HSKは「日本語能力試験」だと思え!-RSK発想で中国語学習を加速する

中国語学習者にとって避けて通れないのがHSK(漢語水平考試 Hànyǔ Shuǐpíng Kǎoshì)。
「合格点さえ取れればOK」と思っていませんか?
でもちょっと待ってください。
実はこの考え方、長期的な中国語力の成長を大きく妨げてしまうのです。
多くの受験者が陥る“点数主義”のワナ
HSK受験者の多くは「とにかく合格ラインを超えること」をゴールにしがちです。
しかし、それは例えるなら「選択問題に正解できれば、文章読解やリスニングの内容がほとんど理解できてなくてもOK!」と言っているようなもの。
大切なのは、点数ではなく読解であれば文章を、リスニングであれば流れてくる中国語音声を母語の日本語の並に理解できているかどうかです。
HSKを「RSK」として考える発想
そこでおすすめなのが、HSKを 日語水平考試=RSK(Rìyǔ Shuǐpíng Kǎoshì) として取り組む発想です。
つまり、HSKを「日本語能力試験に挑む感覚」で考えてみる。
日本語で普通に文章を読み、音声を聞き、作文ができるレベルを、中国語でも再現できるかどうかを基準にするのです。
日本語レベルで理解できればテストは100%正解できる
例えば、読解問題やリスニング問題。
「日本語で同じ内容を読んだら100%理解できる」レベルに中国語力を引き上げれば、当然ながらテスト問題は余裕で正解できます。
つまり、HSK合格=副産物。
本質は「日本語並みに使える中国語力」を目指すことにあります。
点数ではなく“どれだけ理解できているか”の観点で
HSKはあくまで「試験」。
しかし、それを 実用力=RSK として取り組むことで、単なる資格勉強を超えた学習効果が得られます。
- 合格点を追うのではなく、日本語と同等の理解力を目指す
- 問題を「点数」ではなく「実力チェック」として活用する
- HSK=RSK発想で、中国語を“使える力”に変えていく
ではどうすればいいか?
それは、中国語の長文を学習素材にして、日本語と同じくらいの理解度までインプットすることです。数回読むだけではだめで、精読をしっかりして、その上で何十回と音読、シャドーイング、リピーティングして深くインプットします。どこからどう聴いても理解できるまで落とし込むと相当深く自分の中に入っていきます。
詳しくは中国語独学完全マップBCP方式をご覧ください。
この視点を持つだけで、中国語学習の姿勢が一気に変わりますよ。

冨江コーチ
東京都北区出身。中国ビジネス10年(日本のゲーム、アニメ等コンテンツの中国展開に従事)、中国在住5年(上海、南京)の経験を活かし、実践的な中国語学習のサポートをいたします。2016年から語学の道に転身。大学院で第二言語習得、言語、哲学の研究を行いながら、中国語と日本語を教える。趣味は、中国各地の麺類を食べ歩くこと。テニス、ラグビーなどスポーツ全般。新HSK6級。復旦大学短期留学(2007年)。早稲田大学国際教養学部卒業。The Australian National University修士号、早稲田大学国際コミュニケーション研究科修士課程修了。
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