【中国語】単語帳は使うな!?戦略的なボキャビル方法3つのポイント

勉強法・学習メソッド

中国語で会話できるようになること(つまり相手と話したり聴いたりできるようになること)は、ほとんどの中国語学習者の学習目的といえるでしょう。

では、どのようにすれば中国語で会話できる能力が身につくでしょうか?

シンプルな回答は、「中国語で話したり聴いたりできる単語数を増やす」というものです。

では、初心者の方がいきなり単語帳を使って中国語の単語を覚えていけばいいのでしょうか?

これは間違っています。

初心者の方がいきなり中国語の単語帳を使うのはおすすめしません!

単語リストのような単語帳を使った学習は、最低でもHSK5級に合格した後に始めましょう、というのが我々の考え方です。

中国語独学完全マップ(※)」での学習において、一般的な単語帳を使った単語力(語彙力)を増やす単語学習(トレーニング)は行いません。ここでは「中国語独学完全マップ」においてどのように単語力を高めるのかを説明します。 

※PaoChaiの中国語学習の戦略をまとめた学習コンテンツ

1.長文を音読していれば自然に基礎単語は身につく

「中国語独学完全マップ」に沿って中国語を勉強していれば、次の過程で基礎的な単語は自然に覚えてしまいます。

  • Lv.02〜05の文の発音と基礎文法の「瞬間中作文」
  • Lv.06以後の「音読ジョグ」と「瞬間中作文」

「中国語独学完全マップ」では基本的に、Lv.06からの「音読ジョグ」と「瞬間中作文」トレーニングの中で単語を身につけていきます。

「中国語独学完全マップ」では、これを音読ベースで中国語の文章の養分を身体に吸収していきます。文脈のある長めの文章を暗誦できるくらいまで読むと、必ずそれらは“使える”ように内在化されます。

2.基礎がないと単語集を使っても身につかない→HSK5級レベルが必要

外国語学習において、単語集(単語リストと各単語の例文)を見たり(発音したり)して身につくほどあまいものではありません。

単語を単語集によりどんどん定着させていけるのは、構文・文法・基礎単語(語彙)が身について(内在化)コア能力が十分に高まった状態になってからです。「中国語独学完全マップ」では、その目安としてLv.13〜14(累計学習時間400〜600時間)に到達するくらいを想定しています。それまでは単語集の学習をすすめていません。

これは大体HSK5級に余裕を持って合格する程度、中国語検定ですと2級です(詳しくは以下)。

CEFR: B1

  • HSK4級 260-299点
  • HSK5級 220-259点
  • HSK6級 180-219点
  • 中国語検定3級〜2級

 これくらいの基礎が固まってから、単語集を使った学習に効果が出るでしょう。

「中国語独学完全マップ」後は、単語集をやらずに自分の好きな領域で実践すればいい

「中国語独学完全マップ」をLv.20まで学んだら、約5,000語の語彙を獲得したことになります。以下の記事によれば、中国語は5,000語程度で一般のコミュニケーションの8割は分かるようです。

▶︎会話に必要な単語数

コミュニケーションに必要な語彙の数ってどのくらいか知っていますか?

主要な言語を80%理解するのに必要な語彙数はこんな風に言われています。

スペイン語・イタリア語・ポルトガル語:1500~1800語

フランス語・タイ語:2000語

英語:3000語

ドイツ語/ロシア語/韓国語/中国語:5000語

日本語:10000語

参考元サイト

 そこまでくれば、あとは中国語を自分の好きな分野で使う中で都度都度学んでいけばよいと思います。あえて、文脈の乏しい単語集で学ぶのは非効率的です。

3.中国語の単語ノートを作る3つのコツ

単語集を使う単語学習は不要ですが、学習の初期から単語ノートを作ることはおすすめします。音読や「瞬間中作文」をしますが、書いて、さらにたまに見直すことで記憶の定着を確実にします。

「中国語独学完全マップ」で学習する際もLv.02の最初から、初めて出てきた単語は全てノートに書きます。※Lv.01は発音に集中

①単語情報はシンプルに3点

その際にノートに書く単語情報は以下の3点でよいでしょう。

  1. 漢字
  2. ピンイン
  3. 意味

例文などその他の情報は書くのが大変なので不要です。

余裕があれば「品詞」についても書きましょう。そこまで厳密にせず動詞、形容詞、副詞、補語、量詞、前置詞など初級段階で出てくる分類でざっくり記入しておけば問題ありません。

文法の厳密性は記憶の助けになる範囲で利用しましょう。ほとんど実用において分類は使いません。(中国語では、日本語とは異なり「状語」「定語」「虚詞」などの概念が出てきますが気にしなくてよいです)

また、「意味」については出会った文脈で出てきた1つの意味を書いておけばOKです。

②紙のノートがオススメ

単語ノートを作る場合、基本的に選択肢は、電子データ(エクセルやメモ帳)か紙のノートです。

PaoChai編集部は、メリットが多いので紙のノートをオススメします。

  1. ペンとノートがあればいつでもどこでもメモできる
  2. レイアウトが自由
  3. 声調記号を書くのが楽(PCやスマホに比べて)
  4. 書く過程が記憶定着に繋がる
  5. 見直すときに、扱いやすい(PCやスマホ画面で見るよりも)

持ち運ばなければいけないというデメリットがありますが、書くときもおさらいするときも家でやれば問題ないでしょう。

③週1でおさらい

まとめたノートを週に1回ほどおさらいしましょう。その際は以下2つの復習をしましょう。

(1)1単語を二回ずつピンインを丁寧に(声調20パターンと音節表の観点で)読みましょう。

(2)上から順に日本語だけを見て、中国語を言う練習をします。

上記に30分程取り組みましょう。

中国語の単語帳を使った勉強はHSK5級まで不要

以上、「中国語独学完全マップ」における単語学習について説明しました。

結論として、中国語学習の初期段階において単語集を使った一般的な単語学習は不要です。理由は、そのような単語リスト式の単語学習は一定のコア能力がないと頭に入ってこないからでした。HSK5級レベルになってからは単語帳で効率的なボキャビルをしていくのも良いでしょう。以下関連記事を参照ください。

しかし、「中国語独学完全マップ」での学習中でも基礎単語を確実にものにするために「単語ノート」は作りましょう。

そのコツは、

  1. 単語情報はシンプルに3つ
  2. 紙のノートがオススメ
  3. 週1でおさらい

でした。

以上です。加油〜!

関連記事:おすすめ中国語単語集6選|効率的に単語量を増やす方法を徹底解説!

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HARU

兵庫県出身。同志社大学卒業。卒業後、食品メーカーで商品開発や中国事業に携わる。多くのプロジェクトで通訳・翻訳として貢献。自身の躓いた語学経験を多くの学習者に還元したいという想いでPaoChaiで中国語学習コーチとなる。新HSK6級。通訳案内士。好きな言葉は「為せば成る為さねば成らぬ何事も」。趣味は自転車で街を探索すること。温泉めぐり。ランニング。

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