【中国語】連語とは?7種のフレーズ、形態素や単語の概念を解説

語法・表現・フレーズ

中国語の根本は「字」です。

中国語の文はどのように成立するか?そのめに「字」に目を向けましょう!

「字」からどのように語やフレーズ、文が作られるか?

(1)字→(2)形態素→(3)語(単語)→(4)フレーズ→(5)文という流れで、文がどのように成立するかを理解しましょう。文はさらに、段落、文章になります。

(1)字

  • 【咖啡】は「形態素」(次項目を参照)であるが、【咖】や【啡】は字音だけで字義(意味)のない字で「形態素」ではありません。
  • 【咖】や【啡】は「字」です。【咖】や【啡】は「形態素」ではなく、単独では意味を持たない「字」に過ぎません。

字の例:【咖】、【啡】など

(2)形態素【语素[yǔ sù]】

  • これ以上分割しては意味のなくなる「意味を有する最小の単位」を「形態素」といいます。

形態素の例:【咖啡】【们】【葡萄】など

(3)語(単語)【词[]】

  • 語(単語)とは「①独立して運用できる、②意味を有する、③最小の単位」のことです。
  • 漢字で表記する中国語では一つ一つの「字」がそのまま語になるわけではなく、単語の認定が容易ではありません。
  • アルファベットを綴って書き記す言語では語(単語)は明確です。英語は、I am Japaneaseのように単語ごとに分けられます。

語の例:

  • 语(形態素) + 言(形態素) → 语言[言語](←語)
  • 【我们】の【们】は形態素ですが、語ではありません(独立して運用できない)。
  • 【咖啡】は形態素であり、語でもあります。

(4)フレーズ(連語)【词组[cí zǔ]】と7種類の組み合わせ

  • 「単語」と「単語」を一定の方式で組み合わせたものを「フレーズ」(または「句」「連語」)といいます。
  • 「単語」と「フレーズ」、或いは「フレーズ」と「フレーズ」を組み合わせても「フレーズ」になります。
  • 「単語」と「単語」が組み合わさり「フレーズ」になる構成方式は、7種類あります。下表を参照。

単語と単語からフレーズを構成する7種類

  1. 主述関係
  2. 動目関係
  3. 動補関係
  4. 修飾関係(連体)
  5. 修飾関係(連用)
  6. 並列関係
  7. 連動関係
f:id:language-runner:20211107153024p:plain

引用:『基礎から発展まで よくわかる中国語文法』P13

  • この「フレーズ」の7種類の構成方式は、単語(※)の構成方式と同じとなります。上表左側。※単語とは、具体的な意味を表す形態素からなる複合語

(5)文【句子[jù zi]】

「フレーズ」と「単語」はある条件で「文」となります。フレーズ(または単語)から文が成立するには次の3つの条件が必要となります。

  1. 前後に比較的大きなポーズ(休止)があり、一定の”语调”(yǔ diào)(イントネーション)をそなえている。書きことばでは、それらが句読点で示される。
  2. それ自身が独立し得る連語(フレーズ)でなければなりません。”吃了饭”(ご飯を食べ)や”吃完饭”(ご飯を食べ終え)などの連語は独立できないので、文といえません。
  3. たとえ1語でも、一定の伝達内容を有している。

輿水優『中国語わかる文法』P40を参照

7種類の文(連語・フレーズ)

文はどのようなものがあるのでしょうか?

単語と単語からフレーズを作る場合には、次の7種類があることを既に確認しました。

主述関係、動目関係、動補関係、修飾関係(連体)、修飾関係(連用)、並列関係、連動関係

この内、「主述関係」の「フレーズ」が「文」になると、「主述文」(パターン1)となり、その他の種類のフレーズが文になると「非主述文」(パターン2)となります。

主述文の例

①我来(私は来ます)

→我(主語) + 来(述語) 

②我喜欢看中国电影。(私は中国映画を見るのが好きだ)

→我(主語) + 喜欢(述語) + 看中国电影(目的語)

③小李的妹妹昨天买到了 新出版的书。

小李的 (定語)→妹妹(主語) ll 昨天(状語)→买(述語)←到(補語) 了。  新出版的(定語)→书(目的語)

(李さんの妹は機能新しく出た本を買った)

非主述文の例

  • ④谁?(誰?)
  • ⑤好(よし。)
  • ⑥小心!(気をつけて!)
  • ⑦加油!(頑張れ!)
  • ⑧地震!(地震だ)
  • ⑨下雪了。(雪だ)
  • ⑩是我。(私です)
  • ⑪什么事?(何の用ですか)

**

以上、文が成立する基本は、形態素や字です。「字」を基本単位と捉えると、中国語の発想が理解しやすくなります。

さらに詳しく、文成分や品詞などを理解するには下記の記事を参考にしてみてください。

関連記事:【中国語】文成分と品詞とは何か?学習にどう役立つかを解説

アイコン

HARU

兵庫県出身。同志社大学卒業。卒業後、食品メーカーで商品開発や中国事業に携わる。多くのプロジェクトで通訳・翻訳として貢献。自身の躓いた語学経験を多くの学習者に還元したいという想いでPaoChaiで中国語学習コーチとなる。新HSK6級。通訳案内士。好きな言葉は「為せば成る為さねば成らぬ何事も」。趣味は自転車で街を探索すること。温泉めぐり。ランニング。

HARUさんの他の記事を見る