頭に入ってこない中国語構文「与其~,不如~」を構造から一発で理解する完全ガイド

語法・表現・フレーズ

「意味は知っているのに、なぜ使えないのか?」

中国語をある程度勉強している人なら、

「与其~,不如~」という構文は一度は見たことがあるはずです。

「~するくらいなら、~したほうがいい」

意味だけ見れば、日本語とほぼ同じ。

それなのに──

  • 文を見てもピンとこない
  • 自分で文を作ろうとすると止まる
  • 会話ではまず出てこない
  • こんな感覚、ありませんか?

それはあなたの理解力が足りないからではありません。

原因は「意味」ではなく、「構造」を理解していないからです。

この記事では

与其~,不如~を“判断の構文”として構造的に理解し、

「もう迷わず使える」状態まで一気に持っていきます。

1. まず結論:与其~,不如~は「比較」ではない

多くの学習者がまずここでつまずきます。

❌ 与其A,不如B =「AよりB」

与其A,不如B =「Aを採用しない判断をしたうえで、Bを選ぶ」

つまりこれは

単なる比較表現ではありません。

👉 「選択・方針・判断」を表す構文です。

2. 語を分解すると、構造が見える

与其(yǔqí)とは何か?

与其 は直訳すると:

  • 与=~と
  • 其=それ

👉 「それと比べるなら」「それを選ぶくらいなら」

この時点で、すでに

「A案は微妙だな…」という前提が含まれています。

不如(bùrú)とは何か?

不如 は古典中国語由来で、

  • ~に及ばない
  • ~のほうがましだ

👉 明確な優劣評価の語

つまり 感想ではなく、判断です。

3. 構造を式にするとこうなる

 
与其 A(微妙な選択肢)
不如 B(より合理的な選択)

日本語に近づけるなら:

「Aという選択を取るくらいなら、

判断としてはBのほうが筋がいい」

ここが

「~より~」と決定的に違う点です。

4. 典型的な誤解パターン

❌ 単なる比較だと思っている

例:

与其这个贵,不如那个便宜。

意味は通じますが、不自然です。

なぜならこれは 事実比較 だから。

👉 価格比較なら 比~ を使います。

⭕ 正しい使いどころは「判断が入る場面」

  • どうするか迷った結果
  • 方針を切り替える
  • 妥協案を捨てる

こういう場面で使います。

5. ピンイン付き例文で一気に理解する

例文①|行動判断

与其一直等机会,不如自己创造机会。

Yǔqí yìzhí děng jīhuì, bùrú zìjǐ chuàngzào jīhuì.

(ずっとチャンスを待つくらいなら、自分で作ったほうがいい)

👉

  • 等机会=消極的
  • 创造机会=能動的

    価値判断が明確

例文②|生活の選択

与其每天熬夜,不如早点睡觉。

Yǔqí měitiān áoyè, bùrú zǎodiǎn shuìjiào.

(毎日夜更かしするくらいなら、早く寝たほうがいい)

👉 健康という基準での判断。

例文③|仕事・方針

与其做不喜欢的工作,不如少赚一点但开心。

Yǔqí zuò bù xǐhuān de gōngzuò, bùrú shǎo zhuàn yìdiǎn dàn kāixīn.

(好きでもない仕事をするくらいなら、少し収入が減っても楽しいほうがいい)

👉 人生の方針レベルの判断

例文④|交渉・提案

与其浪费时间讨论,不如直接试试看。

Yǔqí làngfèi shíjiān tǎolùn, bùrú zhíjiē shìshì kàn.

(時間を無駄に議論するくらいなら、直接試してみたほうがいい)

👉 会議・提案で超よく出る。

6. なぜ「入ってこない」のか?本当の理由

理由はシンプルです。

日本語学習では

👉 「意味」から入る癖がある

👉 「判断構文」という意識がない

その結果、

  • 比較文として理解しようとする
  • 感想っぽく読んでしまう
  • 話者の「選択」が見えない

だから脳が引っかかる。

7. 与其~,不如~を使うときの思考テンプレ

文を作る前に、これを自問してください。

  1. 今、選択肢は2つあるか?
  2. 片方は「微妙」だと思っているか?
  3. もう一方を「より合理的」と判断しているか?

👉 YES が3つ揃えば、与其~,不如~の出番です。

締め|与其~,不如~は「大人の中国語」

与其~,不如~は

単なる文法項目ではありません。

これは

「どう生きるか」「どう判断するか」を語る構文です。

だからこそ、

  • 入ってこない
  • でも一度わかると、めちゃくちゃ使える
  • 中国人の思考回路が見える

構文でもあります。

もし今日から中国語を読むとき、聞くときに

「あ、これは判断の構文だ」

と一段深く見られるようになったら──

それだけで、あなたの中国語は一段階上に進んでいます。

アイコン

tad

千葉県出身、東京育ち。貿易関係の会社で10数年ほど勤務後、5年の中華圏駐在経験を活かして独立。現在は、翻訳や通訳などを中心にフリーで活動中。趣味はゴルフ。好きな食べ物は麻辣香锅。東京外国語大学外国語学部中国語学科卒業。中国語検定準1級。HSK6級。

tadさんの他の記事を見る