【中国語の連体修飾語】複数ある場合の「並べ順」&「的」の付け方のルールとは?
こんにちは!今回は『实用现代汉语语法 第三版』(刘月华 潘文娱 故韡 商务印书馆)を参考に、「中国語の定语(連体修飾語)が文中に複数ある場合の並び順」についてご紹介します。
以下、まずは「定语(連体修飾語)」の概要を説明し、その後、「多项定语」と呼ばれる複数連体修飾語がある場合のルールを解説します。
結論、「多项定语」は主に「並列関係(并列关系)」、「逓増関係(递加关系)」、さらにそれら2つとも含まれる「交错关系(交錯関係)」の3つのタイプに分類することができます。連体修飾語の順番を考えるには、これらのタイプを見極め、そのタイプのルールを理解する必要があります。
目次
【中国語】「定语(連体修飾語)」とは
「定语(連体修飾語)が複数ある場合の並び順」を話す前に、まずは定语そのものについて整理したいと思います。
定语とは「どのような〇〇」、「なんの〇〇」、「誰の〇〇」など、体言を修飾する言葉を指します。具体的には「伟大的国家(偉大な国家)」、「木头的桌子(木の机)」、「小张的书(張さんの本)」のように名詞を修飾する言葉です。
<「定语(連体修飾語)」は体言である名詞を修飾する語を指す>
【中国語】「定语」の種類
中国語の定语は「限制性定语」と「描写性定语」の2種類に分けられます。
限制性定语(制限性連体修飾語)
「限制性定语」は数量、時間、場所、属性など、範囲を限定し修飾する言葉を指します。
例)
①我买三斤苹果。(1.5キロのリンゴを買った。)→数量
②他给我讲了一遍过去的情况。(彼は私にひとしきり過去の状況を話した。)→時間
③书包里的书是我从图书馆借来的。(カバンの中の本は、私が図書館から借りたものだ。)→場所
④我们班有十个同学。(私たちのクラスには、10名のクラスメートがいる。)→属性
⑤这是张明的铅笔。(これは張明の鉛筆だ。)→属性
⑥这些东西你拿回去吧,我不能收。(これらの物は君が持って帰りなさい。私には受け取れない。)→範囲を限定する
①~③:*P468/④~⑥:*P469より
描写性定语(描写性連体修飾語)
「描写性定语」は、「怎么样的/什么样的(どのような)」など話者の着眼点による描写を指します。具体的には、性質や状態、特徴、用途、品質、職業、服装などが挙げられます。
例)
①这是一个非常重要的会议。(これは非常に重要な会議だ。)→性質
②老马是一个雷厉风行的人。(馬さんは厳格で迅速に行動する人だ。)→特徴
③我要买一支画画用的铅笔。(描画用の鉛筆が欲しい。)→用途
④我们班的汉语老师姓李。(私たちのクラスの中国語の先生の名は李だ。)→職業
⑤小赵穿了一件紫红色的大衣。(趙さんは赤紫色のコートを着た。)→服装
⑥他的一本三十万字的回忆录已经写完了。(彼の30万字の回顧録はすでに書き終えている。)→その他の描写性
①②⑤:*P469/①③④⑥*P470より
【中国語】多項連体修飾語
一文中に含まれる複数の定语は「多项定语」と呼ばれます。「多项定语」は主に「並列関係(并列关系)」、「逓増関係(递加关系)」、さらにそれら2つとも含まれる「交错关系(交錯関係)」の3つのタイプに分類することができます。
連体修飾語の順番を考えるには、これらのタイプを見極め、そのタイプのルールを理解する必要があります。以下、3つのタイプを詳しく見てみましょう。
①並列関係
並列関係とは、「文章の主要部が並列に修飾された状態」を指し、その多くは同様の性質を持った定语により修飾されています。またそれらはさらに「連合修飾」と「分別修飾」に分けられます。以下、具体的に見て行きましょう。
連合修飾
例)
要调整重工业和农业、轻工业的投资比例。(重工業、農業、軽工業の投資の比率を調整する必要がある。)
*P482より
「投资比例」が「重工业」、「农业」、「轻工业」という3つの業種に修飾されていることが分かります。
分別修飾
例)
那个女工给我们谈了工厂和她自己的情况。(その女性工員は、我々に工場と自身の状況について語った。)
*P482より
女性工員が語ったのは「工場と彼女自身の状況」であり、「状況」は「工場」と「彼女自身」という、異なる性質により修飾されています。このような定语を「分別修飾」と呼びます。
①-1:並列関係の定语を並べる順序
基本的な並び順
並列関係にある定语は、多くの場合下記の順に並べられます。
高→低(価値) / 大→小(価値/重要性) / 遠→近(距離) / 多→少(数量) / 主→副 / 親→疎 / 優→劣 / 年長者→年少者 など
例)
学校的教学科研工作都要抓紧。(主→副)(学校の授業、科学研究の業務はしっかり行う必要がある。)
他很在乎亲人、友人和邻里对这件事的看法。(親→疎)(彼はこの件について、親戚や友人、隣近所の人々がどう考えているか気にしている。)
他在香港买了很多金银首饰。(価値:高→低)(彼は香港で金や銀のネックレスを購入した。)
*P485より
その他よく使われる表現として、「长处和短处的问题(優→劣):長所と短所の問題」、「老师和同学的帮助(年長者→年少者):先生とクラスメートの助力」、「工厂和农村的关系(政治上の重要性:高→低):工場と農村の関係」、「医疗卫生方面(重要性:高→低):医療衛生方面」などが挙げられます。
段階的に並べる
また政治的地位や種々のレベルの高低については、段階的に列挙されます。
例)
这次会议很重要,县、市、省的干部都要参加。(行政単位 小→大)(今回の会議は重要だ。県、市、省の幹部は全て参加しなければならない。)
我们必须兼顾国家、集体和个人的利益。(政治的地位 高→低)(我々は国家、組織、個人の利益に気を配らねばならない。)
*P484より
「認識」に関する語句の並び順
「認識」に関する項目を列挙する場合、多くは下記の順に並べられます。
浅→深 / 表→中 / 外→内
例)
这就是我军多年来发展壮大的历史。(事柄の内在関係:発展→強大化)(これこそが、わが軍の長年に渡る発展、強大化の歴史である。)
这时,一位身穿花衣服,梳着两条长辫子,长着一双大眼睛的姑娘站了起来。(観察の過程──大局→細部)(そのとき、晴れ着姿の長い2本の三つ編みを結った、大きな瞳の少女が立ち上がった。)
*P485より
「中国の習慣」に沿った並び順
その他、中国の慣習に沿った順序があります。例えば「男→女」、「兄弟→姉妹」、「父親→母親」などが挙げられます。
这时他想起来临行时父亲和母亲对自己的嘱咐。(父親→母親)(そのとき彼は、出発のとき父と母に言いつけられたことを思い出した。)
*P485より
①-2:並列関係の定语に用いられる「接続詞」と「的(de)」
同質または近しい性質の項目を列挙し、修飾するとき
並列関係の定语が名詞と動詞で構成されるとき、一般的には最後の2項目間は「和」や「以及」、「或」などを用いて接続し、前方に置かれた項目は「、(顿号)」を用いて接続します。
例)
这是小明和小刚的老师。(こちらは明さんと剛さんの先生です。)
必须兼顾国家、集体和个人三方面的利益。(国家、組織、個人の三方面の利益に対し、気を配る必要がある。)
*P483より
完璧に同質でなくても、一定程度近しい項目を列挙し修飾する場合は、同じように「和」や「、(顿号)」を使うことができます。
単音節または二音節の形容詞をふたつ列挙し、修飾する場合
単音節もしくは二音節の形容詞をふたつ用いて修飾する場合、接続詞などを用いず直接連結し、後続の語句を修飾することができます。
例)
他被小燕真挚诚恳的态度感动了。(彼は燕さんの真摯で真心のこもった態度に感動した。)
老人穿了一件破旧衣服。(老人は、古びたボロボロの服を着た。)
*P483より
列挙するふたつの形容詞の性質が異なる(=分別修飾)場合、「又~又~」、「很~很~」、「最~最~」などを形容詞の前に置くこともできます。
例)
孩子们挖了一个又(很)大又(很)深的坑。(子どもたちは、大きくて深い穴を掘った。)
*P483より
要素が拮抗しない複数の形容詞で修飾する場合、「而」を用いて両者を接続することができます。
例)
她是一个热情而开朗的姑娘。(彼女は情熱的で朗らかな娘だ。)
*P483より
反対に、要素が拮抗する複数の形容詞で修飾する場合、「而」を用いることはできません。「和」あるいは「或」を用いて両者を接続します。
例)
总之,我们要调动一切直接的和间接的力量,为把我国建设成为一个强大的社会主义祖国而奋斗。(要するに我々は直接的か間接的かを問わず全てのエネルギーを動員して、我が国を強大な社会主義国家にするために奮闘しなければならないのだ。)
*P483~484より
「的」を用いて、複数の定语を列挙し強調する
並列関係にある修飾語を複数列挙し、その性質や内容を強調するときは、それぞれの定语の後ろに「的」を使います。
例)
我要到最遥远的最艰苦的地方去工作。(最も遠く、苦しみに満ちた場所に働きに行かねばならない。)
*P483より
②逓増関係
まずは以下の例文をご覧ください。
例)
葫芦架下摆着一张矮腿的小长桌。(ひょうたん棚の下には、脚の短い小さな長机がひとつ置かれている。)
*P486より
上の例では、まず「桌(つくえ)」に「长(長い)」が修飾され、次に「长桌(長机)」に「小(小さい)」が修飾されています。さらに「小长桌(小さな長机)」に「矮腿的(脚の短い)」が修飾され、最後に「矮腿的小长桌(脚の短い小さな長机)」に「一张(ひとつ)」という数量詞が修飾されています。
このように、ひとつの名詞に次々と異なる性質の語句が修飾される関係は「逓増(ていぞう)関係」と呼ばれます。「逓増(ていぞう)」とは「しだいに増加する」という意味です。
「逓増関係」の定语は「並列関係」の定语を列挙するときとは異なり、接続詞や「、(顿号)」は用いられません。
②-1:逓増関係の定语を並べる順序
逓増関係の定语は、一般的に「限制性定语」→「描写性定语」の順に並べられます。「『限制性定语』で大まかな範囲を述べ『描写性定语』で詳細に述べる」という形をとり、この並びが逆転することは基本的にありません。
例)
曹飞是工作组最老的 编辑。(曹飛は社内のチームで最年長の編集者だ。)
她数着窗外蓝色大海里悄悄飘过去的灯光。
(彼女は窓の外の青い大海原にうっすら漂う灯りを数えていた。)
他圆睁着的惊恐的眼睛直视着朱光。
(彼は目を見開き、恐怖に満ちた眼差しで朱光をじっと見据えた。)
*P487より
※緑字…限制性定语① 青字…限制性定语② 赤字…描写性定语① ピンク…描写性定语②
②-2:限制性定语を並べる順序
基本的な並び順
限制性定语は、基本的に下記の通りに並べられます。
①属性を表す名詞/代名詞
②場所詞or時間詞(どちらが先でもよい)
③範囲を示すその他の定语(主述短文、動詞句、前置詞句など)
④数量詞の短文
上記①~④の限制性定语を、番号の要素ごとに色分けすると以下のようになります。
例)
这是整个学校一天的活动计划 。(これが全校の1日の活動計画です。)
他刚才说的关于会议的那一套意见我全不同意。(先程彼が話した会議についての意見に、私は全面的に同意しません。)
*P488より
場所を表す名詞の示す範囲>属性を表す名詞や代名詞
属性を表す名詞や代名詞と場所を表す名詞が同時に出現する際は、その並び順は修飾される関係によって決まります。
「場所を表す名詞の示す範囲が、属性を表す名詞や代名詞より広い」場合は、下記のような並び順となります。(上記の例文と同様に色分け)
例)
操场北面我们班的那间活动室已经锁上了。(体操場の北に面する私たちのクラスの活動室は、すでに施錠した。)
*P489より
属性を表す名詞や代名詞>場所を表す名詞の示す範囲
上記の例と反対に、「属性を表す名詞や代名詞が、場所を表す名詞の示す範囲より広い」場合は、下記のような並び順となります。
例)
我们班操场北边那间活动室已经锁上了,南边那间还没有锁。(私たちのクラスが持つ、体操場の北にある活動室はすでに施錠したが、南にある活動室はまだ施錠していない。)
*P489より
②-3:描写性定语を並べる順序
描写性定语を並べる順序は、基本的に以下のようになります。
①主述短文
②動詞句/前置詞句
③形容詞(の短文)orその他の描写性語句
④「的」を用いない形容詞/描写性名詞
上記の①~④の描写性定语を、要素ごとに色分けすると以下のようになります。
例)
①这当然是少有的最好的情形。(これは言うまでもなく、稀有で最高の状態だ。)
②那个 个子比一般人高些的青年工人是我弟弟。(あの背の高い若い工員が、私の弟です。)
①*P489/②*P490より
形容詞や「的」を用いない名詞が描写性定语の連文を作る場合、基本的に以下のような並び順となります。
大小、新旧──来源──色──形状、様式──材質、名詞
上記の要素を色分けすると、以下のようになります。
例)
大屏幕国产彩色立体声电视机(大画面国産カラーステレオテレビ)
*P490より
ただし「衣服」に関する慣用的な修飾表現は、分解できません。
例)
琵琶襟紫呢短大衣(琵琶襟紫色ウールショートコート)
*P490より
②-4:数量詞句を並べる順序
基本的な並び順
数量詞を含む短文の中に強調する要素が特にない場合、基本的な並び順は以下のようになります。
限制性連体修飾語+数量詞句+描写性連体修飾語
例文を上記の要素ごとに色分けすると、以下のようになります。
例)
两三片透明的白云悄悄地游动着。(2、3片の透き通った白雲がゆらゆらと動いている。)
他耐心地听我叙述前几天看到的这些情况。(彼は辛抱強く、私が数日前に目撃したその出来事の話を聞いてくれた。)
我使劲把朝江的那面大窗子推开。(私は河に面したその大きな窓を、力いっぱい開けた。)
*P491より
「描写性」を強調したい場合、名詞以外は数量詞の前に置くことができます。
例)
他不知不觉选择了最简单的一种工作方法。(彼は知らず知らずのうちに、最も簡単な仕事を選んだ。)
*P492より
【総括】逓増関係の定语の並び順
「逓増関係の定语」は「制限性」と「描写性」のふたつの性質に分けられ、それぞれに並び順がありました。それらをひとつにまとめると、以下のようになります。
①属性を表す名詞/代名詞
②場所詞or時間詞(どちらが先でもよい)
③数量詞の短文(後ろに「描写性連体修飾語」がくる)
④範囲を示すその他の定语(主述短文、動詞句、前置詞句など)
⑤数量詞の短文(前に「制限性連体修飾語」がくる)
⑥形容詞(の短文)orその他の描写性語句
⑦「的」を用いない形容詞/描写性名詞
例文を上記の要素ごとに色分けすると、以下のようになります。
例)
不久,草原上又响起了他们愉快的歌声。
(ほどなくして、草原から彼らの楽しそうな歌声が上がった。)
他们克服了所遇到的一切意想不到的困难。
(彼らは遭遇した思いがけない困難の全てを克した。)(※「一切」は数量詞③もしくは⑤)
那就是墙壁上的一张画满了各种工作母机与农具的大广告画。
(それこそが壁一面に描かれた、各種工作機械と農具の巨大広告だ。)(※「大广告」の「大」は形容詞、「广告」は描写性名詞の2つの要素から成る)
*P493より
【逓増関係の定语】「的」の要/不要の見分け方
「逓増関係の定语」には「的(de)」が必要な場合と、必要でない場合があります。
なお、下記条件自体に「“的”が必要/不要な定语」と書かれているものがありますが、こちらは「逓増関係の定语」のみならず「中国語の定语」そのものについての条件を指しており、詳細については後述します。
「的」が必要な場合
①主述文、動詞句(短文)、形容詞句(短文)、前置詞句(短文)の後に、他の定语が来る場合。
②属性を表す名詞や代名詞の後に「“的”が不要な定语」が来る場合。
例)我的老同学在北京工作。(*P493より)
③二音節の形容詞が定语を作り、描写性名詞の前に置かれる場合。
例)小姑娘穿着一条漂亮的绸裙子。(*P494より)
④ふたつ並んだ形容詞や形容詞句のうち、前方の二音節の形容詞/句の後ろ。
例)赵永进那双有神的大眼,在长眉毛下,迎着星光在闪亮。(*P494より)
「的」が必要ない場合
①形容詞句の後に数量詞句が来る場合。→「的」は省略可
②属性を表す名詞や代名詞の後に、指示代名詞や疑問詞、方位詞、その他の定语が来る場合。
例)我后头那个人是谁?(*P493より)
③二音節の形容詞が文の中心となる語句に最も近い位置にあり、その前に他の「“的”が必要な定语」が来る場合。
例)长城是中国劳动人民的伟大创造。(*P494より)
④ふたつ並んだ形容詞や形容詞句のうち、後方の一音節の形容詞/句の後ろ。→「的」は用いず、文の中心となる語句に直接形容詞を接続する。
例)人们亲切地把这头健壮的小象叫“版纳”。(*P494より)
③交錯関係
「並列関係」と「逓増関係」の定语が併存する文章を「交錯関係」と呼びます。語句の並びなどは、前述したそれぞれの規則に応じます。
【中国語の定语】「的」が必要な場合/必要ない場合
「逓増関係の定语の並び順」などに「“的”が必要/不要な定语」という項目がありましたが、中国語の定语に「的」が必要か必要でないかは、どのように判断するのでしょうか?具体的に見て行きましょう。
「的」が必要な場合
①数量詞が描写関係となるとき
例)
连五十多岁的老张也来参加乒乓球比赛了。(50歳を過ぎた張さんさえ、卓球大会に参加している。)
*P473より
②「満ちているさま」を表すとき
例)
他从外边跑过来,一头的汗。(外から走ってきた彼は、頭中汗だくだ。)
*P473より
③「一+量詞+一+量詞」型のとき
例)
一列一列的火车满载着生产物资开往祖国的四面八方。(続々と連なる列車は物資を満載し、祖国の各方面に向かう。)
*P474より
④「一+量詞+量詞」型で、内容を強調したいとき
基本的に「一+量詞+量詞」型のときに「的」は用いられませんが、内容を強調したい場合は「的」が使われることもあります。
例)
地道口里还有一道道的门,民兵们把门一关,放进去的毒气又从原来的洞口出来了。(地下道にはさらにひとつ門があった。民兵たちは門を閉め毒ガスを放り投げると、元の穴から出てきた。)
*P474より
⑤「人」に属性を修飾するとき
例)
这是谁的地图?(これは誰の地図だ?)
这样的人还不该表扬吗?(このような人を褒めずにいられようか?)
老李是怎么样的一个人,你给我们介绍介绍。(李さんがどんな人か、私たちにちょっと紹介してよ。)
*P475より
⑥「人称代名詞」に属性を修飾するとき
例)
你的工作怎么样?(君の仕事はどう?)
白求恩同志用自己的血把那个八路军战士救活了。(白求恩同士は己の血を使って、八路軍の命を救った。)
*P475より
⑦「别」を用いて修飾するとき
「别人」、「别处」など以外に「别」を用いる場合、「别的~」の形で修飾されます。
例)
下次再给你们介绍别的情况。(他の状況については、また今度君たちに紹介するよ。)
这种产品还有别的用处没有?(この品物は他にも役立つところはありますか?)
*P475より
⑧名詞で修飾し、属性を表すとき
例)
“玉荣……”后边传来了姐姐的喊声。(「玉栄……」後ろの方から姉の叫び声が聞こえた。)
*P476より
⑨方位詞で修飾するとき
例)
里边的小屋子里,也发出了一阵咳嗽。(中の小部屋から咳払いが聞こえた。)
*P476より
⑩一音節の形容詞で修飾し、内容を強調したいとき
基本的に「一音節の形容詞で修飾する場合」は「的」を用いませんが、内容を強調する場合で「的」が使われる場合もあります。
例)
这个重的箱子给我,你提那个轻的。(その重いほうの箱をちょうだい。あなたは軽いほうを持って。)
*P477より
⑪ある種の形容詞や、形容詞の重ね型で修飾するとき
ある種の形容詞(冰凉/通红/黑洞洞/白花花 など)で修飾するときも「的」を用います。
例)
弯弯的月牙,已经移到村西头柳树林上头了。
(弧を描いた月は、すでに村西頭の柳林の上空へ移った。)
*P478より
⑫動詞や動詞句で修飾するとき
例)
杭州人称它为绿化的仓库。(杭州人はそれを「緑化の倉庫」と呼ぶ。)
这是新出版的杂志,你看吗?(これ、新しく出版された雑誌だけど、見た?)
*P478より
「的」が必要ない場合
①数量詞、量詞、それらを用いた短文が制限関係となるとき
例)
接着,他们给我讲了一个故事。(続いて彼は私にひとつの物語を語った。)
他读的当然不外是些“易经”、“书经”。(もちろん彼が学んだのは『易経』と『書経』に他ならない。)
*P473より
②借用量詞が制限関係となるとき
「借用量詞」とは、「慣習的に量詞として用いられている名詞」を指します。例として「瓶」、「碗」、「杯」、「袋」などが挙げられます。
例)
他看见前边有一个女同志,肩上扛着一袋粮食。(彼の前方に、肩に食糧袋を担いだひとりの女性同志が見えた。)
*P473より
③「一+量詞+量詞」型のとき
内容を強調したいとき以外は、一般的に「一+量詞+量詞」型の場合、「的」は用いられません。
例)
到布谷鸟欢叫的时候,一条条更高大的石坝修起来了,一个个山头被推倒了。(カッコウの鳴く頃になると、高々とした防波堤が次々と建設され、山々が倒される。)
*P474より
④「量詞+量詞(量詞重ね型)」のとき
例)
今天,垛垛高墙夷为平地,座座亭榭任人憩歇。(今日、壁という壁が廃墟となり、東屋という東屋は人々の憩いの場となった。)
*P474より
⑤指示代名詞、疑問代名詞、数量詞で構成された短文が制限関係となるとき
例)
这话说得多好啊!(このことはもう何度も話したよ!)
延风,你说这几颗种子怎么样?(延風、これらの種はどう?)
哪个老师教你们体育?(どの先生が君らに体育を教えてくれるんだい?)
你的衬衣是什么颜色的?(あなたのシャツは何色?)
这个工厂有多少工人?(この工場には、どれくらいの工員がいますか?)
*P474より
⑥定语が方位詞を修飾するとき
例)
小明悄悄地藏在他后边。(明さんはこっそり彼の後ろに隠れた。)
我们学校很大。(私たちの学校は大きい。)
*P476より
⑦方位詞が名詞に修飾されるとき
例)
操场北边是游泳池。(体操場の北側は遊泳場です。)
“看!”她把照片递到小李面前。(「見て!」彼女は李さんの前に写真を差し出した。)
*P476より
⑧名詞が属性を表さず、職業や属性などを表す「描写性定语」となるとき
例)
语文老师──教语文的老师 ✖语文的老师
历史问题──历史上出现过的问题 ✖历史的问题
*P476より
⑨一音節の形容詞で修飾するとき
内容を強調したい場合を除き、一音節の形容詞で定语を作るときは、一般的に「的」は用いられません。
例)
我们一起学习,一起锻炼,我们是好朋友。(✖好的朋友)
这是一件小事,你别着急。(✖小的事)
*P477より
⑩慣習的な表現
ある種の形容詞と名詞の組み合わせでは、慣習的に「的」は用いられません。
例)
关键时刻就要当机立断,坚持原则。(ここぞというときは、時機を逃さず即断し、原則を堅持する必要がある。)
要把国内外一切积极因素调动起来。(国内外全ての積極的要素を動員しなければならない。)
*P477より
上記の例以外にも、例えば「糊涂虫(バカ、マヌケ)」、「老实人(お人よし)」、「俏皮话(冗談、皮肉)」、「正经事(当然のこと、まじめなこと)」、「可怜相(哀れな顔つき)」、「重大贡献(重大な貢献)」、「先进单位(先進的な職場)」、「伟大胜利(偉大な勝利)」などが挙げられます。
⑪很多/好多/不少などで修飾されるとき
例)
妈妈送给我不少礼物。(母さんは私にたくさんのプレゼントを送ってくれた。)
*P478より
「的」を用いても用いなくてもよい場合
①分数で修飾される場合
今年百分之四十的职工增加了工资。(今年は40パーセントの従業員の給料がアップした。)
我们厂百分之七十女工是青年。(私たちの工場の女性工員の内、70パーセントが若者です。)
*P474より
②<口語の疑問文or反語文>「人称代名詞」の後
疑問文や反語文の口語では、人称代名詞の後の「的」が省略されることが多くあります。
例)
我书包怎么不见了?(私のカバンはどこに行ったの?)
你帽子不是戴在头上么?(帽子なら君の頭の上にあるじゃないか。)
*P475より
同じく口語で、人や団体、組織の名称が文の中心に来る場合も、「的」が省略されることが少なくありません。
例)
你姐姐是昨天来的吗?(あなたのお姉さんは昨日来たの?)
我想谈谈我们国家的情况。(我々の国の状況について話したい。)
*P475より
★★★
いかがでしたか?「複数の定语(連体修飾語)の並び順」と言っても、定语の種類や「的(de)」をつけるか、つけないかなど、意外と細かなルールがあることがお分かりいただけたかと思います。
結論、「多项定语」は主に「並列関係(并列关系)」、「逓増関係(递加关系)」、さらにそれら2つとも含まれる「交错关系(交錯関係)」の3つのタイプに分類することができます。連体修飾語の順番を考えるには、これらのタイプを見極め、そのタイプのルールを理解する必要があります。
しかし慣習的な表現に関しては、それらが適用されないこともあるため、必ずしもルールにのっとれば正しい文章が作れるとも限りません。
多くの中国語の文章に触れながら、今回ご紹介した内容を少しずつ覚えていくことが、中国語上達の近道と言えそうです。
※1)記事中の例文は全て『实用现代汉语语法 第三版』(刘月华 潘文娱 故韡 商务印书馆)より
※2)記事中の日本語訳文、下線、文字色の追加などは全て筆者による
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