HSKの作文採点基準【4級・5級・6級】3段階の評価ポイントと対策

HSK・中国語検定

HSKの作文パートの採点についてその採点基準が気になる方も多いのではないでしょうか?

今回はHSK【4級・5級・6級】3段階の評価ポイントと対策を、HSKの公式サイトに記載されているガイドラインを基にまとめたいと思います。

HSK4級 作文評価基準(看图用词造句)

HSK4級 第96〜100題:作文評価基準

配点

1問8点 × 5問 = 40点満点

0点

空白(何も書いていない)

低得点

  • 内容が画像および提示された語彙と無関係
  • 3個または3個以上の誤字がある
  • 文が不完全、文法誤りがある

中得点

  • 文が完成している、文法誤りはないが、1〜2個の誤字がある
  • 文が完成している、誤字はないが、内容が単純すぎる

高得点

  • 文が完成している
  • 誤字がない
  • 文法誤りがない
  • 内容が豊か

👉 まとめると、高得点のためには:

  1. 語彙を必ず使い、画像に関連させる
  2. 誤字ゼロ・文法ミスなし
  3. 短文で終わらず、少し内容を豊かにする

🔑 高得点を取るための練習の仕方とコツ

① 必ず「語彙+画像」に関連させる

  • 問題では「画像」と「指定語彙」の両方を見て文を作ります。
  • 語彙を文に必ず入れることは最低条件。
  • 画像と無関係な使い方は減点になるので、「画像を見て分かる動作・状況」と語彙をリンクさせる

② 文法をシンプルに正確に

HSKでは「正確さ」が最重要。難しい表現を狙うより、主語+述語+目的語の基本語順でシンプルに書くと安全。

例:

  • × 「因为…所以…但是…」を無理に入れて混乱する
  • ○ 「他在图书馆看书。」のように簡潔で正確に

③ 誤字ゼロを意識する

  • 評価基準では「誤字」が大きな減点要素。
  • 普段から「書く練習」や「手で漢字を書く」ことを意識して、字形を正確に覚える。
  • 特に似ている漢字(晴 vs 情、问 vs 问)に注意。

④ 内容を豊かにする

短い一文でも成立するが、それでは「中得点止まり」。少し説明を加えることで加点される。

例(語彙:图书馆)

  • 中得点レベル:「他在图书馆看书。」
  • 高得点レベル:「他每天都在图书馆看书,因为他准备考试。」
  • 「いつ・なぜ・どのくらい」などを入れると自然に豊かになる。

⑤ 時間内で練習する

本番では制限時間があるため、スピードと正確さの両立が必要。

普段から「30秒以内に1文作る」練習をしておくと安心。

✅ まとめ

高得点(8点)を狙うには:

  1. 語彙+画像をしっかり関連させる
  2. 基本的な文法でシンプルに正確に
  3. 誤字ゼロを徹底
  4. 短文+αの情報(理由・目的・頻度)を足して内容を豊かに

HSK5級 作文評価基準(第99題&第100題)

HSK5級 第99題:作文評価基準

0点

  • 空白(何も書いていない)。

低得点

  • 5つの指定語彙をすべて使用していない。
  • 内容がつながらない。
  • 文法的誤りがある。
  • 誤字が比較的多い。

中得点

  • 内容はつながっていて論理的だが、文法誤りがある。
  • 内容はつながり論理的だが、誤字が少量ある。
  • 内容はつながり論理的だが、字数不足。

高得点

  • 5つの指定語彙をすべて使用。
  • 誤字なし。
  • 文法誤りなし。
  • 内容が豊富。
  • つながりがあり、論理的。

👉 簡単に言うと、「語彙を全部使うこと」「誤字や文法ミスを避けること」「内容を豊かに、論理的につなげること」が高得点の鍵になります。

🔑 高得点を取るコツ(HSK5級作文 第99題)

① 指定の5語を必ず使う

  • 出題される5つの語彙は全て使うことが必須
  • 語順や文法を工夫して自然に文中に取り入れる。
  • 無理やり並べると不自然になるので、物語の展開に合わせて配置するのがコツ。

② 誤字・文法ミスを避ける

  • 簡体字の書き間違い似た音の字の誤用は減点対象。
  • 文法は「時制」「語順」「把構文・被構文」など初級文法の誤りをしないよう注意。
  • 書く前に一度頭の中で文型をシンプルに組み立てると安全。

③ 内容を豊かにする

  • 単なる事実の羅列よりも、場面描写や人物の感情を入れると加点されやすい。
  • 「だれが・いつ・どこで・なにを・なぜ・どうしたか(6W1H)」を意識すると内容が厚くなる。
  • ストーリー仕立てにすると自然に長さも稼げる。

④ 論理的に流れを作る

  • 起承転結を意識する。
  1. 導入(背景・状況)
  2. 展開(出来事の流れ)
  3. クライマックス(重要な場面や問題)
  4. 結末(まとめ・感想)
  • 接続詞(然后、后来、因此、但是、虽然…但是…など)を効果的に入れると論理的に見える。

⑤ 字数を確保する

  • 指定字数を満たさないと中得点止まり。
  • 余裕を持って5〜10字ほど多めに書くのが安心。
  • 同じ意味でも「短い文」より「少し説明を加えた文」を選ぶと字数も稼げる。

✅ まとめ

高得点作文の条件は次のとおりです:

  1. 5語を必ず全部使用
  2. 誤字ゼロ・文法ミスなし
  3. 内容が豊かで論理的
  4. 指定字数を満たす

👉 ポイントは「安全策としてシンプルに」「加点を狙って少し豊かに」です。

HSK5級 作文評価基準(第100題)

HSK5級 第100題:作文評価基準

0点

  • 空白(何も書いていない)。

低得点

  • 内容が与えられた画像とあまり関連しない。
  • 内容がつながらない。
  • 文法的誤りがある。
  • 誤字が比較的多い。

中得点

  • 内容が画像と関連し、論理的だが、文法誤りがある。
  • 内容が画像と関連し論理的だが、誤字が少量ある。
  • 内容は関連しているが、字数不足。

高得点

  • 内容が画像と関連している。
  • 誤字がない。
  • 文法的誤りがない。
  • 内容が豊か。
  • 論理的かつつながりがある。

補足(注記部分)

  • この問題は描写が中心
  • 出題者はできるだけ「描写に適した画像」を選ぶため、基本的に受験者が議論・評論を行う必要はない
  • 受験者がもし議論寄りに書いても減点はない。
  • 採点者が重視するのは、中国語表現の規範性・流暢さであり、意見や見識の高低ではない。

👉 第99題と比べると、第100題は「与えられた画像との関連性」が最重要ポイントになります。

🔑 高得点を取るコツ(HSK5級作文 第100題)

① 画像と必ず関連させる

  • 「見えるもの」を描写することが最重要
  • 想像で膨らませるのはOKだが、写真と無関係な話に逸れると減点
  • まずは「誰・どこで・何をしているか」を具体的に描写する。

② シンプルで正確な文法

  • 評価基準は「意見の内容」ではなく「中国語の正確さ」。
  • 難しい構文にこだわらず、正しい語順・正しい文型を使う方が安全。
  • 「連詞(然后、后来、同时、因此など)」を適度に入れると流れが自然に。

③ 内容を豊かにする工夫

  • 「ただ見えること」だけでなく、少し想像を加えると内容が豊かになる。

    例:人物の気持ち・目的・結果などを推測して書く。
  • 6W1H(誰・いつ・どこで・何を・なぜ・どのように)を意識すると文章が厚くなる。

④ 字数をしっかり確保

  • 字数不足だと中得点止まり。
  • 同じ描写でも、「短く一文で終える」より「少し説明を加える」方が字数も稼げるし豊かに見える。

⑤ 無理に「評論」にしない

  • 注記にある通り、基本は「描写」中心
  • 「この人は〜すべきだ」といった意見は必須ではない。
  • ただし、もし書きたい場合は軽く加える程度なら問題なし。

✅ まとめ

高得点作文の条件は次の通りです:

  1. 画像との関連性が明確
  2. 誤字ゼロ・文法誤りなし
  3. 内容が豊かで論理的
  4. 指定字数を満たす

👉 ポイントは「見えることを中心に」「想像で少し膨らませる」「流れを作る」です。

HSK6級 作文評価基準(缩写問題)

HSK6級 第101題:作文評価基準

0点

空白(何も書いていない)

低得点

  • 内容が提示された材料とあまり関連していない
  • 内容がつながらない
  • 文法誤りがある
  • 誤字が比較的多い

中得点

  • 内容が提示された材料と基本的に一致するが、文法誤りがある
  • 内容が提示された材料と基本的に一致するが、誤字が少量ある
  • 字数不足

高得点

  • 内容が提示された材料と一致
  • 構造が合理的
  • 表現がつながり、流暢
  • 文法誤りなし、誤字なし

 

👉 つまり、HSK6級の「缩写」では:

  1. 材料の内容を正しく要約すること(脱線しない)
  2. 構造を整えること(起承転結、または段落ごとの論理性)
  3. 誤字ゼロ・文法ミスなし
  4. 表現を自然かつ連貫させる

🔑 高得点を取るための縮写のコツ(HSK6級)

① 材料内容を正しく把握する

  • 「缩写(要約)」は、与えられた材料の核心を抜き出すことが最重要。
  • 余計な想像や自分の意見を加えず、材料から外れないことが高得点の条件。
  • 読んだ直後に「テーマは何か?」「3〜4の要点は何か?」をメモするのがおすすめ。

② 構造を整理して合理的に書く

  • 起承転結段落ごとの要点整理を意識する。
  • 長い材料でも、縮写では「重要な情報を抜粋して順序立てる」ことが大切。
  • コツは「人物・時間・場所・事件の因果」を押さえること。

③ 短く・簡潔にまとめる

材料をそのまま書き写すのはNG。

冗長な表現を避け、核心だけをシンプルに表す。

例:「他非常努力,因为他想成功。」→「他努力是为了成功。」

④ 言葉を正確に使う

誤字ゼロ・文法ミスなしが必須条件。

特に「似た意味の語」の誤用に注意。

材料の表現をそのままコピーせず、自分の言葉で置き換える練習をする。

⑤ 字数を守る

指定字数より短すぎると中得点止まり。

長すぎても「缩写」の本質を外れるため減点対象。

字数制限の中でちょうどよく収める練習が必要。

⑥ 表現を自然につなげる

短縮しても文が「ぶつ切り」にならないように、接続詞=连接词(然后、因此、同时、虽然…但是…)を活用する。

「要点を並べる」のではなく、流れのある文章にすることが高得点のポイント。

✅ まとめ

  1. 高得点(满分)を狙うには:
  2. 材料の核心を正しく抽出(脱線しない)
  3. 構造を整理して合理的にまとめる
  4. 簡潔に表現する(冗長表現を避ける)
  5. 誤字・文法ミスなし
  6. 指定字数を守る
  7. 流れを意識し、自然につなげる

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以上です。上記の採点基準を意識して書くと高得点を狙いやすくなります。逆にいくら内容が豊富で長い文章を書いても、基準に合っていないと得点は伸びないので注意です。

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tad

千葉県出身、東京育ち。貿易関係の会社で10数年ほど勤務後、5年の中華圏駐在経験を活かして独立。現在は、翻訳や通訳などを中心にフリーで活動中。趣味はゴルフ。好きな食べ物は麻辣香锅。東京外国語大学外国語学部中国語学科卒業。中国語検定準1級。HSK6級。

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