく。

このように、拍手 は「手を打ち合わせる動作」に近い言葉です。

もちろん「拍手する」という意味でも使えますが、スピーチや発表、式典、舞台などで「拍手する」と言いたい場合は、次に紹介する 鼓掌 のほうが自然です。

「鼓掌」は“拍手する”という意味の基本表現

鼓掌(gǔzhǎng) は、「拍手する」という意味の動詞です。

中国語で「拍手する」と言いたいとき、最も基本的でよく使われるのがこの 鼓掌 です。

特に、誰かの発表、演奏、スピーチ、登場、受賞などに対して、称賛・歓迎・応援の意味で拍手する場合に使います。

例文

大家一起鼓掌。
Dàjiā yìqǐ gǔzhǎng.
みんなで拍手します。

观众热烈鼓掌。
Guānzhòng rèliè gǔzhǎng.
観客は熱烈に拍手しました。

请大家为他鼓掌。
Qǐng dàjiā wèi tā gǔzhǎng.
皆さん、彼に拍手をお願いします。

演讲结束后,同学们都鼓掌了。
Yǎnjiǎng jiéshù hòu, tóngxuémen dōu gǔzhǎng le.
スピーチが終わったあと、学生たちはみんな拍手しました。

鼓掌 は動詞なので、「誰が拍手するのか」を表す主語と一緒に使いやすいです。

たとえば、

观众鼓掌
観客が拍手する

大家鼓掌
みんなが拍手する

同学们鼓掌
学生たちが拍手する

のように使います。

日本語の「拍手する」に一番近い中国語は、基本的に 鼓掌 だと覚えておきましょう。

「掌声」は“拍手の音・喝采”という意味

掌声(zhǎngshēng) は名詞です。

意味は「拍手の音」「拍手喝采」です。

ここで重要なのは、掌声は動作ではなく、音や雰囲気を表す言葉 だということです。

つまり、「拍手する」ではなく、「拍手が起こる」「拍手が響く」「拍手を浴びる」のような表現で使います。

例文

会场响起了热烈的掌声。
Huìchǎng xiǎngqǐ le rèliè de zhǎngshēng.
会場に熱烈な拍手が起こりました。

他的发言赢得了掌声。
Tā de fāyán yíngdé le zhǎngshēng.
彼の発言は拍手を浴びました。

掌声持续了很久。
Zhǎngshēng chíxù le hěn jiǔ.
拍手は長く続きました。

台下传来了掌声。
Táixià chuánlái le zhǎngshēng.
客席から拍手が聞こえてきました。

掌声 は名詞なので、基本的に「掌声する」とは言えません。

日本語では「拍手する」と言えますが、中国語では、

× 大家掌声了。
とは言いません。

正しくは、

大家鼓掌了。
みんなが拍手しました。

または、

响起了掌声。
拍手が起こりました。

と言います。

「拍手」と「鼓掌」の違い

では、中国語の 拍手鼓掌 は何が違うのでしょうか。

どちらも「手をたたく」という意味がありますが、ニュアンスが少し違います。

拍手 は、手をパチパチたたく動作そのもの。
鼓掌 は、称賛・歓迎・賛同の気持ちを込めて拍手すること。

たとえば、子どもが喜んで手をたたくなら 拍手 が自然です。

孩子高兴地拍手。
子どもがうれしそうに手をたたく。

一方、発表者に対して拍手するなら 鼓掌 が自然です。

大家为演讲者鼓掌。
みんなが発表者に拍手する。

つまり、

単純な動作=拍手
称賛・歓迎の拍手=鼓掌

と覚えるとよいでしょう。

「鼓掌」と「掌声」の違い

次に、鼓掌掌声 の違いです。

ここが一番間違えやすいポイントです。

鼓掌 は「拍手する」という動詞。
掌声 は「拍手の音」という名詞。

たとえば、「観客が拍手した」と言いたいなら、

观众鼓掌了。
観客が拍手しました。

と言います。

一方、「会場に拍手が起こった」と言いたいなら、

会场响起了掌声。
会場に拍手が起こりました。

と言います。

日本語ではどちらも「拍手」と訳せますが、中国語では文の構造が違います。

比較例

观众热烈鼓掌。
観客は熱烈に拍手しました。

会场响起了热烈的掌声。
会場に熱烈な拍手が起こりました。

1つ目は「観客が拍手する」という動作。
2つ目は「拍手の音が会場に響く」という描写です。

この違いを理解すると、中国語の表現がかなり自然になります。

「大きな拍手」は中国語で?

日本語でよく使う「大きな拍手」は、中国語では 大的掌声 とはあまり言いません。

自然な表現は、次のようになります。

热烈的掌声
rèliè de zhǎngshēng
熱烈な拍手

雷鸣般的掌声
léimíng bān de zhǎngshēng
雷のような拍手、割れんばかりの拍手

经久不息的掌声
jīngjiǔ bùxī de zhǎngshēng
鳴りやまない拍手

掌声雷动
zhǎngshēng léidòng
割れんばかりの拍手が起こる

特によく使うのは 热烈的掌声 です。

例文

他的演讲结束后,全场响起了热烈的掌声。
Tā de yǎnjiǎng jiéshù hòu, quánchǎng xiǎngqǐ le rèliè de zhǎngshēng.
彼のスピーチが終わると、会場全体に熱烈な拍手が起こりました。

观众报以雷鸣般的掌声。
Guānzhòng bàoyǐ léimíng bān de zhǎngshēng.
観客は割れんばかりの拍手を送りました。

掌声经久不息。
Zhǎngshēng jīngjiǔ bùxī.
拍手は鳴りやみませんでした。

「大きな拍手」と言いたいときは、まず 热烈的掌声 を覚えておけば十分です。

「拍手をお願いします」は中国語で?

イベントやスピーチの場でよく使う「拍手をお願いします」は、中国語ではいくつかの言い方があります。

一番シンプルな表現

请大家鼓掌。
Qǐng dàjiā gǔzhǎng.
皆さん、拍手をお願いします。

これは直訳に近く、シンプルで使いやすい表現です。

司会者らしい自然な表現

请大家给他一点掌声。
Qǐng dàjiā gěi tā yìdiǎn zhǎngshēng.
皆さん、彼に拍手をお願いします。

让我们用热烈的掌声欢迎他。
Ràng wǒmen yòng rèliè de zhǎngshēng huānyíng tā.
熱烈な拍手で彼をお迎えしましょう。

让我们以热烈的掌声感谢他。
Ràng wǒmen yǐ rèliè de zhǎngshēng gǎnxiè tā.
熱烈な拍手で彼に感謝しましょう。

このように、司会やイベントの場では 掌声 を使った表現がよく使われます。

よくある間違い

間違い1:大家掌声了

× 大家掌声了。

これは不自然です。

掌声 は名詞なので、「みんなが掌声した」とは言えません。

正しくは、

○ 大家鼓掌了。
みんなが拍手しました。

間違い2:请大家掌声

× 请大家掌声。

これも不自然です。

「拍手してください」と言いたいなら、

○ 请大家鼓掌。
皆さん、拍手をお願いします。

または、

○ 请大家给他一点掌声。
皆さん、彼に拍手をお願いします。

と言います。

間違い3:大的掌声

× 大的掌声

意味は通じる可能性がありますが、自然な中国語ではありません。

「大きな拍手」は、

○ 热烈的掌声
熱烈な拍手

○ 雷鸣般的掌声
割れんばかりの拍手

のように言うのが自然です。

場面別:「拍手」「鼓掌」「掌声」の使い分け

子どもが喜んで手をたたく

孩子高兴地拍手。
子どもがうれしそうに手をたたく。

この場合は、称賛というより単純な動作なので 拍手 が自然です。

観客が演奏者に拍手する

观众为演奏者鼓掌。
観客が演奏者に拍手する。

この場合は、演奏者への称賛なので 鼓掌 が自然です。

会場に拍手が起こる

会场响起了掌声。
会場に拍手が起こった。

この場合は、拍手の音や雰囲気を描写しているので 掌声 が自然です。

熱烈な拍手で迎える

大家用热烈的掌声欢迎他。
みんなが熱烈な拍手で彼を迎える。

この場合は、「拍手の音・喝采」を使って迎えるという表現なので 掌声 を使います。

日本語の「拍手」は中国語でどう訳す?

日本語の「拍手」は、文によって中国語訳が変わります。

日本語 自然な中国語
拍手する 鼓掌
手をたたく 拍手
拍手が起こる 响起掌声
拍手を送る 报以掌声 / 给……掌声
大きな拍手 热烈的掌声
割れんばかりの拍手 雷鸣般的掌声
拍手が鳴りやまない 掌声经久不息
拍手をお願いします 请大家鼓掌 / 请大家给他一点掌声

日本語の「拍手」を見たら、すぐに中国語の 拍手 に置き換えるのではなく、まず「動作なのか、音なのか」を考えることが大切です。

まとめ:中国語の「拍手」「掌声」「鼓掌」の違い

最後に、もう一度整理しましょう。

拍手(pāi shǒu) は、手をパチパチたたく動作です。子どもが喜んで手をたたく、音楽に合わせて手をたたく、という場面で使いやすい言葉です。

鼓掌(gǔzhǎng) は、「拍手する」という意味の基本動詞です。発表、スピーチ、演奏、登場、受賞などに対して、称賛や歓迎の気持ちを込めて拍手する場合に使います。

掌声(zhǎngshēng) は、「拍手の音」「拍手喝采」という意味の名詞です。「拍手が起こる」「拍手が響く」「拍手を浴びる」「熱烈な拍手」のような表現で使います。

覚え方はシンプルです。

手をたたく動作=拍手
拍手する=鼓掌
拍手の音・喝采=掌声

特に中国語学習者は、まず次の2つをしっかり覚えましょう。

拍手する=鼓掌
拍手が起こる=响起掌声

この違いがわかると、日本語の「拍手」をより自然な中国語に訳せるようになります。

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tad

千葉県出身、東京育ち。貿易関係の会社で10数年ほど勤務後、5年の中華圏駐在経験を活かして独立。現在は、翻訳や通訳などを中心にフリーで活動中。趣味はゴルフ。好きな食べ物は麻辣香锅。東京外国語大学外国語学部中国語学科卒業。中国語検定準1級。HSK6級。

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