中国企業とのやり取りで頻出する役職が “总经理” と “董事”。
多くの学習者はこれを、
と訳して覚えます。
しかし――
その理解だけだと、実務ではかなり危険です。
なぜなら、中国の役職名は
「日本語訳の一対一対応」で理解するとズレるからです。
この記事では、
単なる訳語暗記ではなく、
中国企業における役職の“構造”と“本質”
から理解できるように整理します。
まず結論:ざっくり日本でいうと?
| 中国語 |
ピンイン |
日本で近いイメージ |
ただし注意 |
| 总经理 |
zǒngjīnglǐ |
社長 / CEO / 現法トップ |
会社によりかなり意味が変わる |
| 董事 |
dǒngshì |
取締役 |
日本より“ボードメンバー”色が強い |
1. “总经理”とは何か?
直訳すると?
- 总=全体を統括する
- 经理=経営管理者・マネージャー
つまり、
「全体を統括する経営管理者」
本質的な意味
経営執行の総責任者
具体的には:
- 日々の経営判断
- 各部門統括
- 事業運営
- 現場マネジメント
を担うポジションです。
2. では“总经理”はCEO?COO?社長?
答え:
ケースによる
ここを理解しないと誤訳します。
パターンA:中小オーナー企業
この場合:
ほぼ社長 / CEO
パターンB:大企業・上場企業
この場合:
CEO / President級だが、董事长の下
パターンC:外資・日系中国法人
この場合:
中国法人社長 / Country Manager / 拠点長
3. なぜ「COO」とは少し違うのか?
COOは本来:
CEOの下でオペレーションを統括する役職
一方、中国企業の总经理は:
経営執行そのもののトップ
であることが多い。
つまり、
COOより上のケースが多い
4. “董事”とは何か?
基本意味
取締役会の構成員
日本語では最も近いのは:
取締役
ただし日本の取締役と少し違う
日本では:
取締役=経営執行も兼ねることが多い
中国では:
董事=監督・意思決定側
のニュアンスが強いです。
つまり、
より“ボードメンバー”に近い
5. “董事”と“总经理”の関係
典型的には:
つまり、
董事会が总经理を任命する
構造です。
6. 日本企業との最大の違い
日本
「社長」「取締役」がかなり混在しやすい
例:
中国
比較的、
意思決定(董事)
執行(总经理)
が分かれている
7. 実務での超重要注意点
肩書きを直訳しないこと
同じ“总经理”でも:
まであり得ます。
見極めるポイント
① 董事长が別にいるか
→ いるなら総経理はNo.2〜執行トップの可能性
② 法定代表人か
→ 中国登記上の代表者
→ 実権判断に重要
③ 会社規模
→ 小企業と大企業で意味が全く違う
8. 中国語例文で学ぶ
他是公司的总经理。
Tā shì gōngsī de zǒngjīnglǐ.
彼はその会社の総経理(経営責任者)です。
他是董事会成员。
Tā shì dǒngshìhuì chéngyuán.
彼は取締役会メンバーです。
董事会任命他为总经理。
Dǒngshìhuì rènmìng tā wéi zǒngjīnglǐ.
取締役会は彼を総経理に任命した。
9. 学習者向け・最も安全な理解法
こう覚えるのがおすすめ
总经理 = 「経営執行トップ」
董事 = 「経営監督・意思決定側」
この理解が最もズレません。
まとめ
| 用語 |
日本語で雑に訳すと |
本質理解 |
| 总经理 |
社長 / CEO |
経営執行トップ |
| 董事 |
取締役 |
ボードメンバー・監督側 |
本日の1単語
董事会
dǒngshìhuì
取締役会
中国語の役職は「訳語」で覚えるより、
“その会社でどの権限レイヤーにいるか”で理解することが重要です。