中国語は“孤立語”?屈折語、膠着語(こうちゃくご)との違い

中国語は難しい、とよく言われますが、
その1つの理由は中国語が「孤立語」であることにあると思います。
「孤立語」とは何か?説明します。
一般的に、言語学では 世界の言語を「孤立語」「屈折語」「膠着語(こうちゃくご)」という3種類に分けます。
「屈折語」の典型はラテン語や英語、
「膠着語」は日本語や朝鮮語、
そして「孤立語」の代表は中国語です。
「孤立語」とは、一つ一つの語が独立していて、ある「概念」を表すもので、それぞれの語の間の「関係」を示す語がないものです。
例で見ていきましょう。
日本語(膠着語):私は彼女を愛しています。
日本語では格助詞が使われます。主格を意味する「は」と目的格を指示する「を」が使われていて、これによって「私」と「彼女」と「愛する」の関係が一義的に決まります。
膠着語は「こうちゃくご」と読みます。
英語(屈折語):I love her.
英語では、“she”の目的格である“her”が使われていて、“I”との関係が明らかになっています。
中国語(孤立語):我爱她。
しかし、中国語では「他の語との関係を示す語」は一切ありません。これが「孤立語」の特徴です。
関係を決定付けるのは「語順」です。
つまり「孤立語」では語順が意味を解釈する上で決定的に重要になります。
日本語なら「彼女を私は愛している」のように「私」と「彼女」の語順を変えても意味は変わりません。しかし、中国語では“她爱我”としたら、主語と目的語が変わり「彼女は私を愛する」になってしまいます。
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このように中国語は孤立語であるため格助詞で単語間の関係を理解している日本語母語話者にとって、慣れるのが難しい言語です。
語順という手がかりだけなので、文脈依存度が高まり、また、同音異義語もあるのが中国語の難しいところの根本な気がします。

HARU
兵庫県出身。同志社大学卒業。卒業後、食品メーカーで商品開発や中国事業に携わる。多くのプロジェクトで通訳・翻訳として貢献。自身の躓いた語学経験を多くの学習者に還元したいという想いでPaoChaiで中国語学習コーチとなる。新HSK6級。通訳案内士。好きな言葉は「為せば成る為さねば成らぬ何事も」。趣味は自転車で街を探索すること。温泉めぐり。ランニング。
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