中国語はなぜ『同字同音』を避けるのか?―― 省略と自然な言い換えで身につく「ネイティブ感覚」

中国語を学んでいると、
文法は合っている
単語も正しい
でも、なぜか中国語っぽくない
という状態に陥ることがあります。
その大きな理由のひとつが、
中国語は「同じ音・同じ字が続くのを極端に嫌う」言語だからです。
中国語では、
- 意味が通じるなら削る
- 言いにくければ別の言い方に変える
という判断が、文法より優先されます。
目次
① 同じ語が近くに来たら、まず「省けないか」を考える
● 進行の「在」が重なる場面
「在」は
- 動作の進行
- 場所
の両方を表します。
この2つが近くに来ると、必ず整理されます。
❌ 学習者が作りがち
他正在在图书馆学习。
⭕ 自然な中国語
他正在图书馆学习。
(彼は図書館で勉強している)
❌ 不自然
我在在家休息。
⭕ 自然
我在家休息。
(家で休んでいる)
👉 意味が分かるなら、音を減らす
これが中国語の発想です。
参考:【中国語】進行と場所の「在」が2つ重なったら? ──「我在大学在学习中文。」を完全整理
② 選択を表す「还是」は重ねない
「AかBか」を表す「还是」は、
一度出れば役割を果たします。
❌ 不自然
你今天去北京,还是是去上海?
⭕ 自然
你今天去北京,还是去上海?
❌ 不自然
我们晚上吃面,还是是吃饭?
⭕ 自然
我们晚上吃面,还是吃饭?
③ 「了」が続きそうでも、実際は1つに整理される
「了」は
- 完了
- 状況変化
を表しますが、音が重なる形は作りません。
❌ 学習者的発想
电影结束了了我们就走。
⭕ 自然
电影结束了我们就走。
(映画が終わったら帰ろう)
❌ 不自然
天黑了了他才回家。
⭕ 自然
天黑了他才回家。
④ 音の衝突を避けるために量詞が変わる
● 名詞と量詞がぶつかる場合
「本子」「盒子」などでは、
音を避けて万能量詞「个」が使われます。
❌ 不自然
一本本子
⭕ 自然
一个本子
(ノート1冊)
❌ 不自然
一盒盒子
⭕ 自然
一个盒子
⑤ 「两」が続くときは「二」に置き換える
数量+単位で
「两两」になる場合、発音回避が起こります。※「两」は重さの単位で50gを表します。
❌ 不自然
两两牛肉
⭕ 自然
二两牛肉
(牛肉100g)
※ 重量・金額など単位表現限定
⑥量詞「条」が続くときの回避パターン
細長いものでも、
同じ音を避けるため別の量詞を使います。
❌ 不自然
三条油条
⭕ 自然
三根油条
⑦ 名詞に量詞が含まれている場合の処理
「房间」「时间」など、
内部に量詞が含まれる語では「个」が使われます。
❌ 不自然
一间房间
⭕ 自然
一个房间
❌ 不自然
两间房间
⭕ 自然
两个房间
⑧ 判断に迷ったときの実践ルール
中国語で迷ったら、次を確認してください。
- 同じ音が続いていないか
- 省いても意味は通じるか
- 「个」に変えたら楽にならないか
中国語では常に、
文法より、耳に自然かどうか
が基準です。
まとめ|中国語は「正しい」より「通じる」を選ぶ
中国語は、
話されることを前提に発達した言語です。
そのため、
- 冗長な形は削られる
- 言いにくい組み合わせは避けられる
- 音の流れが最優先される
この感覚を理解すると、
- 会話が止まらなくなる
- リスニングが楽になる
- ネイティブ表現が一気に増える
という変化が起きます。
ぜひ、
「これは耳で聞いて自然かな?」
という視点を持って、中国語に触れてみてください。
tad
千葉県出身、東京育ち。貿易関係の会社で10数年ほど勤務後、5年の中華圏駐在経験を活かして独立。現在は、翻訳や通訳などを中心にフリーで活動中。趣味はゴルフ。好きな食べ物は麻辣香锅。東京外国語大学外国語学部中国語学科卒業。中国語検定準1級。HSK6級。
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