【中検準1級】数百?千時間?合格まで【全学習歴・対策】とFAQ10選

HSK・中国語検定中国語実践者

こんにちは。AYAです。

今日は、「中国語学習者にとっての事実上のゴール」と言われる中国語検定準1級について、私の経験を基にその実態を明らかにしていきたいと思います。

皆さん、中国語学習するにあたって、最終的にはどのレベルを目指していますでしょうか?

もちろん、趣味で学んでいるだけで資格などは特に必要なく、ある程度現地の方とコミュニケーションが取れれば問題ないと言う方も多くいらっしゃると思いますが、学校で学ぶ上でもお仕事で使用するうえでも、ハイレベルな単語や表現を用いてやり取りをされたり、現地の書籍や文献を読んだりする方は必ず通過するレベルだと思います。

今日はそんな中国語検定準1級について、私が取得した際の体験談も踏まえて解説していきたいと思います。(今回は中国語検定準1級についてですが、学習開始からの全体の過程は下記関連記事を読んでみてください)

個人的な経験や考えなので、状況の異なる皆様にどこまで当てはまるかわかりませんが、良いところも悪いところも含めて参考にしていただければ幸いです。

関連記事:中国語学習歴27年を振り返る!大学専攻、留学、スクールなど試してわかった上達に必要な3つのこと

(1)中検準1級の概要

まず、中検準1級の概要を紹介します。(中検の公式サイトはこちら

中検準1級の概要

正式名称

中国語検定試験

試験概要

中国語検定試験は一般財団法人 日本中国語検定協会が運営する試験です。
1981年の第1回試験実施からすでに40年以上の伝統と実績があり、現在累計受験者数は120万人を超えています。

大きな特徴として、出題は主に日本語を母語とする中国語学習者を対象としているということです。
また、中国語検定は「読む」「聞く」「話す」「書く」能力の4技能だけではなく、「訳す」能力も問われます。

なので翻訳の練習もしたうえで試験に臨む必要があります。ここはかなり苦戦する人も多いのではないかと思いますし、実際私もここは集中的に学習時間を取りました。

認定基準

HPによると、「実務に即従事しうる能力の保証(全般的事項のマスター)社会生活に必要な中国語を基本的に習得し、通常の文章の中国語訳・日本語訳、簡単な通訳ができる。」となっています。

試験内容

日常生活及び社会生活全般における、新聞・雑誌・文学作品・実用文のほか、時事用語などを含むやや難度の高い中国語から出題されます。

回答時間は120分です。

出題内容

解答は、マークシートによる選択式及び一部記述式を取り入れています。また、すべての級で録音によるリスニングを課し、リスニングによる書き取りを課されます。

記述式の解答は、簡体字の使用を原則とし、繁体字との字体の混用は減点の対象となりますのでご注意ください。

中検準1級の出題形式

試験は一次と二次に分かれます。

中検準1級一次試験

  • 長文の聞き取りと内容理解
  • 長文中の指定文の書き取り(記述式)
  • 長文読解と長文中の語句に関する理解
  • 語句の用法,熟語・慣用句を含む語句の解釈
  • 長文中の指定語句の書き取り及び指定文の日本語訳(記述式)
  • 比較的長い日本語の中国語訳(記述式)
  • 与えられた語句を用いたテーマに沿った中国語作文(記述式)

公式サイトで過去10回分の過去問と解答が見れます。

中検準1級二次試験

日常会話、簡単な日本語・中国語の逐次通訳及び中国語スピーチ

合格基準

  • 一次 リスニング・筆記ともに75点以上
  • 二次 75点以上

受験資格

受験資格は特にありません。

試験日程

年3回、6月・11月・3月の第4日曜日に実施されます。
二次試験は例年翌月に実施される傾向です。
最新のスケジュールは公式サイトをご確認ください。

試験会場

全国各地の試験会場で実施されます。
※地域によっては準1級が開催されない回もありますので、お申し込みの際はよく公式サイトに掲載の情報を注意してご確認ください。

参考:中検公式サイト

(2)中検準1級 合格以前にしていた学習歴すべて

私は2008年11月の中国語検定準1級を取得しました。かなり昔の話なので確かではないですが、正答率8割ぐらいで合格でした。

初めにお伝えすると、私の中国語学習期間はかなり長いんです。その中でも、(ざっくりにはなりますが)国語検定準1級合格までに費やした時間は授業を受けた時間数だけでも約5,000時間、実際はそれに自己学習の時間もかなり費やしたので、少なくとも6,000時間は使ったのではないかと思います。

そんな私の合格までの中国語学習歴をざっくりお伝えします。

8歳~12歳

父の中国転勤が決まり、上海に引っ越し。
日本人学校の週2回の授業+週1回の中国語家庭教師の授業を受けたりやめたり。
※国語や算数などの授業は日本語で受けていました。

13歳~18歳

日本に帰国し、普通の日本の学校に通う。中国語はテレビのNHK中国語を毎週見ることと、父の昔使っていた教材を独学で学習。中国語検定は高校3年生の6月時点で3級を取得しました。

19歳~22歳

大学で中国語を専攻。3年生の時に上海に1年留学。この際、HSK旧高級の10級(現6級)、中国語検定準1級を取得。このころが一番中国語ができました。

私が考える準1級取得のための学習ポイントは、公式の過去問はもちろん何度も実施し、過去問以外もできる限り多くの時間中国語に触れることです。

中検準一級合格のためにやったこと

中国語検定準1級を受験する人口は300〜400人/回。(もっとも受験者数の多い3級は2,000人〜3,000人/回)。日本の試験であるにもかかわらず、受ける人が少ない=対策の問題集や参考書があまり出回っていません。

しかし、公式サイトにて過去問が公開されていたり、過去2~3回の問題が収録された過去問題集は入手できます。

まず一度過去問を全問解いてみて、自分の苦手な個所をあぶり出しましょう。公式サイトから無料で直近の問題をダウンロードできますし、書店で過去問題集を購入することもできます。

私はその当時過去問題を購入し、確か8回ぐらいは過去問題を解いたと思います。

父も昔準1級にチャレンジした時期があったので、自分の問題集だけで覚えてしまったので父も少し古い問題集も借りて何度も解きました。

何の受験勉強でもそうだと思いますが、問題の癖や傾向を感覚的にとらえるために同じ過去問を何度も解くことは有効です。

ただ、それだけでは何度もやっていると問題を覚えてしまいますし、飽きてしまいそうですよね。

私はHSK対策の勉強をしていた時期と学習時期がかぶっていたのもありますが、HSK6級のほうが圧倒的に過去問題や対策問題が多いので(それでも3級や4級と比べると少ないですが)、たくさん触れるという目的のもと、HSKの対策問題や過去問題も含めて何度も取り組みました

そういった理由では、HSKの過去問や対策問題も役に立つと思います。

ちなみに私は合格時はHSKも今の等級分けになる前の話ですが、高等レベルの10級(今でいうHSK6級240点レベル)でした。個人的な経験からですが、この程度のスコアがあれば中国語検定準1級を目指しても合格基準にはあるといえると思います。

4技能分けた中検準1級対策

私は4技能に分けてそれぞれ異なる学習していましたので、具体的にどのように学習していたのか4技能ごとに分けてご紹介します。

4技能に分けられないものもあるので、それは番外編で紹介します。

リスニング

どのレベルになっても、どれだけ多くの時間中国語の音に触れられるかがリスニングスキル向上のポイントだと思うので、とにかくたくさん中国語を耳にする時間をとりました。

少しでも耳が空いている時間ができたら中国語音声を聞き流し、移動中もニュースを聞くかドラマを見るようにしていました。

また、わからない単語が出てきたときはすぐ止めてメモし、後で意味を調べてからもう一度聞く/見るようにしていました。

私はリスニング100点中50点を占める書き取り問題がとても苦手だったので、大学で使用している教科書など、なんでもいいので音源とスクリプトの文章が手に入る教材を使って書き取り練習を行いました。
今だったら、ニュース記事など挑戦したい文章をを音声再生アプリで流して、答え合わせをすればインターネット上に素材は無限に転がっていますね!

準1級を目指す方のレベルは当然ご存じかとは思いますが、リスニングはとにかく耳が慣れることが大切なので、日本にいてなかなか中国語を受動的に耳にする機会が少ない方は自分で中国語を耳にしやすい環境を作りましょう。

リーディング

過去問以外にもたくさんの文章に触れました。

前述のようにHSKの過去問題や対策問題を読むこともしましたし、それ以外では中国語のニュースを読んでいました。

中国の主要ニュースサイト『人民网』の首页(トップページ)から毎朝起きたら1記事読むことを習慣にしていた時期もありました。

また、当時は中国に行くたびに書店で日本語で読んだことのある小説の中国語版を購入していたので、お風呂でそれを読んでいました。

今思うと、生活のリズムに決まった学習法を取り入れてうまく習慣化することができていたのが効果的だったと考えます。

ライティング

これは私が中国に留学に行ってから大学を卒業するまでずっと続けていた習慣なのですが、中国語で日記を書いていました。

はじめは時間がかかってしまいますし短くて書ける内容も稚拙なのですが、だんだん日本語と同じように書けるようになってくるので、とてもおすすめの方法です。

ただ、これだけだと文法的にあっているかわからないので、私はこの部分の対策(及びHSKの作文対策)で1か月だけマンツーマンの教室に通って先生に添削してもらっていました。

時間や費用の関係で毎月教室に通うことができない方も、スポット的に教室を利用するのはとてもおすすめです。

スピーキング

二次試験ではオンラインでの面接がありますので、発音、流暢さは見られます。

私は100文字程度の文章をすらすら止めるように毎日音読の練習をしていました。

その際、音読したものを録音して自分で聞き直し、上手に読めなかった部分を再度練習していました。
分析して改善することってなんでも大事ですよね。

それ以外にもカラオケで中国語の歌を歌うことも実は有効だと感じました。決まったリズムで音を負わなければいけないので自然と流暢さが身に付きますし、発音もよくなります。楽しいので一石二鳥です。

番外編

語彙力UP

スピーキングやリスニングなどと被るところはありますが、語彙力UPのための勉強についても書いておきます。語彙力UPは地味ですし、習得までにコツコツ努力の積み重ねが必要ですがかなり大切です。

準1級に限らず中国語検定は、聞こえた音声を書き取る問題(ディクテーション)が必ず出題されます。
一度わからない単語が出てきて手が止まってしまうと、そこから先が全く書けなくなってしまう方も多いと思いますが、それはもったいないですよね。

私も何度もこのような状態になり、後から文章を目で見てみたら知っている単語ばかりで実はもっと書けたのに、なんてことも・・・。

私はとにかくひたすら書き取りの練習を行い、わからなかった単語は10回ノートに殴り書きをしていました。皆さん中学生の時に英単語を覚えるときに似たようなことをしませんでしたか?

手で書く、という行為は記憶に残りやすく、特に筆記問題が出される中国語検定対策としては必須の学習方法だと考えます。本当に骨の折れる作業ですし、就職活動も始まる時期だったので夜中に半分寝ながらノートを書いていたことを思い出します。

単語や慣用句の意味を問う問題も出てきますので、とにかく語彙力は多ければ多いほど強身となります。

正しい漢字での筆記練習

皆さん、最近日本語ですらあまり文字を書かなくなってきていませんか?

私もまさにそうで、久しぶりに文字を書くと漢字が出てこないし、なんだか母国語なのに字が下手になったような気がします。

中国語検定は選択式の問題だけではなく記述式もあるので、漢字が書けないと得点できないので、面倒ですが書く練習もしておいたほうがいいです。

この対策として、先ほどの項目と重複しますがディクテーションがかなり有効でした。ただ文章を見て書き取りするだけでは面白くないですし、せっかくなのでリスニング対策にもなるので書き取りを何度も実施するとよいです。

また、自分で採点していると気づかない漢字の筆記ミスがあったりするので、私は一緒に受験する大学の友人と互いに答え合わせしていました。自分のミスは気づきにくいですが人の間違いは見つけやすいんですよね。

もし周りに一緒に学習している友人がいたら、同じ問題を解いて互いに答え合わせをするのもおすすめです。
今時手書きなんて、と思うかもしれませんが、この試験を受けるなら避けては通れません。これを機に正しく漢字が書ける自分になりましょう。慣れるとゲーム感覚で結構楽しいですよ。

翻訳練習

概要に出てきたとおり、中国語検定は翻訳が出題されます。

適切な単語を、適切な文法で表現し、いかに減点されるポイントのない文章を書けるかがポイントです。
ここは一人で勉強していても本当に正しいのかわからず行き詰まるので、私はHiNativeという相互学習プラットフォームサービスを使用して自分の書いた文章があっているかネイティブに添削してもらっていました。
添削してくれる人も先生ではないですがネイティブなので、自分でただ模範解答と比較するだけよりずっと効果的だったと感じます。

最近の世の中の動向をキャッチしておく

これはあくまで補足的なことですが、リスニングやリーディング問題で知っている話題が取り上げられるとなんの話なのか予測がしやすく頭に入ってきやすいです。

中国語検定は試験を作成している運営団体が日本の団体なので、記事に日本の最近のトレンドを題材にすることもあります。(例:現状最新の第110回準1級のリスニングでは、一つ目の題材としてフードロスに関する文章が出題されています。)

最近のニュースを日本語で見ておくのもいいですが、私はポッドキャストでNHK WORLD JAPANを毎日聞いていました。

日本の地名や出来事を中国語で何というのか知ることができるのでおすすめです。

(3)中検準1級の学習に関するFAQ

ここからは、よく中国語学習者に質問されることに答えたいと思います。引き続き、これは私個人の経験や考えに基づくものです。

FAQ① 合格したときの語学力は?

私は合格したときが人生で一番中国語ができたときでした。人生で一番中国語を集中的に勉強していた時期だったからです。受験したのは2008年上海への語学留学から帰国した直後、大学3年生の時で、HSKも当時の高級10級(現在の6級レベル)取得済みでした。

留学中は1日90分の授業を2~3コマ受講し、そのあとは夜までHSKの勉強をしたり、中国人の友人と会話練習をしたり、割と真面目に学習する留学生でした。

基本的な日常会話はできましたし、すべて中国語で行われる授業でも聞いてわかるし発言もできる、長めの自分の意見を伝えることもできる程度のレベルでした、(完ぺきではなかったと思いますが。)

学生だったということもあり、帰国後もに中国人の日本語学習者と友達になって話す時間を作ったり、中国で出会った友人と中国語でチャットをしたり、とにかくできる限りの工夫を凝らして中国語にたくさん触れるようにしていました。

振り返ると通常やりがちなインプット多めの勉強方法ではなく、アウトプットが多かったようにも感じます。

社会人になった今、正直あのレベルで中国語学習に情熱と時間を費やすことはかなり困難なので、あの時受けておいてよかったとつくづく思います。

FAQ② なぜ中検準1級を受けたのか?

私は就職活動に有利になるのではないか、と考えて中検準1級合格を目指しました。

FAQ③ 中検準1級に特化した対策をしたのか?

中検準1級に向けての学習は、漠然と中国語力を伸ばして対策していたのではなく、中検準1級に特化した学習を心がけて進めました。

HSKより単語が難しいように感じたため難易度の高い単語に触れられるよう前述のポッドキャストでNHK WORLD JAPANを聞くようにしたり、HSKにはない日中翻訳問題もあったため、翻訳の練習も直近1か月は毎日5題ほど行いました。考え事や独り言を中国語で言うようにもしました。はたから見たら不気味だったと思いますが、合格のためです。

FAQ④ 中検準1級対策は実践にどのようなプラス効果があったか?

難易度の高い語彙力の向上

ひとつ前の項目でお伝えしたとおり、語彙がHSKに比べて難しいので、対策していくことで経済ニュースなどで使用するようなレベルの高い語彙力が上がり、以前なら読むことをためらっていた難しい文章も臆せず読み進めることができるようになりました。

例えば、私は卒業論文のために中国の書店で参考になりそうな書籍を複数冊購入して来ましたが、全く読む気にならず放置していました。

しかし、中国語検定の対策をしていたことで難しい単語があっても読み進められるようになり、結果的に卒論の内容が深くなった、速く情報を調べて整理できるようになったと考えています。

正しい文法で文章を瞬時に構成できる能力の向上

翻訳をする練習をしたので、瞬間的に正しい文法の文章を作ることができるようになりました。
それまでも中国人の友人と話したりしており、それなりのスピード感でアウトプットはしていましたが、会話だとある程度短い文章で成立してしまうのと、文法が若干おかしくても通じてしまっていたと思います。
そこが中国語検定対策をしたことで、きちんと構造的に文章を作ることが習慣化されたため、正しい文法で瞬時に文章を構成することができるようになりました。

FAQ⑤ 中検準1級合格して一番よかったことは?中国語力に対しての良い影響

前項目と重複しますが、翻訳スキルの向上です。

これこそ中国語検定対策を行なった功績だと思いますし、正しい文章を構成するスキル、スピードともに向上しました。

FAQ⑥ 中検準1級の学習をして、悪かったことは?

これはあまり思いつきませんが、あえて言うならば合格基準が100点満点中75点とハードルが高いので、相当の時間と労力を対策にかける必要があると言うことです。

私は受験1ヶ月前は毎日8時間勉強するなど、かなり対策に時間をかけました。正直これは当時大学生だったためできたことだと思います。

働きながら、かつお仕事が忙しい方は勉強とそれ以外の両立がかなりハードになることを覚悟して臨んでいただければと思います。

(結果的に中国語力が上がるので悪いとは言い切れません。)

FAQ⑦ HSK6級と比べて何が違うと思うか?

全体的な難易度

個人的には、中検準1級の方が難しいと感じました。

合格基準も中検準1級の方が高いですし、2次試験もあるためです。

あくまで感覚的な話ですが、中国語検定準1級はHSK6級で240点程度とれて初めて合格できるレベルではないかと感じます。

※そもそも6級に合格/不合格の概念はなく、「6割(基準点:180点)以上のスコアで6級の能力を有していると判定できます。」と表現されています。

詳細は下記記事をご覧ください。

HSK6級は180点以上で「合格」?でもちゃんと使うには240点以上は必要

書き取りの有無

書き取り=ディクテーションはHSKにはない出題形式です。
特に最近はタイピングに慣れてしまい手書きをしない方も多いと思いますが、中検受験においては書けないと話になりません。
最近日本語でもあまり文字を書かなくなってきた私としては、実はここが一番難関な気がします。

翻訳の有無

中国語検定協会は下記のように述べています。

外国語学習では「読む」「聞く」「話す」「書く」能力,いわゆる4技能の習得が求められますが,外国語を運用するためには,実は4技能だけでは足りません。母語と外国語との関係を処理する能力,すなわち「訳す」能力を必要とします。

 「訳す」能力は,外国語の学習には欠かせません。なぜなら母語の経験がもとになるためです。例えば,当然のことですが,母語で話す場合,相手のことを考え,ことばを選んでコミュニケーションを図ります。外国語ではどうでしょうか。何を伝えたいのか,自分の気持ちをぴったりと表現することばはどれか,まず母語との対応関係を考えるはずです。これが「訳す」能力です。「読む」「聞く」「話す」「書く」能力は,いずれも「訳す」能力を介して成り立っているのです。

 中検は,学習者の中国語能力をより正確にはかるため,中国語だけでなく,この「訳す」能力も重視します。

それだけ力を入れて翻訳問題も出題されます。

FAQ⑧ どういう人に中検準1級の受験をおすすめするか?

  1. HSK6級は取ってしまって、自分の中国語能力をもっと別の視点で表したい人・力試しをしたい人
  2. 日系企業に就職する人や日本の中で中国語能力をアピールしたい人

上記に当てはまる方には中検準1級をお勧めいたします。

逆に中国の大学に進学する、中国の企業に就職する場合は中検準1級はあまり意味をなさないと考えられます。
(その場合はHSK6級で240点以上を狙う方がお勧めです。)

FAQ⑨  中検準1級を合格したい人へのおすすめ学習法

本記事で説明した方法はすべて効果があったと自負しておりますが、あえて優先順位をつけるとすれば、

  1. 単語
  2. 日記
  3. リスニング書き取り練習

上記3つは必ず実施ください。

前述の通り中国語検定は難しい語彙の意味を問われるので、言葉の意味さえ知っている、もしくは部分的にでも推測できれば正解できます。

一般的に語彙力を高めるにはコツコツと努力が必要で時間がかかるので、始めるのは上から順に早めに取り掛かりましょう。

日記もスラスラ書けるようになるのにある程度時間がかかります。

リスニングの書き取りは最悪試験1ヶ月前ごろからでもいいでしょう。

ただし、毎日練習することをお勧めします。

FAQ⑩ 中検1級を目指したいと思うか?

これは、正直全く思いません。

あまりに難易度が高すぎるのと、準1級まで持っていれば相当高い中国語能力を有していることがアピールできますので、労力と効果を考えてチャレンジしようと思いません。

よほど資格が好きであれば挑戦しても良いかと思います。

 

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以上、いかがでしたしょうか?

中国語検定準1級のイメージはつきましたでしょうか。

だいぶ長くなりましたが、中国語検定準1級に対する私の経験を様々な角度から紹介させていただきました。

繰り返しになりますが、今回紹介した学習法やFAQに対する回答は、私の個人的な経験や考えなので、状況の異なる皆様にどこまで当てはまるかわかりません。ご自身のご共用に踏まえて良いところも悪いところも含めて参考にしていただければ幸いです。

ぜひまずは公式サイトの過去問題を一度解いてみて、挑戦するかご検討ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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AYA

愛知県名古屋市出身。父親の駐在で90年代に中国に4年滞在するも、ほとんど話せるようにはならず帰国。中1で帰国後は独学で中国語学習を続ける。大学では中国語を専攻し、2008年に上海外国語大学へ1年留学。卒業後は日本で会社員をしながら学習を継続中。旧HSK10級。HSK6級。中国語検定準1級。

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