中国語の習得が“難しい”3つの理由
中国語の習得はよく難しいと言われますが、どこに難しさがあるのでしょうか?
今回は3つの理由を考えてみましたので共有したいと思います。
1. 声調の存在(発音の難しさ)
中国語には声調という音の高低差による意味の区別があります。標準中国語では主に4つの声調(高い平坦な声調、上昇する声調、下降してまた上昇する声調、急激に下降する声調)と、発音が軽く短くなる「軽声」が使われています。同じ音でも声調が違うだけで意味が全く異なることが多く、これが学習者にとって発音やリスニングの大きな壁となります。
例えば、以下の例が代表的です:
- 妈 (mā):母(第一声、高い平坦な音)
- 麻 (má):麻(第二声、上昇する音)
- 马 (mǎ):馬(第三声、下降して上昇)
- 骂 (mà):罵る(第四声、急激に下降)
声調を正確に発音しないと、相手に別の意味として伝わってしまうことがあります。また、リスニングにおいても、特に早口の会話では、声調が聞き分けにくくなるため、慣れるのに時間がかかります。
2. 漢字の読み書きの難しさ
中国語の書き言葉である漢字は、他の表音文字(アルファベットやハングルなど)と異なり、一つ一つの文字が意味を持つ「表意文字」です。基本的な語彙を理解するためだけでも、多数の漢字を覚える必要があります。
- 数の多さ:標準中国語の学習には、最低限2000〜3000の漢字の読み書きが必要と言われています。
- 筆順や形の記憶:漢字の正しい書き方(筆順)を覚える必要があり、これが記憶を複雑にします。また、漢字の形そのものが似ていることが多く、例えば「口(kǒu:口)」と「囗(wéi:囲む)」のように、視覚的に区別がつきにくいものもあります。
- 簡体字と繁体字:中国大陸と台湾では使用する文字が異なります。大陸では簡体字、台湾や香港では繁体字が使われており、学ぶ地域によって覚えるべき漢字が異なります。例えば「车(車)」や「马(馬)」など、簡体字はよりシンプルですが、繁体字はより伝統的な形を保っています。
加えて、発音だけをカタカナやピンインで覚えるだけでは不十分で、実際に漢字を読み書きできるようになるまでにはかなりの練習と時間が必要です。
3. 文脈依存の多義性
中国語では、同音異義語が非常に多く存在します。1つの発音に対して多数の異なる意味を持つ単語があり、その意味は文脈によって解釈されます。例えば「shi」という音だけでも、以下のように多くの異なる意味が存在します:
- 是 (shì):~である(肯定の意味)
- 时 (shí):時間
- 十 (shí):10
- 事 (shì):事柄
- 试 (shì):試す
これに加えて、文脈によっては動詞や名詞などの役割が変わることもあり、文章や会話全体の流れを理解して初めて、正しい意味が解釈できます。このため、単語単体の意味だけではなく、文章全体の流れや状況、時には慣用的な表現などに頼る必要があります。これが、中国語を理解するための大きなハードルとなる場合があります。
さらに、同じ漢字やフレーズが異なる地域で異なる意味を持つこともあります。例えば、「吃饭(chī fàn)」は直訳すると「ご飯を食べる」ですが、比喩的に「仕事をする」という意味にも使われることがあり、地域や文化によって意味が変わる表現も少なくありません。
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これらの要素が、中国語を初めて学ぶ際に感じる「難しさ」の主要な理由です。
特に声調と漢字の学習には時間と反復練習が必要ですが、一方で学習に進展が見られると、言語の理解が深まりやすい部分もあります。
3つの難しさを紹介しましたが、
結局、
一番むずかしいのは、継続して語彙表現を深く身につける、という勉強の継続ではないか?と思います。
PaoChaiでは、長期的な視点で学習者をサポートしていますので、是非無料カウンセリングでご相談ください。
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HARU
兵庫県出身。同志社大学卒業。卒業後、食品メーカーで商品開発や中国事業に携わる。多くのプロジェクトで通訳・翻訳として貢献。自身の躓いた語学経験を多くの学習者に還元したいという想いでPaoChaiで中国語学習コーチとなる。新HSK6級。通訳案内士。好きな言葉は「為せば成る為さねば成らぬ何事も」。趣味は自転車で街を探索すること。温泉めぐり。ランニング。
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