中国語文法の「主題文」とは?3例文で説明

語法・表現・フレーズ

中国語の動詞述語文の文頭に置かれる単語は、常に動作主というわけではありません。

主題-コメント」という角度から語が並べられ、結果的には動作主ではない成分が文頭に置かれることもあります。

主題-コメント」という形式では、主題とコメントの意味関係は様々です。

例文1.晚饭 做好 了。
Wǎnfàn zuòhǎo le.
夕ご飯は作り終わりました。

学習者が一般的に慣れ親しんでいる動詞述語文は、「“我吃饭”(私はご飯を食べる)」のように主語、述語、目的語で、主語が動作主、述語の動詞がその動作、というような意味です。

この観点から言うと、例文1の場合、「夕ご飯」が主語で、「作り終わった」が述語だと不自然に思いますが、「主題-コメント」という構造で捉えれば、「夕ご飯について言えば、作り終わりました。」という意味構造で理解できます。(※1)

例文2.这种 衣服 穿 的 人 不多。
Zhè zhǒng yīfu chuān de rén bù duō.
こういうタイプの服を着る人は多くありません。

例文2は、「这种衣服」に対して、「穿的人」(主語)+「不多」(述語)という組み合わせが述語になっており、「主述述語文」と呼ばれます。

例文3.音乐 我 是 外行。
Yīnyuè wǒ shì wàiháng.
音楽はわたしは素人です。

例文3も例文2と同様の構造で、「音楽」と主題をおいて、それについていえば、「私は素人だ」とコメントしています。

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“我吃饭。”(わたしはご飯を食べます。)のような動詞述語文も、“我”という動作主が文全体の主題で提示され、“吃饭”が、「わたしがどうするか」というコメントと捉えることもできます。「動作主-動作」と「主題-コメント」という次元の異なる構造の捉え方と言えます。

この主題+コメントで捉える方法は、一般的な文成分(主語、述語、状語、定語、目的語、補語)と異なるレベルの分析であり、多くの文の構造をざっくり捉えるときに重宝します。

※1:「主題-コメント」と理解しなくても、主語と動詞は必ずしも動作主と動作の関係ではなく、動作の受け手が主語になることもある、というように説明することもできます。ただし、いずれにせよあらゆる文を1つの構造規則で説明するのは難しいです。