煎饼果子(jiānbǐng guǒzi)とは?中国の国民的朝ごはんと中国語も学べる完全ガイド

中華・中国料理・食

みなさん、煎饼果子(jiānbǐng guǒzi)を知っています?

以下の映像を見れば、分かる人はわかるでしょう。

実は、私この中国語コーチングスクールを立ち上げるときに、煎饼果子 jiānbǐng guǒziの屋台ビジネスをするのと迷っていたくらい、この食べ物が好きです。

手軽に食べられて、安いし、うまくて、栄養もあり、満腹感も得られる最高の食べ物です。

1. 煎饼果子とは

煎饼果子(煎饼果子 jiānbǐng guǒzi)は、中国北方で人気の屋台式朝ごはんです。

  • 煎饼(jiānbǐng)=クレープ状の生地
  • 果子(guǒzi)=ここでは揚げパン(油条 yóutiáo)や薄い揚げせんべい(薄脆 báo cuì)のこと

熱々の生地に卵やソース、パリパリ・ふわふわの具材を包み、手軽に持ち歩いて食べられるのが魅力です。

中国語表現

  • 煎饼果子(jiānbǐng guǒzi):天津発祥のクレープ状朝食
  • 屋台(摊位 tānwèi)
  • 香ばしい(香 xiāng)

2. 歴史と起源

煎饼果子は天津(Tiānjīn)が発祥とされ、清朝時代から庶民に親しまれてきました。

もともとは
緑豆粉(lǜdòu fěn)で作った生地に葱花(cōnghuā/刻んだネギ)と甘辛いソースを塗るだけでしたが、後に卵や薄脆が加わり、現在の形に進化しました。

3. 材料と作り方(中国語単語つき)

主要材料(zhǔyào cáiliào):

  • 緑豆粉(绿豆粉 lǜdòu fěn)または小麦粉(小麦粉 xiǎomài fěn)

  • 卵(鸡蛋 jīdàn)
  • 薄脆(薄脆 báo cuì)または油条(油条 yóutiáo)
  • ネギ(葱 cōng)
  • 甘味噌ソース(甜面酱 tiánmiàn jiàng)
  • 辛みソース(辣酱 làjiàng)

作り方(做法 zuòfǎ):

上記の動画を見れば一目瞭然ですね。1つ作るのに熟練してても大体40秒かかります。

  1. 鉄板(铁板 tiěbǎn)に生地を薄く広げる。
  2. 卵を割り入れ(打鸡蛋 dǎ jīdàn)、全体に伸ばす。
  3. ネギを散らし(撒葱 sǎ cōng)、ソースを塗る(抹酱 mǒ jiàng)。
  4. 薄脆や油条をのせ、生地で包んだら完成。

4. 緑豆粉(lǜdòu fěn)とは

緑豆粉は、緑豆(绿豆 lǜdòu)を原料にした粉。

緑豆を水に浸し、皮を取り除いて粉末状に加工したもので、淡い黄緑色と豆の香りが特徴です。

特徴(特点 tèdiǎn):

  • 高たんぱく・低脂肪
  • 体を冷やす「清涼作用(qīngliáng zuòyòng)」がある
  • 生地にすると柔らかく香ばしい

用途(用途 yòngtú):

  • 煎饼果子の生地
  • 涼粉(liángfěn/冷たいゼリー状料理)
  • 緑豆糕(lǜdòu gāo/緑豆のお菓子)

5. 間に挟む人気具材

薄脆(báo cuì)

薄く伸ばした小麦粉生地を油で揚げたパリパリのせんべい。

  • 薄(báo)=薄い
  • 脆(cuì)=パリッとした

会話例

  • 我要加薄脆。

    wǒ yào jiā báo cuì.

    薄脆を追加してください。

油条(yóutiáo)

中国の朝食定番の細長い揚げパン。

外はカリッ、中はふわふわ。豆乳(豆浆 dòujiāng)と一緒に食べることも多い。

会話例

  • 煎饼果子里放油条吗?

    jiānbǐng guǒzi lǐ fàng yóutiáo ma?

    煎饼果子に油条を入れますか?

香肠(xiāngcháng)

  • 加香肠。

    jiā xiāngcháng.

    ソーセージを追加してください。

香肠(xiāngcháng)=香りのある腸詰め=中国式ソーセージ。

6. 注文時に使えるフレーズ集

基本の注文

  • 我要一个煎饼果子。

    wǒ yào yí gè jiānbǐng guǒzi.

    煎饼果子ひとつください。

辛さ調整

  • 要辣。 yào là. 辛くしてください。
  • 不要辣。 bú yào là. 辛くしないでください。

具材追加

  • 加两个鸡蛋。 jiā liǎng gè jīdàn. 卵を2つ追加してください。
  • 薄脆多放一点。 báo cuì duō fàng yì diǎn. 薄脆を多めにしてください。

食べる場所

  • 在这儿吃。 zài zhèr chī. ここで食べます。
  • 打包。 dǎbāo. 持ち帰ります。

値段確認

  • 多少钱? duōshao qián? いくらですか?

7. 地域による違い

  • 天津:緑豆粉ベース、香ばしく軽い食感
  • 北京・山東:小麦粉ベース、甘めや辛めのソースが選べる
  • 南方:レタス、生ハム、ベーコンなど具材が豊富

8.  中国での煎饼果子の一般的な価格相場

以下は、私が最後に食べた2019年の中国における相場です。今ならおそらくもっと高いでしょう。

地域 基本(卵+薄脆) 追加具材あり(卵増量・ソーセージなど)
天津・北京の街角屋台 5〜8元(約110〜180円) 8〜12元(約180〜270円)
上海・広州など都市部 7〜10元(約150〜220円) 10〜15元(約220〜330円)
観光地・商業施設内 10〜15元(約220〜330円) 15〜20元(約330〜440円)

中国語で値段を聞く&答える表現

いくらですか?

多少钱?

duōshao qián?

1つ8元です。

一个八块钱。

yí gè bā kuài qián.

ソーセージ追加は+2元です。

加香肠多两块钱。

jiā xiāngcháng duō liǎng kuài qián.

9.日本における煎饼果子の相場

私は日本でも池袋、上野、新宿、西川口で合計10店舗は煎饼果子の店を訪れましたが、相場はプレーンで500円〜800円と高めでトッピング次第ではもっと高くなります。

中国だとおそらく今でも12元(約240円)くらいだせばおそらく食べられるので、やはり割高感は感じます。

また、何より、日本では中国本場の煎饼果子の味を味わったことがありません。まだガチはありません。(ここはガチ、という店があったら教えてほしいです)

まとめ

煎饼果子は、中国の朝を象徴するソウルフードであり、中国語学習にもぴったりな題材です。

現地で注文する時のやり取りを覚えておくと、旅の楽しみが一層広がります。

次に中国に行ったら、ぜひ本場で一口下去,幸福满满!(yì kǒu xiàqù, xìngfú mǎnmǎn/一口食べれば幸せいっぱい)を体験してみましょう。

また、本場の煎饼果子を日本で展開したいという人がいらっしゃれば是非相談できれば幸いです。

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冨江コーチ

東京都北区出身。中国ビジネス10年(日本のゲーム、アニメ等コンテンツの中国展開に従事)、中国在住5年(上海、南京)の経験を活かし、実践的な中国語学習のサポートをいたします。2016年から語学の道に転身。大学院で第二言語習得、言語、哲学の研究を行いながら、中国語と日本語を教える。趣味は、中国各地の麺類を食べ歩くこと。テニス、ラグビーなどスポーツ全般。新HSK6級。復旦大学短期留学(2007年)。早稲田大学国際教養学部卒業。The Australian National University修士号、早稲田大学国際コミュニケーション研究科修士課程修了。

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