中国語リスニング力を確実に伸ばす本質学習法|「一字一句わかる中国語」を増やす

中国語コーチング勉強法・学習メソッド

中国語を勉強している人の中には、

「単語は勉強しているのに、中国語が聞き取れない」

「教材ならわかるのに、実際の会話になると聞けない」

「リスニング力を上げたいけれど、何をすればいいかわからない」

という悩みを持っている人が多いと思います。

リスニングは、学習方法がわかりにくい分野です。

「とにかくたくさん中国語を聞けばいい」

「中国語の動画を流しっぱなしにすれば耳が慣れる」

と考えている人もいるかもしれません。

しかし、PaoChaiでは、リスニング力を伸ばす方法をもっとシンプルに考えています。

今回一番伝えたい結論は、次のとおりです。

リスニング力を伸ばしたいなら、「一字一句わかる中国語」を1つ、2つ、3つと着実に増やしていくこと。

なんとなく7割わかる中国語を大量に聞くのではありません。

音声を聞いたときに、

  • 何と言っているのか
  • どの単語が使われているのか
  • それぞれ何を意味しているのか
  • 文全体で何を言っているのか

を、一字一句レベルで理解できる中国語を増やしていきます。

そして、その到達度を確認する方法として非常に有効なのが、リピーティングです。

この記事では、

  1. なぜまずリスニング力を高めるべきなのか
  2. リスニング力を確実に伸ばす基本原則
  3. 精読・音読・シャドーイング・リピーティングの具体的な進め方
  4. 初心者からどのようにレベルアップしていくか

の4つに分けて解説します。

1.なぜ中国語学習では「まずリスニング力」を高めるとよいのか

会話力を伸ばしたいのであれば、もちろんスピーキングも重要です。

しかし、学習初期から中級段階にかけては、まず**「相手が何を言っているかわかる状態」**を作ることには大きなメリットがあります。

理由は主に3つあります。

リスニングは比較的、伸ばす道筋がわかりやすい

リスニングは基本的に「受け取る」能力です。

相手が発した中国語を聞き、それを理解します。

一方、スピーキングでは、

  • 何を言うか考える
  • 中国語表現を選ぶ
  • 文を組み立てる
  • 発音する

という複数の処理が必要です。

リスニングの場合は、

「聞いて理解できる単語・表現を増やす」

という方向性が比較的明確です。

もちろん簡単という意味ではありません。

しかし、

「何を積み上げれば伸びるのか」

は、スピーキングよりも見えやすい能力です。

今は中国語のリスニング教材が非常に豊富

現在は、中国語の音声・動画教材が非常に豊富です。

YouTubeやBilibiliなどを使えば、

  • 日常会話
  • ニュース
  • ビジネス
  • IT
  • 自動車
  • ゲーム
  • アニメ
  • 金融
  • 旅行
  • 中国文化

など、ほぼあらゆるテーマの中国語コンテンツを見つけられます。

しかも、字幕付きの動画も増えています。

たとえば自動車業界で働いている人であれば、中国人の自動車系動画配信者が新車をレビューしている動画を見る。

ゲーム業界で働いているなら、中国語でゲーム市場や作品について解説している動画を見る。

こうすれば、一般的な中国語だけでなく、自分の仕事や興味に直結した語彙を大量に吸収できます。

相手の話が聞ければ、会話はかなり成立する

実際の会話では、

相手が何を言っているかわかること

が非常に重要です。

自分のスピーキング力がそれほど高くなくても、相手の話を理解できれば、

  • 对。
  • 是。
  • 我觉得……
  • 有一点。
  • 不是。
  • 我知道。
  • 为什么?
  • など、比較的簡単な表現でも会話をつなげられます。

逆に、自分がある程度話せても、相手の返答がまったく聞き取れなければ会話は続きません。

その意味で、まずリスニング力をしっかり作ることは、会話力全体を伸ばすうえでも非常に合理的です。

2.リスニング力アップの本質は「一字一句わかる中国語」を増やすこと

では、リスニング力を伸ばすには具体的に何をすればよいのでしょうか。

答えはシンプルです。

「一字一句わかる中国語」を増やしてください。

「なんとなくわかる」ではなく「全部わかる」

たとえば、3分間の中国語音声があるとします。

聞いてみると、

「大体何について話しているかはわかる」

「7割ぐらいは理解できる」

という状態だったとします。

もちろん、それも悪いことではありません。

しかし、それだけではリスニング力の土台としては不十分です。

重要なのは、

音声に含まれている単語・表現を一つずつ認識し、その意味まで理解できる状態

を作ることです。

たとえば、

他大学毕业以后,先在一家小公司工作了两年,后来才开始自己创业。

という文があったとします。

これを聞いたときに、

「大学卒業後に会社で働いて、その後起業した話だな」

と大意だけ理解するのではなく、

  • 大学毕业以后
  • 先
  • 一家小公司
  • 工作了两年
  • 后来
  • 才
  • 开始
  • 自己创业

まで、一つずつ音として聞き分け、意味を理解する。

この状態を増やしていきます。

「日本語並みにわかる中国語」を作る

一つの目安は、

日本語を聞くときと同じくらい自然に意味が入ってくる状態

です。

日本語で、

「今日は午後から雨が降るらしいから、傘を持っていったほうがいいよ」

と言われたとします。

数秒程度の文であれば、ほとんどの人は一度聞いただけで意味がわかります。

さらに、

「今言った文をもう一度言ってください」

と言われても、かなり正確に再現できるでしょう。

中国語でも、その状態を目指します。

つまり、

聞けば意味がわかり、そのままある程度正確に再現できる中国語

を増やしていくのです。

3.精読→音読→シャドーイング→リピーティングで仕上げる

では、「一字一句わかる中国語」はどのように作ればよいのでしょうか。

基本的な流れは、

精読
↓
音読
↓
シャドーイング
↓
リピーティング

です。

順番に見ていきましょう。

まずは「精読」で一字一句意味を理解する

たとえば、最初は1分程度の中国語音声を用意します。

慣れてきたら2〜3分でも構いません。

HSKの長文教材でもいいですし、自分が興味のある中国語動画でも構いません。

重要なのは、音声と文章の両方があることです。

まず一度聞いてみても構いませんが、わからなければ早めに文章を確認してください。

そして、

  • 知らない単語
  • わからない表現
  • 文法
  • 文構造

を確認します。

ただし、文法分析を必要以上に細かく行う必要はありません。

「ここが主語で、ここが述語で、この修飾語がここにかかって……」

と完全に解析すること自体が目的ではないからです。

目標は、

その文章を読めば、一字一句ほぼ意味が取れる状態

です。

精読した文章を何度も音読する

意味が理解できたら、音読します。

ここで重要なのは、

意味がわかっている文章を読む

ということです。

意味が曖昧な文章を、とにかく声だけ出して読んでも効果は下がります。

文章の意味を理解した状態で、

  • 発音
  • 声調
  • 語順
  • 単語
  • 表現

を意識しながら繰り返し読みます。

回数に絶対的な正解はありませんが、数回で終わるよりは、10回、20回、30回とある程度まとまった回数を反復したほうが定着しやすくなります。

一度に30回読む必要はありません。

今日は10回。

翌日に10回。

数日後にまた10回。

という形でも構いません。

シャドーイングで音の流れに慣れる

音読に慣れてきたら、シャドーイングを入れてもよいでしょう。

シャドーイングでは、ネイティブ音声から少し遅れて発話します。

この練習には、

  • スピード
  • リズム
  • イントネーション
  • 音のつながり

に慣れやすいというメリットがあります。

いきなりシャドーイングすると難しいので、

精読 → 音読 → シャドーイング

と進めたほうが取り組みやすくなります。

音読とシャドーイングを交互に行うのもよいでしょう。

最終チェックはリピーティング

今回、特に重視したいのがリピーティングです。

リピーティングでは、

  1. 数秒間、中国語音声が流れる
  2. 音声が止まる
  3. 聞いた内容をそのまま自分で言う

という流れになります。

たとえば、

大家好,今天我想跟大家介绍一下我的工作。

という音声を聞きます。

音声が止まったら、

大家好,今天我想跟大家介绍一下我的工作。

と自分で再現します。

このときの目標は、

一字一句できるだけ正確に再現すること

です。

なぜリピーティングがリスニングの確認に向いているのか

リピーティングの優れている点は、

「聞けたつもり」を排除しやすいこと

です。

リスニングでは、

「だいたい意味はわかったから聞けた」

と思ってしまいがちです。

しかし実際にリピートしてみると、

  • 単語が一つ抜ける
  • 助詞的な語を落とす
  • 語順を間違える
  • 似た音の単語を聞き違える

といったことが起きます。

つまり、

本当に音を認識できているか

が明確になります。

リピーティングでほぼ正確に再現できれば、

「この中国語はかなり聞けるようになった」

と判断できます。

シャッフル・リピーティングまでできればかなり強い

さらに効果を高めたい場合は、シャッフル・リピーティングを行います。

通常、文章を最初から順番どおりにリピーティングしていると、

「次はこの文が来る」

と予測できます。

文章自体を覚えているため、純粋なリスニング力だけで答えていない可能性があります。

そこで、文章を短いチャンクに分け、ランダムな順番で流します。

たとえば、

A → B → C → D

という文章を、

C → A → D → B

という順番で出します。

こうすると、前後の流れに頼れません。

その場で聞こえてきた中国語を処理する必要があります。

そのため、

シャッフルされた状態でも一字一句正確にリピーティングできる

ところまでいけば、かなり高いレベルで音声を処理できていると考えられます。

4.リスニングで避けたいのは「わからない中国語の聞き散らかし」

リスニング学習で非常によくあるのが、

あまり理解できない中国語を大量に聞く

という方法です。

たとえば、

「中国語に耳を慣らしたいから、毎日2時間ドラマを流している」

「通勤中ずっと中国語ニュースを聞いている」

という学習です。

もちろん、中国語の音に触れること自体に価値がないわけではありません。

しかし、

半分しか理解できない音声を、意味を確認せず何度も流しているだけ

では、学習効率はかなり低くなります。

「聞いた時間」ではなく「理解できる中国語が増えたか」

リスニング学習で見るべきなのは、

「今日は2時間中国語を聞いた」

ではありません。

見るべきなのは、

昨日まで聞き取れなかった中国語が、今日は聞き取れるようになったか

です。

たとえば、

昨日は100語しか聞けなかった。

今日は新しく20語・30語の表現を、音声として理解できるようになった。

こうした積み上げが重要です。

つまり、

聞く量ではなく、「完全に処理できる中国語の量」を増やす

ことを目標にしてください。

「多聴」は不要なのか?

ここは誤解されやすいので補足しておきます。

中国語を大量に聞く「多聴」が無意味ということではありません。

ある程度、中国語の基礎が固まり、

聞いている内容の大部分が理解できる段階になれば、多聴は非常に有効です。

しかし、

まだ基礎的な中国語が十分に聞き取れない段階で、理解できない音声を大量に聞くこと

と、

ある程度理解できる中国語を大量に聞くこと

は分けて考えたほうがよいでしょう。

学習初期ほど、

少ない教材を深く処理する

ことを重視したほうが伸びやすくなります。

初心者は30秒〜1分の音声から始めればいい

「一字一句理解して、リピーティングまでやる」と聞くと、かなり難しく感じるかもしれません。

最初から5分や10分の文章でやる必要はありません。

最初は30秒〜1分で十分

中国語をゼロから学び始めた場合は、まず発音・基礎文法などを固めます。

PaoChaiのBCP方式でいう、

B=Base(基礎)

の段階です。

ある程度、文章を正確に読めるようになったら、

30秒〜1分程度

の短い教材から始めます。

その音声を、

  • 精読する
  • 音読する
  • シャドーイングする
  • リピーティングする

ところまで仕上げます。

慣れてきたら少しずつ長くする

1分程度の文章を処理できるようになったら、

1分
↓
2〜3分
↓
5分
↓
10分

と徐々に長くしていきます。

最終的には、ある程度長い中国語音声でも、

どこから聞いても意味が入り、

短い単位であれば正確にリピーティングできる状態を目指します。

こうして積み上げていけば、HSK5級・6級レベルの長文や、実際の中国語コンテンツにも徐々に対応しやすくなります。

1つの教材を完璧にしてから次へ進めない人はどうする?

「一つの教材を完全に仕上げてから次へ」

というやり方が合う人もいます。

しかし、人によっては単調に感じて続かないかもしれません。

その場合は、学習を複数周に分けても構いません。

1周目:精読+音読

たとえば、

第1課を精読・音読
↓
第2課を精読・音読
↓
第3課を精読・音読

と進めます。

2周目:リピーティング

その後、第1課に戻って、

第1課リピーティング
↓
第2課リピーティング
↓
第3課リピーティング

と仕上げていきます。

こうすると、同じ文章だけを長期間やり続けるよりも変化が生まれ、継続しやすくなります。

重要なのは、

最終的に「一字一句わかる状態」まで持っていくこと

です。

リスニング力アップの目安は「聞いたものを再現できるか」

リスニング力には目に見える点数がないため、

「自分は本当に聞けるようになっているのか」

がわかりにくいものです。

そこで、一つの客観的な基準としてリピーティングを使えます。

たとえば3分程度の文章を使い、

数秒単位に区切ってリピーティングします。

そのとき、

ほぼノーミスで再現できる

ことを一つの基準にします。

もちろん、毎回100%完璧でなければいけないという意味ではありません。

しかし、

「だいたい意味がわかる」

という曖昧な基準ではなく、

聞いたものを実際に言い直せるくらい理解する

ことを目標にすると、学習の方向性が非常に明確になります。

まとめ|リスニング力を伸ばしたければ「日本語並みにわかる中国語」を増やす

今回の内容を一言でまとめると、

リスニング力を伸ばしたければ、日本語並みに理解できる中国語を増やす

ということです。

まず、なぜリスニング力を高めるのか。

相手の言っていることが理解できれば、スピーキング力がまだ十分でなくても会話はかなり進めやすくなります。

そして、リスニング学習で最も重要なのは、

「一字一句わかる中国語」を着実に増やすこと

です。

そのために、

① 精読する

文章を読んで、一字一句意味を理解する。

② 音読する

意味を理解した文章を何度も声に出し、音と意味を結びつける。

③ シャドーイングする

ネイティブ音声を追い、スピードやリズムに慣れる。

④ リピーティングする

音声が止まった後に、一字一句正確に再現する。

⑤ できればシャッフルする

文章の順番に頼らず、どこから聞いても正確に処理できる状態を作る。

この流れを使って、

30秒の中国語を完璧にする。

次に1分。

次に3分。

そして5分、10分へ。

一つひとつ、

「完全に消化した中国語」

を増やしていきます。

反対に、

「半分しかわからない中国語を毎日何時間も流す」

ことを学習の中心にはしないほうがよいでしょう。

大切なのは、聞いた時間ではありません。

「昨日まで聞けなかった中国語が、今日は聞けるようになったか」

です。

最終的には、中国語を聞いた瞬間に、日本語を聞いたときと同じように、嫌でも意味が入ってくる状態を目指します。

そのための最も着実な方法が、

一字一句わかる中国語を、1つ、2つ、3つと増やしていくこと。

中国語のリスニング力を本気で高めたい方は、まず短い音声を一つ用意し、

「この音声なら、どこから聞いても一字一句わかる」

という状態まで仕上げるところから始めてみてください。

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冨江コーチ

東京都北区出身。中国ビジネス10年(日本のゲーム、アニメ等コンテンツの中国展開に従事)、中国在住5年(上海、南京)の経験を活かし、実践的な中国語学習のサポートをいたします。2016年から語学の道に転身。大学院で第二言語習得、言語、哲学の研究を行いながら、中国語と日本語を教える。趣味は、中国各地の麺類を食べ歩くこと。テニス、ラグビーなどスポーツ全般。新HSK6級。復旦大学短期留学(2007年)。早稲田大学国際教養学部卒業。The Australian National University修士号、早稲田大学国際コミュニケーション研究科修士課程修了。

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