HSK6級合格後に伸び悩む人へ|中上級者が壁を突破する3つの方法

HSK6級に合格した。
ある程度、中国語も読める。聞ける。会話もできる。
それでも、
「ここから先、どう伸ばせばいいかわからない」
と感じる方は少なくありません。
PaoChaiでは、初心者の基礎固めだけでなく、HSK5級・6級取得後など、中上級レベルからさらに中国語力を伸ばしたい方のサポートも行っています。
実際に、
「HSK6級までは取ったけれど、最近あまり成長を感じない」
「勉強は続けているけれど、以前ほど伸びている感覚がない」
「資格の次に何を目標にすればいいかわからない」
といった相談を受けることがあります。
中上級になると、初心者の頃のように、
「単語を覚える」
「文法を勉強する」
「次の級を取る」
といった成長ルートが見えにくくなります。
だからこそ、中上級者は学習量をただ増やすのではなく、
何を目標にするのか
どこまでできれば習得とするのか
何を使ってさらに負荷を上げるのか
を見直すことが重要です。
今回は、HSK6級合格者をはじめとする中上級者が、伸び悩みを突破するための3つの方法を紹介します。
1.「中国語で何ができるようになりたいか」を明確にする
まず最初に見直したいのが、目標です。
中上級になるほど、
「もっと中国語が上手になりたい」
という目標だけでは、なかなか動けなくなります。
「上手になる」とは、具体的に何ができる状態なのかが曖昧だからです。
そこでおすすめしたいのが、Can-doベースで目標を設定することです。
つまり、
「HSK7〜9を取る」
「語彙をあと2,000語増やす」
という数字だけではなく、
中国語を使って、具体的に何ができるようになりたいのか
を決めます。
たとえば、
- 中国語で契約条件の交渉ができる
- 自社の商品やサービスを中国語で説明できる
- 中国語でプレゼンテーションができる
- 中国語の会議で自分の意見を言える
- 中国語で専門分野について説明できる
といった目標です。
私自身、以前、日本のIPを中国へ展開するビジネスに携わっていたときには、
- 中国語で契約条件の折衝をする
- 自社やサービスを説明する
- 日本のアニメ業界について講演する
といった具体的な場面を想定して練習していました。
やり方はシンプルです。
まず、
その場面で自分が実際に話しそうな内容を日本語で書き出します。
次に、それを中国語にします。
さらにネイティブチェックを受け、自然な表現に修正します。
そのうえで、何度も音読します。
数回ではなく、場合によっては数十回レベルで繰り返します。
さらに重要なのが、質疑応答への準備です。
たとえばプレゼンテーションであれば、
「なぜそう考えるのか?」
「具体例は?」
「それにはどんな問題があるのか?」
といった質問を、自分自身で10個、20個と考えます。
そして、それに中国語で答える練習をします。
こうした練習をすると、
「中国語を勉強した」ではなく、「中国語で実際にできること」が増えていきます。
これは非常に重要です。
中上級者になると、
「単語帳を1冊終わらせた」
「教材を1冊終わらせた」
だけでは、成長を感じにくくなります。
しかし、
「以前は中国語で説明できなかったことが説明できるようになった」
「以前は対応できなかった会議で発言できるようになった」
という変化は、はっきり実感できます。
逆に、
「ネイティブレベルになりたい」
「何でも聞き取れるようになりたい」
という目標は、少し曖昧すぎます。
範囲が広すぎるため、
何を勉強すれば達成なのかが決められないからです。
中上級者ほど、
本当に自分が必要としている場面、本当にできるようになりたいこと
から逆算して学習することが重要です。
2.インプットの「完了基準」を引き上げる
2つ目は、インプットの基準を見直すことです。
語学力を伸ばすためには、新しい語彙や表現を増やしていく必要があります。
しかし問題は、
「どこまでできれば、その表現を習得したと言えるのか」
です。
多くの学習者は、
「意味がわかった」
「問題に正解できた」
「日本語訳を見れば理解できた」
という段階で、次へ進んでしまいます。
もちろん初心者のうちは、それでも十分意味があります。
しかし中上級者になると、そこからさらに一段階、基準を上げる必要があります。
特に会話力やリスニング力を伸ばしたい場合、
読めばわかるだけでは不十分です。
聞いた瞬間に意味がわかる。
そして、自分でもその表現を使える。
そこまで持っていく必要があります。
たとえば、新しい文章を学ぶときには、
- 中国語を見て、止まらずスラスラ音読できる
- 音声を聞いて、すぐに意味が理解できる
- 一文ずつリピーティングできる
- 複数の文をランダムに流してもリピーティングできる
- 重要な表現を自分の会話でも使える
といった基準を設定します。
全文を暗唱できれば理想的です。
ただし、すべての教材を暗唱するのは現実的ではありません。
そのため、
「聞いた瞬間に意味がわかり、リピーティングできる」
くらいを一つの基準にするのがおすすめです。
教材を大量に消化することより、
1つの教材から、話せる・聞ける表現をどれだけ増やせたか
のほうが重要です。
中上級者になるほど、
広く浅く進むより、
すでに知っている中国語を、実際に使える中国語へ変えていく
ことが伸び悩み突破につながります。
3.HSK6級で「合格」ではなく「高得点」を目指す
3つ目は、HSKをもう一度使う方法です。
HSK6級に合格すると、
「もうHSKは卒業」
と考える方も多いと思います。
しかし、伸び悩んでいる中上級者にとって、HSK6級は非常に良いトレーニング教材になります。
なぜなら、
HSK6級に合格できることと、HSK6級の中国語を高い精度で処理できることは別だからです。
たとえばリスニング。
設問に正解できていても、
実際には聞き取れていない単語があったり、
文脈から意味を推測していたりすることがあります。
読解も同じです。
大意は理解できていても、
一文一文を正確かつ素早く理解できているとは限りません。
そのため、HSK6級合格後は、
まず、
読解とリスニングでそれぞれ8割以上を安定して取る
ことを目標にするとよいでしょう。
これが安定してきたら、
さらに9割以上などの高得点を目指します。
そして、作文パートについても精度を高めていきます。
ここでも重要なのは、
単に問題を何度も解くことではありません。
HSK5級・6級の文章を、先ほど紹介した「深いインプット」のやり方で仕上げます。
つまり、
- 知らない語彙・表現をなくす
- 文法構造を正確に理解する
- 何度も音読する
- 音声を聞いて瞬時に意味を取れるようにする
- 一文ずつリピーティングできるようにする
といった形です。
特にリスニングでは、
「問題に正解できたか」だけで判断しないこと
がポイントです。
一字一句聞き取れたか。
聞いた瞬間に意味が取れたか。
音声のスピードのまま理解できたか。
ここまで確認します。
HSK6級レベルの文章を、このレベルで仕上げていくのは簡単ではありません。
しかし、
HSK6級の文章を一字一句理解し、聞き取れる文章を増やしていく
だけでも、中国語力はかなり底上げされます。
読解力だけでなく、
リスニング力、語彙力、処理速度、発話力にもつながっていきます。
HSK6級は、
「合格したら終わり」
ではありません。
むしろ合格したあとに、
「合格できる中国語」から「高い精度で使える中国語」へ進むための教材
として活用することができます。
中上級者は「勉強時間」より「できること」を増やす
HSK6級などの上級資格を取得したあとに伸び悩むのは、決して珍しいことではありません。
むしろ、ある程度まで中国語力が上がったからこそ、
初心者の頃のように成長が見えにくくなっているとも言えます。
そんなときは、
ただ新しい教材を増やすのではなく、次の3つを見直してみてください。
- Can-doベースで、本当にできるようになりたいことを決める
- 「わかる」ではなく「聞ける・話せる」までインプット基準を上げる
- HSK6級は読解・リスニング8割以上を目指し、その後さらに高得点や作文力を伸ばす
中上級者にとって大切なのは、
「どれだけ勉強したか」ではなく、「中国語で何ができるようになったか」
です。
昨日までできなかったことが、今日できるようになる。
理解できなかった文章が、聞いた瞬間に理解できるようになる。
言えなかったことが、自然に中国語で言えるようになる。
そうした「できること」を一つずつ増やしていけば、停滞しているように感じていた中国語力も、再び伸び始めます。
PaoChaiでは、初心者の基礎固めだけでなく、HSK5級・6級取得後の中上級者についても、目的から逆算して学習内容を設計しています。
資格取得後に、
「次に何をすればいいかわからない」
と感じている方は、まずは「もっと中国語を上手くなりたい」ではなく、
「中国語で次に何ができるようになりたいか」
から考えてみてください。
冨江コーチ
東京都北区出身。中国ビジネス10年(日本のゲーム、アニメ等コンテンツの中国展開に従事)、中国在住5年(上海、南京)の経験を活かし、実践的な中国語学習のサポートをいたします。2016年から語学の道に転身。大学院で第二言語習得、言語、哲学の研究を行いながら、中国語と日本語を教える。趣味は、中国各地の麺類を食べ歩くこと。テニス、ラグビーなどスポーツ全般。新HSK6級。復旦大学短期留学(2007年)。早稲田大学国際教養学部卒業。The Australian National University修士号、早稲田大学国際コミュニケーション研究科修士課程修了。
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