中国語のお金にまつわる比喩表現|「手头紧」「喝西北风」などネイティブ感のある言い方を解説

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中国語で「お金がない」「金欠」「節約する」「使いすぎる」はどう表現する?「手头紧」「喝西北风」「月光族」「吃土」など、お金にまつわる中国語の比喩表現を例文付きでわかりやすく解説します。

中国語のお金にまつわる比喩表現|「没钱」だけでは伝わらないリアルな言い方

中国語で「お金がない」と言いたいとき、まず思い浮かぶのは 没钱 かもしれません。

もちろん 没钱 でも意味は通じます。

しかし、実際の中国語では、単に「お金がない」と言うだけでなく、

「今月ちょっと厳しい」
「生活がカツカツ」
「給料日前で金欠」
「お金を使いすぎて後悔している」
「節約しながらなんとかやりくりしている」

といった状況を、さまざまな比喩表現で表します。

中国語の比喩表現を覚えると、単語の意味を知るだけでなく、中国語話者の感覚やユーモアも見えてきます。

今回は、お金にまつわる中国語の比喩表現を、意味・ニュアンス・使い方・例文つきで紹介します。

1. 手头紧|今ちょっと懐が厳しい

手头紧
shǒu tóu jǐn
手元がきつい、懐事情が厳しい

手头 は「手元」「手持ちのお金」、 は「きつい」「余裕がない」という意味です。

つまり 手头紧 は、直訳すると「手元がきつい」。
自然な日本語では「今ちょっと金欠」「懐が厳しい」「手持ちに余裕がない」という意味になります。

かなり日常的で使いやすい表現です。
「完全に貧乏」というより、「今月は出費が多くてちょっと厳しい」というニュアンスで使えます。

例文:

这个月手头有点紧,不能出去旅游了。
Zhège yuè shǒutóu yǒudiǎn jǐn, bùnéng chūqù lǚyóu le.
今月はちょっと懐が厳しいので、旅行には行けません。

最近手头紧,等下个月发工资再买吧。
Zuìjìn shǒutóu jǐn, děng xià ge yuè fā gōngzī zài mǎi ba.
最近金欠だから、来月給料が出てから買おう。

ポイント:

没钱 よりも少し柔らかく、大人っぽい言い方です。
直接的に「お金がない」と言うより、「今ちょっと余裕がない」と言いたいときに便利です。

2. 喝西北风|食べるものもないほどお金がない

喝西北风
hē xī běi fēng
北西の風を飲む、食べるものがないほど貧しい

日本語でも「霞を食って生きる」という表現がありますが、中国語では 喝西北风 という言い方があります。

直訳すると「北西の風を飲む」。
つまり、食べ物を買うお金もなく、風を飲んで生きるしかない、というかなり大げさな比喩です。

日本語の感覚では、

「このままだと飢え死にする」
「給料日まで何も食べられない」
「金欠で終わった」

くらいの冗談っぽい表現として使われることが多いです。

例文:

再不发工资,我就要喝西北风了。
Zài bù fā gōngzī, wǒ jiù yào hē xīběifēng le.
給料が出ないと、もう風を飲んで生きるしかないよ。

这个月花太多钱了,接下来只能喝西北风。
Zhège yuè huā tài duō qián le, jiēxiàlái zhǐ néng hē xīběifēng.
今月お金を使いすぎたから、これからは金欠生活だ。

補足:

日本人学習者の中には 吃西北风 と覚えている人もいますが、一般的には 喝西北风 の形でよく使われます。
「風」は食べるものではなく「飲む」ものとして表現するのが、中国語らしい面白さです。

3. 囊中羞涩|財布の中がさみしい

囊中羞涩
náng zhōng xiū sè
財布の中が寂しい、懐がさみしい

は昔の「袋」や「財布」のようなもの。
羞涩 は「恥ずかしがる」「ためらう」という意味です。

直訳すると「財布の中が恥ずかしがっている」。
つまり、財布の中にお金が少なくて、見せるのも恥ずかしいような状態を表します。

日本語では「懐がさみしい」「財布が軽い」に近い表現です。

例文:

我也想买,但是最近囊中羞涩。
Wǒ yě xiǎng mǎi, dànshì zuìjìn nángzhōng xiūsè.
私も買いたいけど、最近ちょっと懐がさみしいです。

学生时代经常囊中羞涩,只能吃便宜的饭。
Xuésheng shídài jīngcháng nángzhōng xiūsè, zhǐ néng chī piányi de fàn.
学生時代はよくお金がなくて、安いご飯ばかり食べていました。

ポイント:

手头紧 よりも少し書き言葉・文学的な雰囲気があります。
日常会話でも使えますが、文章や少しユーモアを入れたい場面に合います。

4. 捉襟见肘|あちこち足りず、やりくりが苦しい

捉襟见肘
zhuō jīn jiàn zhǒu
襟をつかむと肘が見える、やりくりが苦しい

これは非常に中国語らしい成語です。

を引っ張ったら、服がボロボロで が見えてしまう。
そこから、「何かを補おうとすると、別のところが足りなくなる」という意味になります。

お金だけでなく、時間・人手・資源などにも使えます。

日本語では、

「やりくりが苦しい」
「自転車操業」
「あちらを立てればこちらが立たない」
「余裕がまったくない」

に近い表現です。

例文:

公司最近资金紧张,经营上有点捉襟见肘。
Gōngsī zuìjìn zījīn jǐnzhāng, jīngyíng shàng yǒudiǎn zhuōjīn-jiànzhǒu.
会社は最近資金繰りが厳しく、経営面でかなり苦しい状態です。

房租、学费、生活费都要付,真的有点捉襟见肘。
Fángzū, xuéfèi, shēnghuófèi dōu yào fù, zhēn de yǒudiǎn zhuōjīn-jiànzhǒu.
家賃、学費、生活費を全部払わなければならず、本当にやりくりが苦しいです。

ポイント:

ビジネスやニュースでも使える便利な成語です。
単なる「お金がない」ではなく、「全体的に余裕がなく、どこも苦しい」という状況を表せます。

5. 入不敷出|収入より支出が多い

入不敷出
rù bù fū chū
収入が支出に追いつかない

は収入、 は支出。
は「足りる」「まかなう」という意味です。

つまり 入不敷出 は、「入ってくるお金では、出ていくお金をまかなえない」という意味になります。

日本語では「赤字」「収支が合わない」「支出が収入を上回る」に近い表現です。

例文:

如果长期入不敷出,就必须重新规划开支。
Rúguǒ chángqī rù bù fū chū, jiù bìxū chóngxīn guīhuà kāizhī.
長期的に支出が収入を上回るなら、支出を見直す必要があります。

刚创业的时候,公司经常入不敷出。
Gāng chuàngyè de shíhou, gōngsī jīngcháng rù bù fū chū.
起業したばかりの頃、会社はよく赤字状態でした。

ポイント:

個人の家計にも、会社経営にも使える表現です。
やや硬めの表現なので、会話だけでなく文章・ビジネス文脈にも向いています。

6. 月光族|給料を毎月使い切る人

月光族
yuè guāng zú
毎月の給料を使い切る人たち

月光族 は、中国語圏でよく使われる現代的な表現です。

ここでの 月光 は「月の光」ではなく、
每个月都花光、つまり「毎月全部使い切る」という意味から来ています。

給料が入っても、月末にはほとんど残らない。
そんな人を 月光族 と言います。

例文:

他工资不低,但每个月都是月光族。
Tā gōngzī bù dī, dàn měi ge yuè dōu shì yuèguāngzú.
彼は給料は低くないのに、毎月全部使い切ってしまいます。

我不想再当月光族了,准备开始记账。
Wǒ bù xiǎng zài dāng yuèguāngzú le, zhǔnbèi kāishǐ jìzhàng.
もう月光族をやめたいので、家計簿をつけ始めるつもりです。

ポイント:

若者の消費習慣やライフスタイルを話すときによく使われます。
日本語の「給料日前にいつも金欠の人」「毎月使い切りタイプ」に近いです。

7. 吃土|買い物しすぎて金欠になる

吃土
chī tǔ
土を食べる、買い物しすぎて金欠になる

吃土 はネットスラングとしてよく使われる表現です。

直訳すると「土を食べる」。
つまり、お金を使いすぎて、まともな食べ物も買えず、土を食べるしかない、という冗談です。

特に、セールやネットショッピングでお金を使いすぎたあとによく使われます。

例文:

双十一买太多东西了,下个月只能吃土。
Shuāng shíyī mǎi tài duō dōngxi le, xià ge yuè zhǐ néng chī tǔ.
独身の日セールで買いすぎたので、来月は金欠生活です。

我刚买了新手机,最近要吃土了。
Wǒ gāng mǎi le xīn shǒujī, zuìjìn yào chī tǔ le.
新しいスマホを買ったばかりなので、最近は節約生活です。

ポイント:

かなりカジュアルで、SNSや友人同士の会話に向いています。
ビジネスや目上の人にはあまり使わない方が無難です。

8. 剁手|買い物しすぎる自分を止めたい

剁手
duò shǒu
手を切り落とす、買い物しすぎを反省する

剁手 は、直訳すると「手を切り落とす」というかなり強い表現です。

もちろん本当に手を切るわけではありません。
「もう買い物しすぎる自分の手を止めたい」という冗談の表現です。

ネットショッピングや衝動買いの文脈でよく使われます。

例文:

我又买了三件衣服,真的该剁手了。
Wǒ yòu mǎi le sān jiàn yīfu, zhēn de gāi duòshǒu le.
また服を3着も買ってしまった。本当に買い物をやめないと。

每次打折我都忍不住剁手。
Měi cì dǎzhé wǒ dōu rěn bu zhù duòshǒu.
セールのたびに我慢できずに買ってしまいます。

関連表現:

剁手党
duò shǒu dǎng
買い物をやめられない人たち、ネットショッピング好きな人たち

9. 精打细算|細かく計算して節約する

精打细算
jīng dǎ xì suàn
細かく計算してお金を使う

は「細かく、丁寧に」、细算 は「細かく計算する」という意味です。

精打细算 は、無駄遣いをせず、きちんと計算して生活することを表します。

日本語では「やりくり上手」「計画的に節約する」「細かく計算して使う」に近いです。

例文:

她很会过日子,买东西总是精打细算。
Tā hěn huì guò rìzi, mǎi dōngxi zǒng shì jīngdǎ-xìsuàn.
彼女は生活上手で、買い物のときはいつもよく考えてお金を使います。

创业初期,每一分钱都要精打细算。
Chuàngyè chūqī, měi yì fēn qián dōu yào jīngdǎ-xìsuàn.
起業初期は、一円一円を慎重に使う必要があります。

ポイント:

ポジティブにもネガティブにも使えますが、基本的には「賢く節約する」という良いニュアンスで使えます。

10. 铁公鸡|一円も出したがらないケチな人

铁公鸡
tiě gōng jī
鉄のニワトリ、非常にケチな人

中国語で「ケチな人」を表す有名な比喩表現が 铁公鸡 です。

もともとは、

铁公鸡,一毛不拔
tiě gōng jī, yì máo bù bá
鉄のニワトリは毛が一本も抜けない

という表現から来ています。

普通のニワトリなら羽毛を抜けますが、鉄でできたニワトリなら一本も抜けません。
そこから、「一銭も出したがらない人」「極端にケチな人」という意味になります。

例文:

他是个铁公鸡,从来不请客。
Tā shì ge tiěgōngjī, cónglái bù qǐngkè.
彼はすごくケチで、絶対におごりません。

老板太铁公鸡了,连年终奖都不发。
Lǎobǎn tài tiěgōngjī le, lián niánzhōngjiǎng dōu bù fā.
社長はケチすぎて、年末ボーナスさえ出しません。

注意点:

人に直接言うとかなり失礼になることがあります。
冗談で使う場合も、相手との関係性に注意しましょう。

11. 烧钱|お金がどんどん消えていく

烧钱
shāo qián
お金を燃やす、お金が大量にかかる

烧钱 は、直訳すると「お金を燃やす」。
つまり、お金がどんどん消えていくほど費用がかかる、という意味です。

ビジネス、趣味、子育て、広告、ゲーム開発など、コストが大きいものによく使われます。

例文:

创业真的很烧钱。
Chuàngyè zhēn de hěn shāoqián.
起業は本当にお金がかかります。

这个项目太烧钱了,公司决定暂停。
Zhège xiàngmù tài shāoqián le, gōngsī juédìng zàntíng.
このプロジェクトはお金がかかりすぎるので、会社は一時停止を決めました。

ポイント:

「高い」だけではなく、「継続的に大量のお金が必要」「資金が溶けていく」というニュアンスがあります。

12. 砸钱|大金を投入する

砸钱
zá qián
お金を叩き込む、大金を投じる

は「叩きつける」「ぶつける」という意味です。
砸钱 は、ある目的のために大金を投入することを表します。

広告、教育、ビジネス、研究開発、推し活など、かなり幅広い場面で使えます。

例文:

很多公司都在AI领域砸钱。
Hěn duō gōngsī dōu zài AI lǐngyù záqián.
多くの会社がAI分野に大金を投じています。

为了孩子的教育,父母愿意砸钱。
Wèile háizi de jiàoyù, fùmǔ yuànyì záqián.
子どもの教育のためなら、親はお金を惜しまず投じます。

ポイント:

烧钱 は「お金がどんどんかかる」、
砸钱 は「意図的に大金を投入する」という違いがあります。

お金にまつわる中国語比喩表現まとめ

中国語 ピンイン 直訳 意味
手头紧 shǒu tóu jǐn 手元がきつい 懐が厳しい、金欠
喝西北风 hē xī běi fēng 北西の風を飲む 食べるお金もない
囊中羞涩 náng zhōng xiū sè 財布が恥ずかしがる 懐がさみしい
捉襟见肘 zhuō jīn jiàn zhǒu 襟をつかむと肘が見える やりくりが苦しい
入不敷出 rù bù fū chū 収入が支出をまかなえない 赤字、収支が合わない
月光族 yuè guāng zú 毎月使い切る人たち 給料を毎月使い切る人
吃土 chī tǔ 土を食べる 買い物しすぎて金欠
剁手 duò shǒu 手を切り落とす 買い物しすぎを反省する
精打细算 jīng dǎ xì suàn 細かく計算する 計画的に節約する
铁公鸡 tiě gōng jī 鉄のニワトリ とてもケチな人
烧钱 shāo qián お金を燃やす お金が大量にかかる
砸钱 zá qián お金を叩き込む 大金を投入する

「没钱」から一歩進むと、中国語の表現力が広がる

中国語で「お金がない」と言うだけなら、没钱 で十分です。

しかし、実際の会話では、

今ちょっと懐が厳しいなら 手头紧
食べるお金もないほど大げさに言うなら 喝西北风
買い物しすぎて金欠なら 吃土
給料を毎月使い切るタイプなら 月光族
お金がどんどん消えていくなら 烧钱

のように、状況に応じて表現を使い分けます。

比喩表現を覚えると、中国語は一気に「教科書の言葉」から「生きた言葉」になります。

単語をただ暗記するだけでなく、
「なぜその表現でそういう意味になるのか?」
「中国語話者はどんなイメージでその言葉を使っているのか?」
まで理解すると、記憶にも残りやすくなります。

お金にまつわる表現は、日常会話・ビジネス・SNS・ニュースなど、あらゆる場面で出てきます。

まずは、使いやすい 手头紧喝西北风吃土烧钱 あたりから覚えてみましょう。

練習問題

次の日本語を中国語で言ってみましょう。

  1. 今月はちょっと懐が厳しいです。
  2. 給料が出ないと、風を飲んで生きるしかありません。
  3. セールで買いすぎて、来月は金欠生活です。
  4. 起業は本当にお金がかかります。
  5. 彼はとてもケチで、絶対におごりません。

解答例:

  1. 这个月手头有点紧。
  2. 再不发工资,我就要喝西北风了。
  3. 打折的时候买太多了,下个月只能吃土。
  4. 创业真的很烧钱。
  5. 他是个铁公鸡,从来不请客。

まとめ

中国語のお金にまつわる比喩表現には、単なる「お金がある・ない」以上のニュアンスがあります。

手头紧 は、今ちょっと懐が厳しい。
喝西北风 は、食べるものもないほど金欠。
囊中羞涩 は、財布がさみしい。
月光族 は、毎月給料を使い切る人。
吃土 は、買い物しすぎて金欠。
烧钱 は、お金がどんどんかかる。
铁公鸡 は、一円も出したがらないケチな人。

こうした比喩表現を知ることで、中国語の会話や文章がぐっと立体的になります。

次に中国語で「お金がない」と言いたくなったら、ぜひ 没钱 だけでなく、状況に合った比喩表現を使ってみてください。

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tad

千葉県出身、東京育ち。貿易関係の会社で10数年ほど勤務後、5年の中華圏駐在経験を活かして独立。現在は、翻訳や通訳などを中心にフリーで活動中。趣味はゴルフ。好きな食べ物は麻辣香锅。東京外国語大学外国語学部中国語学科卒業。中国語検定準1級。HSK6級。

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