【中国語】離合詞とは?学習者が知るべき3点

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今回は中国語の学習者を悩ませる離合詞について、学習者はどう対処すべきか?押さえておくべき3点をお伝えします。

1.離合詞の見分け方

まず、離合動詞であるかどうかはもともとの単語の性質として決まっています。

どうやったらそれが離合詞とわかるか?

一番手っ取り早いのは辞書で調べることです。

辞書で見るときは、「結//婚」のように//がついているのが離合詞の目印です。

また、以下で説明するように動詞+目的語の構造になっていることを意味的に見抜ければ離合詞と推測できます。

2.学習者が【離合詞】で気をつけるべき3点

①目的語を取れないので介詞フレーズを使う

離合詞のポイントは「それ以上目的語を取れない」ということです。つまり、後ろに目的語になるような語を置けない、ということです。

目的語を取れるというのは、動詞の直後に名詞や名詞句を取れるということです。

動詞のならを目的語にとって、吃饭(ご飯を食べる)というフレーズを作れます。

動詞のなら学校を目的語にとって、去学校(学校へ行く)というフレーズを作れます。

そして、離合詞は、この逆で、動詞の直後に名詞や名詞句を取れません。

例えば、「彼女と結婚する」と言いたい場合、動詞の「结婚」と名詞「」を使って、
動詞の直後に目的語をとって「结婚她(✗)」のようにしてしまうかもしれませんが、これは間違いです。

「结婚」がそもそも「婚を結ぶ」のような構造を持つ離合詞であるため、これ以上目的語を取れません。

そのためには、介詞(英語at, inのような前置詞のようなものです)「跟」を使って、「跟她结婚」というふうにしなければなりません。

また、「卒業する」を意味する毕业も、「大学を卒業する」と表現したいとき毕业大学のように後ろに目的語を取りたくなりますが、これも離合詞のためできません。動詞の前に介詞を置いて从大学毕业とする必要があります。(一般的には从が省略され大学毕业といいます。)

つまり、離合詞のポイントは、それ以上、直接動詞の直後に目的語を取れないということです。取る場合は、介詞などを使う必要があります。

②動詞の重ね型は「AAB」の形になる

「散步sànbù(散歩する)」は離合詞ですが、こちらを動詞の重ね型にするには「AAB」型になります。

「ちょっと散歩する」とする場合は、動詞部分だけを重ねて「散散步」と言います。

例(離合詞):

  • 散步:我们散散步吧(私たち、ちょっと散歩しましょう)
  • 见面:见见面 我们明天见见面吧。 (明日ちょっと会いましょう。)
  • 游泳:游游泳 休息天我喜欢游游泳。 (休日はちょっと泳ぐのが好きです。)

離合詞ではなく分離できない二音節動詞の場合、「ABAB型」(後ろのABは軽声になります)

例(離合詞ではない動詞):

  • 学习→ 我要向您学习学习。 (ちょっとあなたから学びます。)
  • 介绍→我给你们介绍介绍。 (私がちょっと紹介します。)
  • 休息→我累了,想休息休息。 (疲れたので、ちょっと休みたいです。)

③助詞や修飾語は(動詞と目的語の)間に挿入

「游泳yóuyǒng(泳ぐ)」は離合詞です。動態助詞など動詞につく語は、動詞と目的語の間に入れて「游过泳」「游了泳」などのようにします。

  • 帮忙→我来你的。(私があなたの手伝いをしましょう。)
  • 毕业→可能不了。(卒業できないかもしれない。)
  • 见面→他们一共了两次(彼らは合わせて2回会った。)
  • 结婚→他以前过一次。(彼は以前1度結婚したことがある。)
  • 洗澡→他已经十二点了。(彼は風呂からあがるともう12時だった。)

3.離合詞に惑わされず、単語の内部構造に目を向けよう

離合詞といっても、その単語の構造が動詞目的語の構造になっているだけです。

単語は動詞目的語の構造以外にもパターンがあります。

漢字と漢字が組み合わさって二文字の単語になる組み合わせは7パターンあると言われています。

(ちなみに、「単語」と「単語」を一定の方式で組み合わせたものを「フレーズ」(または「句」「連語」)といいますが、「単語」と「フレーズ」、或いは「フレーズ」と「フレーズ」を組み合わせても「フレーズ」になります。「単語」と「単語」が組み合わさり「フレーズ」になる構成方式は、7種類あります。これは漢字と漢字が組み合わさるパターンと同じです。)

単語と単語からフレーズを構成する7種類

  1. 主述関係
  2. 動目関係
  3. 動補関係
  4. 修飾関係(連体)
  5. 修飾関係(連用)
  6. 並列関係
  7. 連動関係

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引用:『基礎から発展まで よくわかる中国語文法』P13

このうちの「動目関係」となっていて結びつきが強いものが離合詞です。

これを見ると、中国語は基本的に「漢字」(さらにいえば形態素)を基本にして成り立っていることがわかります。

動詞+目的語のフレーズ、例えば、去(行く)と学校(学校)で、去学校(学校へ行く)の構造を理解していれば離合詞は簡単です。上述の3点、去+学校で考えれば自然に理解できますよね?

・「去学校」の後にさらに単語をそのまま置こうとしませんね?

・「了」や「过」を入れるなら、去了学校、去过学校、ですよね?

・連体修飾を入れるなら、去【我妈妈毕业的】学校、と言いますね。

ある程度慣れてきたら、各単語がこの7パターンのどれなのかに目を向けると、理解が深まります。

関連記事:【中国語】単語の効率的な覚え方2選!<漢字の字義>と<単語の内部構造>

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HARU

兵庫県出身。同志社大学卒業。卒業後、食品メーカーで商品開発や中国事業に携わる。多くのプロジェクトで通訳・翻訳として貢献。自身の躓いた語学経験を多くの学習者に還元したいという想いでPaoChaiで中国語学習コーチとなる。新HSK6級。通訳案内士。好きな言葉は「為せば成る為さねば成らぬ何事も」。趣味は自転車で街を探索すること。温泉めぐり。ランニング。

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