中国語の「梗」とは?意味・由来・使い方・例文まとめ【中国ネット文化】

中国文化・社会・歴史語法・表現・フレーズ

「梗」とは何か?

中国語の 梗(gěng) は、本来「茎」「骨」を意味します。そこから転じてネット文化では 「ネタ」「笑いの種」「ミーム」 の意味で広く使われています。

日本語の「ネタ」「ギャグ」と非常に近い感覚で、SNSや動画コメントで頻繁に見かける表現です。

「梗」の由来(語源)

  • 本来の意味
    • 植物の茎(例:草梗=草の茎)
    • 骨や喉に刺さるもの(例:鱼骨梗在喉咙=魚の骨が喉に刺さる)
    • 「固まる」「支える」といったニュアンス
  • ネット文化での転用
    • 笑いや物語の「骨組み」「ツッコミどころ」を比喩的に「梗」と呼ぶようになりました。
    • 漫才やコントの「笑いの骨格」=梗
    • ストーリーを支える「要素」=梗
  • 普及の背景
    • 2000年代のBBS・フォーラム文化で登場
    • 2010年代、微博・抖音で大流行
    • 現在は「段子(ネタ話)」と並び、ネット文化を語る必須ワード

👉 要するに、 「梗」=笑い・共感・ツッコミを生む“骨” という発想から生まれたのです。

よく使われる「梗」例

1. 秋葵的切面 不要吃我啊

  • 由来:オクラの断面が星形で「かわいいから食べないで」と擬人化した梗。
  • 例文:
  • 秋葵的切面不要吃我啊,太萌了!

    オクラの断面が「食べないで~」って言ってるみたいでかわいすぎる!

参考:【中国SNSトレンド(25/9/29)】“秋葵的切面 不要吃我啊”(オクラの切り口「食べないで〜!」)

2. 内卷(nèi juǎn)

  • 意味:過度な競争で消耗すること。「内向きに巻き込まれる」イメージ。
  • 例文:
  • 大学生天天比学习,真是太内卷了。

    大学生は毎日勉強で競争していて、本当に“内巻”だ。

3. 打工人(dǎ gōng rén)

  • 意味:労働者を自虐的に呼ぶネットスラング。
  • 例文:
  • 打工人,打工魂,打工都是人上人。

    労働者よ、労働魂!労働する人こそ偉い!

4. 鸡你太美(jī nǐ tài měi)

  • 由来:アイドル曲「只因你太美(ただ君が美しいから)」の空耳。
  • 例文:
  • 他一出场,评论区就刷屏:鸡你太美!

    彼が登場するとコメント欄が「鸡你太美!」で埋め尽くされた。

梗の使い方

  • 日常会話やSNSで友達と:「この梗知ってる?」と共有
  • ネットコメントで盛り上げる時:「老梗(古ネタ)」「新梗(新ネタ)」
  • 注意点:フォーマルな場・ビジネスメールでは不適切

まとめ

  • 梗の本来の意味:茎・骨 → 「骨格・支え」
  • ネット由来:「笑いの骨格」→ ネタ・ミームの意味に拡大
  • 例文多数:「秋葵的切面」「内卷」「打工人」「鸡你太美」などが代表的
  • ポイント:カジュアルな会話・SNSでは必須の中国語表現

👉 中国語学習者にとって「梗」を知ることは、生きた言葉・ネット文化 に触れる近道です!

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tad

千葉県出身、東京育ち。貿易関係の会社で10数年ほど勤務後、5年の中華圏駐在経験を活かして独立。現在は、翻訳や通訳などを中心にフリーで活動中。趣味はゴルフ。好きな食べ物は麻辣香锅。東京外国語大学外国語学部中国語学科卒業。中国語検定準1級。HSK6級。

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