【中国語】「継起」を表す“就”と“再”の違いと使い分けを解説!

語法・表現・フレーズ

中国語の「就(jiù)」と「再(zài)」はどちらも「〜して、〜する」のよう継起(出来事の順序やつながり)を表しますが、それぞれ異なる特徴と使い分けがあります。

1. 「就」:前の動作が終わるとすぐに次の動作が起こる

「就」は時間的な近接性早さを強調する副詞です。ある動作が終わると、間をおかずに次の動作が発生することを示します。

特徴

  • 「A就B」の形で使われ、「Aの後すぐにBが起こる」ことを表す
  • 「快(早い)」や「容易(簡単)」といったニュアンスがあることが多い
  • 文中に「一……就……(yī……jiù……)」の形で使うこともある

例文

我吃完饭去图书馆。

(Wǒ chī wán fàn jiù qù túshūguǎn.)

→ 私はご飯を食べ終えたらすぐに図書館に行きます。

你一到家给我打电话。

(Nǐ yí dào jiā jiù gěi wǒ dǎ diànhuà.)

→ 家に着いたらすぐに私に電話してください。

他一听明白了。

(Tā yī tīng jiù míngbai le.)

→ 彼は聞いたらすぐに理解しました。

2. 「再」:前の動作が終わった後、次の動作を行う

「再」は時間的な順序を示し、「まずAをして、その後Bをする」という流れを表します。「すぐに」ではなく、順番が重要になります。

特徴

  • 「A再B」の形で使われ、「Aが終わった後にBをする」ことを表す
  • 「また」「もう一度」の意味でも使われる(再见:また会いましょう)
  • 「先……再……(xiān……zài……)」の形で使うこともある

例文

你先吃饭,写作业。

(Nǐ xiān chī fàn, zài xiě zuòyè.)

→ まずご飯を食べて、それから宿題をしなさい。

我想先去超市,回家。

(Wǒ xiǎng xiān qù chāoshì, zài huí jiā.)

→ 先にスーパーに行って、それから家に帰りたい。

这个问题我们明天讨论吧。

(Zhège wèntí wǒmen míngtiān zài tǎolùn ba.)

→ この問題は明日また話し合いましょう。

「就」と「再」の特徴と違い

 

比較

副詞 使い方 例文 ニュアンス
すぐに次の動作が起こる 你下班就回家吧。
(仕事が終わったらすぐ帰りなさい。)
素早い・直接的
順序を表す 你先休息,再去工作。
(まず休んでから、仕事に行きなさい。)
順番・計画性

まとめ

  • **「就」**は「すぐに」「早く」次の動作が起こることを強調する。
  • **「再」**は「順番」「後で」を示し、Aの後にBをする流れを作る。

このように、「就」は動作の速さや直接性を、「再」は時間的な順序や計画性を意識して使い分けるのがポイントです!

「就」と「再」の使い分けは?置き換え可能か?

「就」と「再」は、どちらも継起を表しますが、意味が変わってしまう場合や、どちらか一方しか使えない場合があります。以下、それぞれで置き換えができる場合できない場合の例を示します。

1. 置き換えができる場合(意味は異なるが、文法的に成立する)

以下のような文では、「就」と「再」を入れ替えて使うことが可能ですが、ニュアンスが変わります。

例1:昼ご飯の後に宿題をする

✅ 我吃完饭写作业。

✅ 我吃完饭写作业。

(Wǒ chī wán fàn jiù xiě zuòyè. / Wǒ chī wán fàn zài xiě zuòyè.)

  • 「就」 → 「すぐに」宿題をする感じ。
  • 「再」 → 「ご飯の後に(間をおいて)」宿題をする。

例2:スーパーに行く前にお金を準備する

✅ 你带上钱去超市吧。

✅ 你带上钱去超市吧。

(Nǐ dài shàng qián jiù qù chāoshì ba. / Nǐ dài shàng qián zài qù chāoshì ba.)

  • 「就」 → お金を持ったらすぐに行く感じ。
  • 「再」 → お金を持ってから、順番としてスーパーに行く。

2. 置き換えができない場合(どちらか一方しか使えない)

A. 「就」しか使えない場合(「すぐに」や「因果関係」が必要なとき)

例1:すぐに結果が出る場合

❌ 你听我说明白。

✅ 你听我说明白了。

(Nǐ tīng wǒ shuō jiù míngbai le.)

→ 「聞けばすぐに理解できる」というニュアンス。「再」は不自然。

例2:「一……就……」の構造(固定表現)

❌ 你到家给我打电话。

✅ 你到家给我打电话。

(Nǐ dào jiā jiù gěi wǒ dǎ diànhuà.)

→ 「家に着いたらすぐに電話して」という表現では「就」が必須。「再」は使えない。

 

B. 「再」しか使えない場合(「順番」や「繰り返し」が必要なとき)

例1:「もう一度」「また」の意味がある場合

❌ 明天讨论这个问题吧。

✅ 明天讨论这个问题吧。

(Míngtiān zài tǎolùn zhège wèntí ba.)

→ 「明日もう一度話し合おう」の意味なので、「再」しか使えない。「就」を使うと不自然。

例2:「先~再~」の構造(順番を強調する表現)

❌ 你吃饭,看电影吧。

✅ 你吃饭,看电影吧。

(Nǐ xiān chī fàn, zài kàn diànyǐng ba.)

→ 「まずご飯を食べて、それから映画を見よう」という順番を示すので、「再」が適切。「就」は不自然。

まとめ

ケース 就のみ使える 再のみ使える どちらも使えるが意味が変わる
すぐに結果が出る 你听我说明白了。
「一……就……」の表現 你一到家给我打电话。
「もう一度」「また」の意味 明天讨论这个问题吧。
「先……再……」の表現 你先吃饭,看电影。
時間的な継起 吃完饭写作业。
(すぐに書く)
吃完饭写作业。
(順番として書く)
前の行動の後に次の行動 你带上钱去超市。
(すぐ行く)
你带上钱去超市。
(順番として行く)

このように、「就」は即時性・因果関係を強調し、「再」は順番・繰り返しを強調するので、文脈によって使い分けるのが重要です!

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tad

千葉県出身、東京育ち。貿易関係の会社で10数年ほど勤務後、5年の中華圏駐在経験を活かして独立。現在は、翻訳や通訳などを中心にフリーで活動中。趣味はゴルフ。好きな食べ物は麻辣香锅。東京外国語大学外国語学部中国語学科卒業。HSK6級。

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