中国で生活してたり、中国語ドラマを見ているとよく“叫做”という表現を耳にしませんか?
「叫做jiào zuò」と「叫jiào」はどちらも「~と呼ばれる」「~という」の意味を持ちますが、使い方やニュアンスに違いがあります。
今回はこの違いや使い分けについて説明します。
まず、結論として、
「叫做」は「叫」に、文法的には基本的に置き換え可能です。ただ、意味的には違いがあるので使える場面は異なります。
以下、詳しく見ていきましょう。
1. 叫(jiào)
➡ 主に名前や簡単な呼称を言うときに使います。
➡ 動詞として「~と呼ぶ」「(名前が)~である」の意味を持ちます。
✅ 例文:
- 他叫王明。
- (Tā jiào Wáng Míng.)
- 彼は王明といいます。
- 这只狗叫小白。
- (Zhè zhī gǒu jiào Xiǎo Bái.)
- この犬は「小白」といいます。
- 你可以叫我小林。
- (Nǐ kěyǐ jiào wǒ Xiǎo Lín.)
- 私を「小林」と呼んでいいですよ。
2. 叫做(jiào zuò)
➡ 「~と呼ばれる」「~という(名称)」のように、ややフォーマルな表現。
➡ 事物や概念を説明するときによく使います。
➡ 名前以外のものにも使えます(例えば、専門用語や現象)。
✅ 例文:
- 这种现象叫做“温室效应”
- (Zhè zhǒng xiànxiàng jiào zuò “wēnshì xiàoyìng”.)
- この現象は「温室効果」と呼ばれます。
- 这个城市过去叫做“北平”。
- (Zhège chéngshì guòqù jiào zuò “Běipíng”.)
- この都市は昔「北平」と呼ばれていました。
- 这道菜叫做“红烧肉”。
- (Zhè dào cài jiào zuò “hóngshāoròu”.)
- この料理は「紅焼肉」といいます。
“叫做”は“叫”の比較
|
叫(jiào) |
叫做(jiào zuò) |
意味 |
「~と呼ぶ」「(名前が)~である」 |
「~と呼ばれる」「~という名称である」 |
用途 |
人の名前、ペットの名前、あだ名 |
事物、現象、専門用語、正式名称 |
例 |
他叫王明。 |
这种现象叫做“温室效应”。 |
普段の会話では「叫」の方がシンプルでよく使われますが、概念や正式な名称を説明するときは「叫做」を使うのが自然です!
“叫做”と“叫”の置き換えはどんな場面でできる?できない?
「叫」と「叫做」は文法的には置き換えできますが、意味的には一部の文で置き換えできません。それぞれの違いが明確になるように、以下の例を示します。
① 置き換え可能な例
どちらを使っても意味が通じるが、ニュアンスに若干の違いがある場合。
✅ 例1(料理の名前)
👉 どちらも「この料理は『紅焼肉』という」と訳せるが、「叫做」の方が少しフォーマルで説明的。
✅ 例2(都市の名前)
👉 どちらも「この都市は昔『北平』と呼ばれていました」の意味。フォーマルな場面では「叫做」の方が適している。
② 置き換えできない例
(A)「叫」はOKだが、「叫做」はNGな場合
✅ 例3(人の名前)
👉 「叫做」は正式名称や概念に使うので、人の名前には不自然。
✅ 例4(〜を〜と呼ぶ)
- 你可以叫我 小林。(〇)
- ❌ 你可以叫做 小林。(×)
👉 「叫做」は「何かが何と呼ばれるか」という説明的なニュアンスなので、個人的な呼び名には使えない。
(B)「叫做」はOKだが、「叫」はNGな場合
✅ 例5(専門用語や概念)
- 这种现象叫做 温室效应。(〇)
- ❌ 这种现象叫 温室效应。(×)
👉 「温室效应(温室効果)」のような概念や専門用語には「叫做」を使う。「叫」だと口語的すぎて不自然。
✅ 例6(特定の言い回し)
- 这种行为叫做 偷懒。(〇)
- ❌ 这种行为叫 偷懒。(×)
👉 「偷懒(怠けること)」のような抽象的な概念には「叫做」が適している。「叫」では直感的に分かりにくい。
以下に置き換え可能かをまとめておきます。
使用可能な表現 |
叫(jiào) |
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どちらも使える |
料理名(红烧肉)、地名(北平)など |
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「叫」はOKだが「叫做」はNG |
人の名前(王明)、あだ名(小林)、呼びかけ(叫我小林) |
❌(不自然) |
「叫做」はOKだが「叫」はNG |
❌(不自然) |
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以上です。
“叫做”と“叫”の違いがわかりましたか?
この違いを意識すると、自然な中国語が使えるようになりますよ!