「語学力」といえば、一般的に「第二言語(外国語)の運用能力」だと考え、母国語である言語能力とは別の能力として考えがちです。
そして、「語学力」といえば「何かを聴いて理解するとか、言いたいことを表現できるなど」表面的な能力に焦点が向かいがち。
しかし、実際、母語も第二言語も根は同じ言語能力なので、第二言語の評価についても、もっと本質に目を向ける必要があると思います。
(外国語能力の評価の流れも、上述のような表面的なことからCANDO(できること)をベースにする傾向があります)
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では、母語も含めて考えると、言語力の本質は何でしょうか?
評論家の立花隆さんが著書『東大生はバカになったか』で学部時代に取り組むべきことは徹底して「調べて、書く」ことだと述べていました。
大学在学中に、なんか一つの分野で出版できるレベルで「調べて、書く」ことを目指すべきだと主張しています。(立花隆ゼミではそのような指導を行っていたようです)
結局、社会に出てからのほとんどの仕事は言語を使ってなされて、それは深い調査と、その情報と分析を基にしたアウトプットの連続なのだといいます。
私もこれに非常に共感します。
そして、立花隆さんはこれを母語についてしか述べていませんが、私は第二言語(外国語)学習においても同様のことが言えると考えています。
言葉を使うことは、基本的に目的ありきの行為です。外国語も言語行為の実践の中でしか身につきません。
私自身、語学力がとても伸びたと感じたのは、自分で「目的」を持って調べて書いた経験です。中国のゲームやアニメ市場の動向のニュースをたくさん読み、PPTにまとめ、社内やお客さんに紹介したり、自分の知識としてストックする過程で、実際の行為として沢山の中国語を使うことができました。
辞書だけではわからない用法やフレーズ、業界用語も出てきますが、それは周りの中国人に聞けばいいです。今の時代なら、オンライン中国語で毎日25分、月1万円程度(週末だけならもっと安い)で、遠慮なく質問をいくらでもできるネイティブとつながることができます。
調べたいことを、知るために本を読んだり、ネット検索したり、人にインタビューする。そして、それを必要な形式にアウトプットする。
これは母語だけでなく、第二言語においても核心的な能力です。
同じ言語なので、当然のことなのですが。
もし中国語を学習しているのでしたら、早い段階で、何か興味のあることを調べて、まとめて誰かに説明してみることをおすすめします。語学力の向上に繋がるだけでなく、モチベーションも湧いてくると思います。
冨江コーチ
東京都北区出身。中国ビジネス10年(日本のゲーム、アニメ等コンテンツの中国展開に従事)、中国在住5年(上海、南京)の経験を活かし、実践的な中国語学習のサポートをいたします。2016年から語学の道に転身。大学院で第二言語習得、言語、哲学の研究を行いながら、中国語と日本語を教える。趣味は、中国各地の麺類を食べ歩くこと。テニス、ラグビーなどスポーツ全般。新HSK6級。復旦大学短期留学(2007年)。早稲田大学国際教養学部卒業。The Australian National University修士号、早稲田大学国際コミュニケーション研究科修士課程修了。
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