【中国語】“是…的”構文は何を強調?5つのFAQで徹底解説

語法・表現・フレーズ

“是…的”構文、中国語で非常によく使われる文型で、ある出来事が「いつ」「どこで」「どのように」「なぜ」「誰が」行ったかなどの背景情報を強調する際に用いられます。

この構文は、すでに発生した出来事に焦点を当てるため、過去の出来事を説明するときに主に使われます。

【中国語】“是…的”構文で強調できる

基本、以下のように使います。ト

主語 + + 強調したい部分 + 動詞 +

次のような場面で強調表現として使えます。

1. 時間を強調する例文:

その出来事が「いつ」起こったのかを強調します。

例文 1

中文: 我昨天去看电影
ピンイン: Wǒ shì zuótiān qù kàn diànyǐng de.
日本語訳: 私は昨日映画を見に行きました。(昨日を強調)

例文 2

中文: 他去年搬到上海
ピンイン: Tā shì qùnián bān dào Shànghǎi de.
日本語訳: 彼は去年上海に引っ越しました。(去年を強調)

2. 場所を強調する例文:

その出来事が「どこで」起こったのかを強調します。

例文 1

中文: 我们在公园里拍照片。
ピンイン: Wǒmen shì zài gōngyuán lǐ pāi de zhàopiàn.
日本語訳: 私たちは公園で写真を撮りました。(公園を強調)

例文 2

中文: 这道菜在这家饭馆里学会
ピンイン: Zhè dào cài shì zài zhè jiā fànguǎn lǐ xuéhuì de.
日本語訳: この料理はこのレストランで習ったものです。(レストランを強調)

3. 方法を強調する例文:

その出来事が「どのように」行われたのかを強調します。

例文 1

中文: 他坐飞机去北京
ピンイン: Tā shì zuò fēijī qù Běijīng de.
日本語訳: 彼は飛行機で北京に行きました。(飛行機を強調)

例文 2

中文: 这封信用手写
ピンイン: Zhè fēng xìn shì yòng shǒuxiě de.
日本語訳: この手紙は手書きで書かれています。(手書きを強調)

4. 理由を強調する例文:

その出来事が「なぜ」起こったのかを強調します。

例文 1

中文: 我因为感兴趣才学中文
ピンイン: Wǒ shì yīnwèi gǎnxìngqù cái xué Zhōngwén de.
日本語訳: 私は興味があるから中国語を勉強しています。(理由を強調)

例文 2

中文: 他为了通过考试才这么努力
ピンイン: Tā shì wèile tōngguò kǎoshì cái zhème nǔlì de.
日本語訳: 彼は試験に合格するためにこんなに努力しています。(理由を強調)

5. 行為者を強調する例文:

その出来事を「誰が」行ったのかを強調します。

例文 1

中文: 这幅画小明画
ピンイン: Zhè fú huà shì Xiǎomíng huà de.
日本語訳: この絵は小明が描いたものです。(小明を強調)

例文 2

中文: 饭妈妈做
ピンイン: Fàn shì māma zuò de.
日本語訳: ご飯はお母さんが作りました。(お母さんを強調)

【中国語】“是…的”構文のFAQ

FAQ①:過去の強調だけですか?未来の強調はできないですか?

「是…的」構文は、すでに起こった過去の出来事を説明するために使われます。未来のことや未完了の出来事には使えません。

誤用例:她是明天来的。(彼女は明日来るのだ)✗

FAQ②:過去の強調をしたいので助詞「了」を使ってもいいですか?

“是…的”構文に「了」は同時に使えません。

誤用例:她是昨天来了的。(彼女は昨日来たのだ)✗

FAQ③:「是…的」構文が使えないときもありますか?

状態を表す動詞(例えば「是」「有」「在」など)は、基本的に「是…的」構文では使いません。この構文は、出来事や行動が「どのように」「いつ」「どこで」「なぜ」「誰が」行われたかを強調するためのものだからです。

1. 「是」について:

「是」自体が存在や本質を表す動詞であり、すでに「是…的」の「是」と重なるため、使う必要がありません。

誤用例:
这个人是是老师的。
(「是」が重複しておかしい。)

2. 「有」について:

「有」は所有や存在を表す動詞であり、「是…的」の文型には適しません。

誤用例:
他是有一个弟弟的。
(「有」は強調する必要がない。)

3. 「在」について:

「在」は存在や場所を表す動詞ですが、「是…的」構文は具体的な動作に使うため、「在」を強調するときには適しません。

誤用例:
他是在图书馆的。
(存在を表すだけなら「是」は不要。)

FAQ④:“是”は省略可能ですか?どういうときに省略しますか?

省略可能だが、強調のニュアンスは弱くなる

口語では、「是」を省略する場合がありますが、強調のニュアンスは弱くなります。

中文: 他为了通过考试才这么努力
ピンイン: Tā shì wèile tōngguò kǎoshì cái zhème nǔlì de.
日本語訳: 彼は試験に合格するためにこんなに努力しています。(理由を強調)

中文: 他为了通过考试才这么努力
ピンイン: Tā wèile tōngguò kǎoshì cái zhème nǔlì de.
日本語訳: 彼は試験に合格するためにこんなに努力しています。(理由を強調)

否定のときは省略できない

また、否定のときは必ず“不是”を入れる必要があります。

中文: 我不是昨天去看电影的。
ピンイン: Wǒ búshì zuótiān qù kàn diànyǐng de.
日本語訳: 私は昨日映画を見に行ったのではありません。(昨日を否定)

中文: 这张照片不是在公园拍的。
ピンイン: Zhè zhāng zhàopiàn búshì zài gōngyuán pāi de.
日本語訳: この写真は公園で撮ったものではありません。(公園を否定)

中文: 他不是坐飞机去的北京。
ピンイン: Tā búshì zuò fēijī qù de Běijīng.
日本語訳: 彼は飛行機で北京に行ったのではありません。(飛行機を否定)

FAQ⑤:たまに目的語の前に“的”があるのを見ますがどういうことですか?

“的”は基本、目的語の前後どちらでもOK

次のような例では、拍(撮る=動詞)と照片(写真=目的語)の間に“的”があります。

中文: 我们在公园里拍照片。
ピンイン: Wǒmen shì zài gōngyuán lǐ pāi de zhàopiàn.
日本語訳: 私たちは公園で写真を撮りました。

このように動詞+目的語の場合、“的”の前後どちらに置いてもOKです。

中文: 我们在公园里拍照片
ピンイン: Wǒmen shì zài gōngyuán lǐ pāi de zhàopiàn.
日本語訳: 私たちは公園で写真を撮りました。

“的”の位置で焦点が変わる

では、上記のように“的”を前後におくことでどのような違いが生まれるでしょうか?

基本、大意は代わりませんが、焦点のニュアンスが変わります。

強調すること 日本語訳
我们是在公园里拍的照片 写真(結果) 私たちが公園で撮った写真です。
我们是在公园里拍照片的 写真を撮る行為 私たちは公園で写真を撮ったんです。

「我们在公园里拍照片」

  • 誰かが写真を見て「どこで撮ったの?」と聞かれたときの答え。
  • 写真そのものを指して説明したいときに使います。

「我们在公园里拍照片

  • 誰かが「どこで写真を撮ったの?」と聞かれたときの答え。
  • 写真撮影という行動を説明したいときに使います。

目的語が人称代詞

目的語が人称代詞の場合、基本、“的”を目的語の後に置きます。

  • 中文: 他告诉我
  • ピンイン: Shì tā gàosu wǒ de.
  • 日本語訳: 私に教えてくれたのは彼です。

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以上、“是…的”構文について、よくある質問をまとめてみました。

是非皆さまも“是…的”構文を使って、強調したい部分にフォーカスを当ててみてください!

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HARU

兵庫県出身。同志社大学卒業。卒業後、食品メーカーで商品開発や中国事業に携わる。多くのプロジェクトで通訳・翻訳として貢献。自身の躓いた語学経験を多くの学習者に還元したいという想いでPaoChaiで中国語学習コーチとなる。新HSK6級。通訳案内士。好きな言葉は「為せば成る為さねば成らぬ何事も」。趣味は自転車で街を探索すること。温泉めぐり。ランニング。

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