【中国語】思う(think)を表す【觉得・想・认为・以为】はどう違う?

語法・表現・フレーズ

みなさま、こんにちは!

「私は〜と思う」のような表現をしたいときに、とりあえず“觉得”を使っている、という人は多いのではないでしょうか?

しかし、

“觉得”に似ている動詞として、“想”、“认为”、“以为”などがあり、その使い分けを正確にできていない方も多く見られます。

本日は中国語のthinkの表現についてです。“觉得”、“想”、“认为”、“以为”の各用法と使い分けを説明いたします。

※各語の意味と例文はweblioを参照しております。(“觉得”、“”、“认为”、“以为”)

觉得 jué de:(感覚的に)〜と思う

①感じる,覚える,(…の)気がする

1つ目の意味は、外界の事物に触れて;…であると)感じる,覚える,(…の)気がする、という意味です。感到 gǎndào や感觉 gǎnjué に近い意味です。

用例

  1. 我一点儿也不觉得冷。=私は少しも寒いと思わない.
  2. 觉得累了吗?=君,疲れたか?
  3. 我倒不觉得怎么样。=(君の予想と違って)私は別にどうということはない.
  4. 觉得一切都变了,仿佛 fú 江水也在欢唱。=彼は,一切が変わり,河の水さえ楽しく歌っているかのように感じた.
  5. 你觉不觉得今天衙门有些异样?=今日役所が少し変だと思わないか?

→こちらの用法は、五感を通じて「感じる」という意味が中心です。なので、“想”に置き換えることはできません。「你想累了吗」はおかしいです。

②思う,気がする

2つ目の意味は、(心を働かせて;…ではないかと)思う,気がするという意味です。

用例

  1. 你觉得怎么样?=君はどう思うか?
  2. 我觉得不会下雨。=雨は降らないと思う.
  3. 他觉得妻子的话有一点道理。=彼は妻の言葉に少し道理があるように思った.

→こちらもじっくり思考した結果というよりも、自分の感覚からの感想のニュアンスが強いです。

觉得(jué de)のポイント

“觉得”のポイントは、自分の五感から得た感想、というのが中心的意味であり、「思う」と訳せますが「感じている」というニュアンスがあります。

想xiǎng:(考えて)〜と思う

①考える

1つ目は、(ある事柄を判断するために筋道を立てて)考える、という一番よく知られている用法です。

用例

  1. 你帮我个办法。=君,私を助けて何か手だてを考えてください.
  2. 想想孩子们的将来吧!=子供たちの将来を考えてみよう!
  3. 我连都没一下就同意了。=私は考えもしないですぐ賛成した.
  4. 想想这道题该怎么做。=この問題はどう解くべきか考えてみなさい.
  5. 好了该怎么说。=私はどう言うべきか考えがまとまった.
  6. 他喜欢把人往歪处。=彼は人を悪い方に考える性質だ.
  7. 问题=問題を考える.
  8. 主意=打つ手を考える.
  9. 出路=将来どうすべきかを考える.

→この用法は、肯定形も否定形もどちらも使います。この場合、「考える」という意味があるので、“觉得”に置き換えることはできません。「你帮我觉得个办法」はおかしいです。

②思い出す,思い起こす,考える

2つ目は、(忘れていたものを)思い出す,思い起こす,考える、という意味です。

用例

  1. 你再想想给他打电话了没有。=彼に電話をかけたかどうかもう一度考えてみなさい.
  2. 那件事,至今想起来还有点儿后怕呢。=あの事件は,今になって思い出してみてもまだひやっとします.
  3. 想往事=昔の事を思い起こす.
  4. 想过去=過去を振り返る.

③…したいと思う,…しようと考える,…するつもりである

3つ目は、…したいと思う,…しようと考える,…するつもりである,…したいという意味です。この用法は、一般的には助動詞として解説している教科書が多いです。

用例

  1. 还没结婚就想离婚呀?=結婚もしないうちからもう離婚を考えているの?
  2. 我今天不想去看电影。=私は今日映画を見に行きたくない.

④考える,推測する,想像する

4つ目は、(…であろうと)考える,推測する,想像する、という意味です。

用例

  1. 明天不会下雨。=私は明日雨が降らないと思う.
  2. 他会喜欢你的。=彼は君のことを気に入ると思うよ.
  3. 你爱他,他又说他爱你。=あなたは彼を愛していると思っているし,彼の方もあなたを愛していると言っている.
  4. 过她会亲自来?=あなたは彼女がみずからやって来ると考えたか?
  5. 到她也来了。=彼女もやって来るとは思わなかった.

→①と②のような判断を表す用法の場合、否定形として不想,没想は使えません。我不想明天不会下雨とはいえません。また、これらは感覚的な感想ではなく、考えた判断なので、“觉得”より“想”が適切です。

⑤懐かしく思う,…を懐かしがる,会いたがる.

5つ目は、(人・祖国・故郷・家などを忘れ難く)懐かしく思う,…を懐かしがる,会いたがる、という意味です。

用例

  1. 你想不想爸爸?=お父さんのことを懐かしく思いますか?
  2. 老母亲太想儿子了。=年とった母はひどく息子に会いたがる.
  3. 你可把我们想坏了。=私たちは本当にあなたのことが懐かしくてたまりません.

⑥心に留めておく,忘れないようにする

最後は、(‘想着’の形で用い)心に留めておく,忘れないようにするという意味です。

用例

  1. 你可想着这件事。=この件は絶対覚えておいてくださいね.
  2. 想着带雨伞,别忘了。〔+目(句)〕=忘れずに傘を持って行きなさい,忘れてはだめですよ.

想(xiǎng)のポイント

“想”には、上記のように主に「考える」系と「思う」系の意味があります。

「思う」系の場合は、⑤のように「懐かしく思う,…を懐かしがる,会いたがる」という日本語からは想像できないイメージがよくあるので要注意です。「想爸爸」(お父さんを懐かしく思う、会いたい)という使い方はよく見聞きします。

认为 rènwéi:〜と思う(複雑なことに対して自己主張)

…と思う,…と考える,…と認める.

主に、(人・事物に対し一定の判断をして)…と思う,…と考える,…と認める、という意味です。

用例

  1. 认为怎么样?=君はどう思いますか?
  2. 我倒 不这样认为。=私はそうとは思わない.
  3. 大家认为这个建议是可行的。=皆はこの意見は実行できると考えた.
  4. 我们认为应该采取第一个方案。=我々は第1の案を採用すべきと認める.
  5. 认为,生活中不能没有友谊。=生活の中には友情が不可欠であると,私は考える
  6. 体操表演被认为是最受欢迎的比赛项目。=体操競技は最も喜ばれる競技種目であると認められている.

→主に、若干複雑なことに対して、自分の主張を述べるときに使います。この意味の“认为”は、肯定文であれば“觉得”や“想”で置き換えが可能です。ただし、“觉得”や“想”は、“认为”にある「自分の意見を積極的に伝える」というようなニュアンスはないので、軽い話題に限られます。

以为 yǐwéi:〜と思いこんでた

①認める,考える,見なす

主に、(…が…であると)認める,考える,見なすという意味になります。

用例

  1. 要学好一种外语,我以为实践是重要的。=外国語をマスターするには,実践が重要だと私は考える.
  2. 原来是你,我还以为是老王。=君だったのか,私は王さんだと思っていたのに.
  3. 别自以为了不起,就骄傲起来。=自分で自分が大したものだと思い込んで天狗になってはいけない.
  4. 以为,人的资质固然有差别,但主要的还是靠勤奋。=人の資質には違いがあるが,大切なのはやはり勤勉によることだと,私は考える.

②…と思い込む

2つ目は、(後になって最初の判断が実際の状況に合わないことがわかった場合,‘以为’の前に副詞‘很’‘满’‘都’‘还’などを,後節には「だがしかし」という意味を示す接続詞を用い)…と思い込む、という意味です。

用例

  1. 大家都以为他睡着了,其实他没入睡。=皆は彼が眠り込んだとばかり思っていたら,実は眠っていなかった.
  2. 原来你没去,我还以为你去看电影了。=なんだ君は行ってなかったのか,私はそれなのに君が映画に行ったものと思っていた.
  3. 那件事我满以为只有你一个人知道。=あの事は私はてっきり君1人しか知らないものと思い込んでいた.

→“以为”は主に②の用法で使われます。「思い込んでいた」という形でよく使います。

番外編:“看”(口語的に軽く)〜と思う

以上、「思う」の意味のある動詞を見てきました。

最後に、同様に番外編として日常的によく使われる“”を紹介します。

「見る」という意味の“看”ですが、実は、見た点から言って…であると)思う,考えるという意味があります。

用例

  1. 你对这件事怎么?=君はこの事についてどう考えますか?
  2. 明天她来不了 。=私は明日彼女は来られないと思う.
  3. 这个消息,我,不可靠。=この情報は,どうやら当てにならないようだ.
  4. 买什么好?=ねえ,何を買ったらいいでしょうか?
  5. 怎么样?=君はどう思いますか?

→日常的に軽い話題について「思う」というときによく使う口語的な表現です。この用法では否定形の“”は使えません。

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以上、今回は「思う」の意味を持つ“觉得”、“想”、“认为”、“以为”の各用法を確認しました。

是非、状況に応じて最適な動詞を使ってみてください。

参考:weblio(“觉得”、“”、“认为”、“以为”)

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HARU

兵庫県出身。同志社大学卒業。卒業後、食品メーカーで商品開発や中国事業に携わる。多くのプロジェクトで通訳・翻訳として貢献。自身の躓いた語学経験を多くの学習者に還元したいという想いでPaoChaiで中国語学習コーチとなる。新HSK6級。通訳案内士。好きな言葉は「為せば成る為さねば成らぬ何事も」。趣味は自転車で街を探索すること。温泉めぐり。ランニング。

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