【中国語】zhu-ju、chu-qu、shu-xuの区別を解説!「じゅ、ちゅ、しゅ」ではダメ!

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zhu-ju、chu-qu、shu-xuの区別、難しいですよね。

どちも日本語でいうと「じゅ、ちゅ、しゅ」のように聞こえてしまいますが、zhuとju、chuとqu、shuとxuは母音も子音も全く異なる音です。

本日は日本人が苦手なこのzhu-ju、chu-qu、shu-xuの発音のコツをお伝えします。

zhu-ju、chu-qu、shu-xuを感覚的に聴いてみよう

まずは、下記の音付きの音節表でzhu-ju、chu-qu、shu-xuをそれぞれ聴いてみてください。違いは感覚的にわかりますか?

音付き音節表

また、下記の動画でもそれぞれの音を口の形を見ながら確認してみてください。

zhu-ju、chu-qu、shu-xuは母音も子音も違う!

感覚的に違いを理解できましたか?

zhuは「う」っぽさが強い、juは少し「い」っぽさがある、など掴めれば素晴らしいです。

以下、より論理的、概念的に違いを説明します。

音節表を見てみてください。

zhu-ju、chu-qu、shu-xuを探してみると、以下の通り、母音も子音も異なります。zhuのuは「u」の母音ですが、juのuは「ü」ですので、ここが一番重要なところです。子音は、zh-j, ch-q, sh-xと違うのは一目瞭然ですね。

母音の違い(uとü)

まずは母音の違いを深く説明します。

zhu-ju、chu-qu、shu-xuは、前者がu、後者はüの母音となります。

日本語の「発声の軸」を基本に、「口の形」「ワンポイント」で調整して中国語の音にしていきます。a, o, e, i, u, ü全て解説します。

口の形

特に「口(唇)の形」が丸口か平口かを意識するとメリハリある発音ができます。丸口は唇が丸く、平口は唇が平べったい口の形です。丸口でもoとuは頬が狭まり口を突き出すような形を作ることが重要です。

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※口の形を変えない!単母音(基本も特殊も)全てに共通することとして、発音中に口の形は変えません(口の動きがない)。

(一方で、複母音、鼻母音は発音中に口を動かす必要があります)。

ID 母音カテゴリ 発音↓ 発声の軸 口の形 ワンポイント
H01 単_1 a 右記の口の形で、 はっきりと日本語の「あ」(声帯を振動させる) 【丸口】 広く、大きく開く 縦にも横にも広く口を開けるイメージ
H02 単_2 o 右記の口の形で、 のどの奥から日本語の「お」(声帯を振動させる) 【丸口】 「お〜」と感心するように唇を突き出す  ー
H16 単_4 i 右記の口の形で、 日本語の「い」(声帯を振動させる) 【平口】 日本語の「い」よりしっかりと左右に引く  ー
H26 単_5 u 右記の口の形で、 はっきりと日本語の「う」(声帯を振動させる) 【丸口】 ・唇をすぼめて前に突き出す(唇を突き出すが、ラッパのように唇を外に開かず、唇の内側に力を入れてすぼめるようなイメージ。) ※下部の特記事項をご確認ください。
H03 単_3 e 右記の口の形で、 ・のどの奥に力を入れて日本語の「お」
・聞き手には「う」や「お」と聞こえるようなあいまいな音になる
【平口】 ・日本語の「え」の口の形でリラックスした感じ、或いは、微笑むときのような口の形のイメージ ・上下の歯を噛み合わせず、少し隙間をとる 背中から誰かに刺されたようなイメージで喉の奥から「ぅあ」
H35 単_6 ü(yu) 右記の口の形で、 日本語の「い」 【丸口】 日本語の「ゆ」の口の形(口笛を吹くような唇の形)で唇を内側にすぼめた形(すぼめて両唇が少し触れ合う程度) ローマ字yuの見た目につられて、決して「ゆ」と発音しないよう注意。

※このH26「u(wu)」の発音は、唇をすぼめて(丸めて)突き出して発音しさえすれば良いとされることが多い(しかも、それでネイティブに通じる)ですが、より自然な発音を目指すのではあれば、もう一点注意が必要です。

「u(wu)」は、唇をすぼめて突き出すよりも、口の中の空間を広くすることが重要です。口の中を広くするために、舌を下奥に引き、奥歯をかまない。日本語の「お」を発音するときのイメージ。日本語の「う」は舌を引かず、奥歯は軽くかんでいるので、日本語の「う」のイメージだと、いくら唇を突き出しても口の中の空間が狭くては、「u(wu)」にはならず、日本語の「う」になりがち。これでも通じますが、中国語らしくないので注意。

引用元:中国語独学完全マップb004

子音の違い(そり舌音と舌面音)

次に子音の違いです。

zhu-ju、chu-qu、shu-xuは、前者がそり舌音、後者は舌面音の母音となります。

そり舌音(そりじたおん)zh,ch,sh

舌先(17)を(そらして)「上あごの前部、、歯茎の奥の方(5)」に支えるように当てて息をせき止め、

  • そっと破擦して出す→zh
  • 激しく破擦→ch

舌先(17)を(そらして)「上あごの前部、、歯茎の奥の方(5)」に(※当てずに)近づけて、

  • その隙間から息を摩擦して出す→sh
  • 声帯を振動させる(口の奥の方で音を出すイメージ)→r

※そり舌音は、舌を口の中で宙に浮かせ、舌先だけを「上あごの前部」辺りに当てる(zh,ch)或いは摩擦させる(sh,r)ことが重要です。これは「巻舌音」とか「捲舌(けんぜつ)音」などとも呼ばれますが、舌をそらしたり巻いたりする意識よりも、重要なことは、舌が下あごから離れている、つまり舌が宙に浮いている状態で、あり舌先だけが上についているか接していることが大切です。

※r-は、破裂もなく、摩擦もsh‐ のようにはっきりしないため、捉えにくい子音ですが、zhi、chi、shiのどれでもそのまま発音を引き延ばせば、結局riの発音になるので、改めてその音をリピートすればうまくできます。「舌尖音」liのように舌先を上歯茎につけてはいけません。

舌面音(ぜつめんおん)j,q,x

「舌面の前部(15〜16)」を「上あごの前部(5〜6)」に付け(舌先は「下の歯」の裏)、息をせき止め、

  • そっと破擦させて出す→j
  • 激しく破擦させて出す→q

※qは常識的なローマ字の読み方と異なるので注意してください。どんな母音と組み合わさっても「キ」ではなく「チ」の音で始まります。

「舌面の前部(15〜16)」を「上あごの前部(5〜6)」に近づけて、

その隙間から摩擦させて息を出す→x

引用元:中国語独学完全マップb010

zhu-ju、chu-qu、shu-xu:前者は「う」を強く、後者は「い」っぽさを

以上、

どちも日本語でいうと「じゅ、ちゅ、しゅ」のように聞こえるzhuとju、chuとqu、shuとxuの違いを母音と子音の観点で解説しました。

概念的に母音と子音の違いを離開できたかと思います。

少し詳しく説明しすぎましたので、迷ったら以下を意識してみてください。

zhu, chu, shuは強く「う(お)」を出す、口の奥から強い音を出す!

ju, qu, xuはüの母音なので「い」っぽさがあり口先の表面的な音!

みなさんも、特に母音の違いに注意して発音を区別してみてください!

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HARU

兵庫県出身。同志社大学卒業。卒業後、食品メーカーで商品開発や中国事業に携わる。多くのプロジェクトで通訳・翻訳として貢献。自身の躓いた語学経験を多くの学習者に還元したいという想いでPaoChaiで中国語学習コーチとなる。新HSK6級。通訳案内士。好きな言葉は「為せば成る為さねば成らぬ何事も」。趣味は自転車で街を探索すること。温泉めぐり。ランニング。

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