<HSKと中国語検定>と<TOEICとTOEFL>能力評価の対応関係は?TOEIC900はHSK6級で◯◯点くらい【CEFRを介して算出】

HSK・中国語検定
東京の中国語レッスンを選ぶときのポイント3つ

中国語の有名な語学検定といえば、「HSK」と「中国語検定」です。

英語をある程度学習したことがある人にとって、「HSK」と「中国語検定」とTOEICやTOEFLとの比較があると中国語のレベルをイメージしやすくなるでしょう。

本記事では、これらの資格・検定の能力評価の比較を行ってみたいと思います。

以下、結論と算出方法に分けてご説明します。

<HSKと中国語検定>と<TOEICとTOEFL>能力評価の対応関係

結論を先に見てみましょう。(以下、表1)

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表1

 TOEICとTOEFLと、HSKと中国語検定との関係は以下のようになります。

  • CEFL: A2
  • TOEIC308-568点
  • TOEFL-41点

は、以下と同等です。

  • HSK4級 220-259点
  • HSK5級 180-219点
  • 中国語検定4級〜3級

**

  • CEFR: B1
  • TOEIC570-773点
  • TOEFL42-71点

は、以下と同レベルです。

  • HSK4級 260-299点
  • HSK5級 220-259点
  • HSK6級 180-219点
  • 中国語検定3級〜2級

**

  • CEFR: B2
  • TOEIC775-915点
  • TOEFL72-94点

は、以下と同レベルです。

  • HSK4級 満点
  • HSK5級 260-299点
  • HSK6級 220-259点
  • 中国語検定2級〜準1級

**

  • CEFR:C1
  • TOEIC918-990点
  • TOEFL95-120点

は、以下と同等です。

  • HSK5級 満点
  • HSK6級 260-299点
  • 中国語検定準1級

**

というような対応になっています。本記事タイトルにもなっていますが、例えばTOEIC900であれば、以下のCEFR:B2範囲の後半という感じでしょう。

  • HSK4級 満点
  • HSK5級 260-299点
  • HSK6級 220-259点

HSKは1〜6級に分かれていますが、同じ級でも合格点によってレベルは大きく異なります。

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<HSKと中国語検定>と<TOEICとTOEFL>の対応の算出方法(CEFRを介して)

上表の対応は、主観を含む算出なので参考までにご利用ください。

以下、算出方法ですがざっくり対応関係を理解したい方は上表を参考にするだけで、以下は読み飛ばして結構です。

英語の語学検定であるTOEICとTOEFL及びHSKは、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)という外国語レベルの世界的な尺度に合わせて作られています。以下、HSK公式サイトから抜粋します。

CEFR、とはヨーロッパ全体で、外国語の学習者の習得状況を示す際に用いられるガイドラインです。
英語ではTOEIC、TOEFLなどがこの指標を用いて評価することが可能です。
HSKは2010年のリニューアルでCEFRと合致するよう設計されたため、欧米各国の外国語テストとの互換性から難易度の比較がしやすくなりました。 

HSKはヨーロッパ言語共通参照枠という外国語レベルの世界的な尺度に合わせて作られています。以下、公式サイトから抜粋します。

HSKの級から見るCEFR
語彙量 CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)
6級 5000語以上 C2(Mastery) 聞いたり、読んだりしたほぼ全てのものを容易に理解することができる。
いろいろな話し言葉や書き言葉から得た情報をまとめ、根拠も論点も一貫した方法で再構成できる。自然に、流暢かつ正確に自己表現ができ、非常に複雑な状況でも細かい意味の違い、区別を表現できる。
5級 2500語 C1(Effective Operational Proficiency) いろいろな種類の高度な内容のかなり長いテクストを理解することができ、含意を把握できる。
言葉を探しているという印象を与えずに、流暢に、また自然に自己表現ができる。
社会的、学問的、職業上の目的に応じた、柔軟な、しかも効果的な言葉遣いができる。
複雑な話題について明確でしっかりとした構成の詳細なテクストを作ることができる。
その際テクストを構成する字句や接続表現、結束表現の用法をマスターしていることがうかがえる。
4級 1200語 B2(Vantage) 自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的かつ具体的な話題の複雑なテクストの主要な内容を理解することができる。
お互いに緊張しないで母語話者とやり取りができるくらい流暢かつ自然である。
かなり広汎な範囲の話題について、明確で詳細なテクストを作ることができ、さまざまな選択肢について長所や短所を示しながら自己の視点を説明できる。
3級 600語 B1(Threshold) 仕事、学校、娯楽で普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば主要点を理解できる。
その言葉が話されている地域を旅行しているときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。
身近で個人的にも関心のある話題について、単純な方法で結びつけられた、脈略のあるテクストを作ることができる。経験、出来事、夢、希望、野心を説明し、意見や計画の理由、説明を短く述べることができる。
2級 300語 A2(Waystage) ごく基本的な個人的情報や家族情報、買い物、住所、仕事など、直接的関係がある領域に関する、よく使われる文や表現が理解できる。
簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄についての情報交換に応ずることができる。
自分の背景や身の回りの状況や、直接的な必要性のある領域の事柄を簡単な言葉で説明できる。
1級 150語 A1(Breakthrough) 具体的な欲求を満足させるため、よく使われる日常的表現と基本的な言い回しは理解し、用いることもできる。
自分や他人を紹介することができ、どこに住んでいるか、誰と知り合いか、持ち物などの個人的情報について、質問をしたり、答えたりできる。
もし、相手がゆっくり、はっきりと話して、助け舟を出してくれるなら簡単なやり取りをすることができる。

ということで、

CEFRを媒介にすれば、英語のTOEFLとTOEICとHSK、さらにはHSKと関係する中国語検定も同じ評価軸で並べることができます。

表1をご覧いただくと左の赤い表は文部科学省が出しているCEFRと各英語資格・検定の比較です。右側の青い表はPaoChai作成のHSKと中国語検定のレベルです。左右の表はCEFRを介して同じレベルに並べています。

HSKの公式サイトとに掲載されているCEFRとHSKの各級は右青い表のA列部分です。

しかし、ここで問題があります。

このC2やC1などで定義されている外国語レベルと該当するHSK合格者の自己評価が一致しないことをよく耳にします。HSK6級に合格しても、ここ(C2)で書かれている能力があるとは言い難いのが現状です。HSK5級(C1)も然りです。

 HSK5級と6級(最上級)は、合否判定はなくTOEICのようにスコアが出るだけですが、便宜的に180点以上を「合格」という慣習があり、ここに問題があります。180点ぎりぎりで合格しても、240点など高得点で合格しても、同じHSK5級やHSK6級と括られてしまいます。

そこで、PaoChai編集部ではHSK公式サイトが掲載するHSKとCEFRの対応におけるHSKの合格点を「満点」と仮定しました。英語と中国語を学習した人であればTOEICやTOEFLの満点(C2)がHSK5級と同等ということは明らかにおかしいですが、HSK公式の見解なので、覆すわけにもいかず満点であると仮定しました。

さらに、HSKの合格を、合格点により3カテゴリ+満点の4つに分けました。

  • 60-73%(180-219点)
  • 74-86%(220-259点)
  • 87-99%(260-299点)
  • 100%満点(300点)

ある中国語と英語の学習者の方の個人サイトでも、次のようにTOEICとHSKの比較があります。

    HSK 4級
    …個人的な感覚としては、英検準2級、TOEIC 400点前後レベルだと思います。

    HSK 5級
    …主観で判断すると、HSK 5級は英検2級、TOEIC 550レベルが妥当でしょう。

    HSK 6級
    …内容はせいぜい英検準1級、TOEIC 750点レベルでしょう。

上記表1において、HSK4級とHSK5級はCEFRのA2で、HSK6級はB1のところで整合しています。

また、別の個人サイトでは、

    TOEIC800点に相当するのはHSK6級で200点くらいかなと感じています

とあります。 こちらは上表でTOEIC800はHSK6級220-259となっているため少しずれがありますが、誤差は大きく範囲を取れば誤差の範囲でしょう。

そして最後に、

HSKと中国語検定との対比は、以下中国語検定の公式サイトの対比表を参照しました。

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以上です。

TOEICやTOEFLの英語学習経験者で、これから中国語の勉強を始める方、是非、目標設定にこの対応表をご参考までにご利用ください。

加油〜!