7年経験してわかった【中国と日本】企業文化の違い10選
こんにちは。現地採用として上海で2年働いた後、今は日本の中国企業に勤めているMihobelinです。日本企業歴3年(1社)、中国企業歴4年(3社)と今や中国企業歴の方が長くなりましたが、
今回は私自身が感じた日本企業と中国企業における文化の違いをシェアしたいと思います。
目次
1.先輩・後輩関係は存在しない
日本では、たとえ年上でも役職が一緒なら自分より後に入社した人は全員「後輩」になるかと思います。私も例外ではなく、日本企業にいた頃は、部署内で行われる行事の幹事はもちろん、誰かが結婚・出産した場合のプレゼントの手配など、「後輩がやるのが当たり前」という環境で行っていました。
社会人1年目(日本企業)の時は何が「先輩に気を遣うこと」になるのかが分からず、
先輩たちと車で移動する際に(私の方が先に降りるからと)車で3人席の端に座ったら「先輩を真ん中に座らせるなんて失礼だと思わない?」と次の日、上司にお叱りを受ける。そんな苦い経験もありました。
一方、中国では上司部下の関係が若干あるだけで、先輩後輩の関係は一切存在しません。
後輩が率先してテーブルを片付けなくても、ゴミ箱が一番近い人、気が付いた人が適当にやる。
相手が「先輩」でなくても、同じ人として、適度に気を遣う。相手が誰であれ、意見があるならしっかり言う。そんな中国の適度な気遣いは、私にとって心地良いものでした。
しかし、日本の先輩・後輩関係があった方が良いと感じた時もあります。
私が中国でプロジェクトマネージャーをしていた際、まとめ役ではあるけど、他メンバーの上司ではないというポジションでした。そうなると、他メンバーに仕事の依頼をしたり、管理しようとすると、仕事の手を抜く人は、とことん手を抜くという印象がありました。
日本では「メンバー(特に先輩)に手間をかけさせる申し訳なさ」があると思いますが、中国は上司でない人に迷惑をかけたところで自分の評価には関係ない、そんな思いを感じざるを得ませんでした。
もちろん、これは人によりますが、上司でもないのにその人の尻を拭うというのは、かなりストレスに感じていました。
2.化粧はマナーではない
(普段スッピンなので必要なときに「女の子は化粧忘れないで」と2回も連絡されている図)
日本ではマナーとされる化粧ですが、中国はそうではありません。
中国だと「化粧は肌に悪い」と考える人が多く、スッピンで出社するのが普通でした。
これは日本支社(中国企業)であってもそうで、お客さんと会う予定がない日に私がスッピンで出社しても誰からも何も言われませんし、私生活であっても中国ではスッピンで出かける人が多いです。
3.日本の制服=可愛い私服
日本人の感覚だと、高校生以外が制服を着る=コスプレであり、ハロウィンや夢の国でだけ着用が許されるイメージがありますが、中国では制服を「可愛い私服」と捉えている人が多いように思います。
日本では想像できないですが、制服を着て出勤する人もいますし、社員旅行に着て来て「修学旅行?」と思わされる場面もありました。
また、冬は特に連日同じ服で出勤する人もいるので、ここはカルチャーショックを受けやすい部分かもしれません。
4.「遅くても終電で帰る」という概念がない
中国は(日本円に換算すると)数百円でタクシーに乗れ、どこにでもシェア自転車がある世界です。
それゆえに「終電で帰る」という概念はありません。
日本では夢のまた夢であるタクシー通勤や、遅い時間に友達と遊びに行ける、というメリットもある一方で、0時が過ぎても終わらなければ朝まで残業、(日本人同士の)飲み会は帰るタイミングがない、といったデメリットも感じました。
5.日本人同士の繋がり、接待要求は日本よりも強い
特に中国現地採用の人は「日本の接待文化に疲れたから海外に来た」という人も多いですが、残念ながら海外の方が求められるように思います。
会社によると思いますが、私は乙側の会社に所属していたので、業務時間外であっても甲側の方から仕事を依頼されたり、毎週末ゴルフ・飲みに付き合ったりなどが頻繁にありました。
悪く言うと「仕事、私生活関係なくいつでも一緒」ですが、日本人というだけで家族ぐるみで仲良くなれますし、一緒に旅行に行ったり、日本食品を譲り受けたりと、恩恵を受けた部分もあります。
6.郵送・印刷・買い物・移動がとにかく便利
(印刷会社の方とのやり取り)
中国でのとある一日を書いてみると、
朝:
- 事前に注文しておいた朝ごはんが会社に到着。
- 契約書の捺印が済んだのでアプリで配達会社の人を呼び、受け渡し。アプリ内で配達完了を確認。
昼:
- 天気が良いので、シェア自転車に乗って客先へ。
- 会社に戻った後、合同購入のURLがアプリ(wechat)に送られてきて、複数人でタピオカを注文。
夜:
- 急に写真の印刷が必要になったため、印刷会社にwechatで入稿、支払い。
- また、帰りはタクシー内でアプリを使い、夕飯の材料を注文。帰宅時間に合わせ、時間指定する。
と、携帯(スマホ)1つで何でもでき、かなり効率的な日々を送っていました。
7.アルバイト感覚で転職する人が多い
詳しい事情は分かりませんが、日本よりも転職するハードルはかなり低く感じました。
日本では誰かが辞めるとなると最低でも1ヶ月前から引き継ぎを行い、送別会をする、というのが通常の流れかと思いますが、中国では最近見かけないなと思ったら辞めていた、なんてことが頻繁にありました。
かくいう私も気がつけば中国企業は現在3社目で、日本企業にいた頃は「最低でも3年は継続しなきゃいけない」と思っていましたが、今は長く同じ会社に勤めるよりも、条件や興味、成長余地によって転職するのが普通という考えになりました。
8.「拜拜」で退勤・電話を切る
日本では友達同士で使われる「バイバイ」ですが、中国では「我先走了,拜拜」「好的,好的。 拜拜〜」など、退勤、もしくは電話を切る際に使われることが多いです。
今はもう慣れましたが、最初は会社で「バイバイ」を言うのは、すごく違和感があった覚えがあります。
9.お茶を飲みながら商談をする
(商談中にお茶を注いでもらっている場面)
商談はお湯を沸かす機能がついたテーブルを使用し、お茶を飲みながら行います。
お茶を淹れてもらった場合は、人差し指で2回トントンと机を叩くことで感謝の気持ちを伝えるなど、ちょっとしたテーブルマナーもありました。
商談途中でも電話に出たり、タバコを吸ったりと、かなり自由な商談スタイルで気楽ですが、タバコを吸わない身としては、商談に参加するたびに全身タバコの匂いまみれになるのが辛かったです。
10.ニックネーム、または下の名前で呼ぶ
日本であれば「名字+さん」、ニックネームであっても、先輩であれば「ニックネーム+さん」が通常だと思いますが、中国では基本的にニックネームで呼び合うので、同僚のフルネームを知らない、なんてこともありました。
郵便物にもニックネームを使う人が多く、最初は驚きましたが、今では親しみがあって良い文化だと感じています。
最後に
日本企業と中国企業の違いを10個あげてみましたが、いかがだったでしょうか。会社や人によって違うので一概に全てがこうとは言えませんが、なんとなく中国(or中国企業)で働くとどんな感じなのか、イメージして頂けたのではないかと思います。
私は日本に帰国した今も中国企業で働くことを選択していますが、それは中国語を使用し続けたいという思いの他に、誰もが対等に仕事ができ、過程よりも結果を重視される環境が自分には合っていると感じるからです。
日本企業に勤めていた時は「会社に出社する感」が強かったですが、今は私生活の一部のような感覚で毎日楽しく働いています。
以上、私の経験が参考になれば幸いです。
Mihobelin
92年千葉が生んだ純ジャパ。19歳の時にテレビで偶然見た王心凌が可愛すぎて中国語の勉強を始める。上海での現地採用を経て現在は中国企業の日本支社で奮闘中。趣味は猫を愛でることと断捨離。
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