【中国語学習】「訳せない」から話せない

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筑波大学准教授の落合陽一先生が著書『日本再興戦略』の中で、自動翻訳において話し手(書き手)が気をつけるべき点についてついて述べています。

日本再興戦略 (NewsPicks Book)
落合陽一
幻冬舎
2018-01-30

 

 
    現時点で、自動翻訳は誤訳もありますが、それは、話し手に問題があるケースが大半です。どの単語と、どの単語を組み合わせばうまく翻訳してくれるのかという、文の論理構造や主語述語の対応関係、曖昧な意味でとらえられやすい言葉を押さえていない。つまり、話し手が機械に翻訳されやすい話し方をマスターできていないのです。

     

    書き言葉でも自動翻訳の精度は高いです。論文では、しっかり言葉の意味を定義し、5W1Hも意識しながら書き進めるので、よく推敲された論文は最近の機械翻訳ではおおむね完璧に訳せます。端的には、「誰が、何のために、何をするのか」さえ明確に書けていれば大丈夫です。日本語は主語が抜けがちですが、そういった曖昧な言葉を丁寧に補い、構造を意識すれば、マイナー言語でも問題ありません。

     

    誤訳が多いというのは誤りで、誤訳はそもそも、もとの文の構造が間違っていたり、曖昧な単語や文脈に依存する言葉を多用していたりすることが原因なのです。

     

    今後は「訳せない」こととは、考えがまとまっておらず、コミュニケーションが取れないことと同義になるのではないでしょうか。
    (113ー115)

中国語を話す場合、一般的には次のようなステップで中国語を発話します。

  1. 日本語で何をいうか決める
  2. 中国語に訳す
  3. 中国語を発する

慣れてきたら、「1」のステップの日本語を介さずに、いきなり中国語で考えることができるでしょう。

中国語学習者は、これらのステップのうち、2と3を中国語学習の中心であると考えがちです。

しかし、より重要なのは、実はステップ1の日本語作文なのです。

ここで作った日本語文が曖昧で何が言いたいのかがはっきりしないと、ステップ2の「翻訳」で問題が生じます。逆に、主語述語、5W1H、特に「誰が、何のために、何をするのか」を明確にして1を「決定」すれば、2はスムーズに進みます

中国語のスピーキングのトレーニングをする場合は、是非、何を言いたいのかを明確にして話をするように意識をしましょう。